各国のヘリテージカーを見に2024 オートモビルカウンシルへ行ってきた。 (前編)
オートモービルカウンシルへ行ってきた。
今年のオートモビルカウンシルは4月の12日(金)~14日(日)までの3日間開催されていたが、昨年の東京モーターショーとはまた違った雰囲気のイベントであった。
そのオートモビルカウンシルの歴史は2016年を初開催され今年で9回目の開催となる。
第1回目は2016の8月初旬に開催され、1万8,572人が来場されている。
今回私は初参加だったのだが、中でも印象的だった車両をピックアップして紹介していきたい。
Lamborghini Espada
1台目はランボルギーニ エスパーダを紹介していきたい。
先ずこのブースに展示されている車両は先月3月13日にこの世を去ったマルチェロ・ガンディーニを追悼する為に設けられた。
エスパーダは3世代に渡って、シリーズ1(1968~1970)、シリーズ2(1970~1972)、シリーズ3(1972~1978)と制作され今回ブースに展示されていたエスパーダはシリーズ2となっていた。
エスパーダは初の4人乗りランボルギーニであり、エンジンはミッドシップではなくフロントに積み3,929ccのミウラと同様のV12エンジンを後輪のみで駆動している。
以下ランボルギーニ エスパーダの諸元表である。
全長×全幅×全高 | 4,730×1,860×1,185mm |
車両重量 | 1,630kg |
エンジン型式 | 不明 |
最高出力 | 355PS |
最大トルク | 363N・m |
エンジン種類 | 3.9L V12 |
総排気量 | 3,982cc |
トランスミッション | 5速 MT/3速 AT |
マルチェロ・ガンディーニによって手掛けられたエスパーダはアメリカンマッスルカーを彷彿させるような特徴的なデザインであり、ハラマと同様に独立した丸目ヘッドライトを左右2つずつ備えている。
ボンネットにNACAダクトが加えてあり、冷却効果や空力性能を向上させている。
ガンディーニによってデザインされたエスパーダで私が最も好きな箇所が大きく広がったリヤゲートガラスと下降せずに上昇カーブしたリヤクォーターガラスのデザインで、独創的なものとなっている。
車高が1,185mmとなり、現代のスーパーカーのウラカンとほぼ変わらないスタイリングでありながらも4人乗りを実現させたガンディーニの作品の1台であった。
Alfa Romeo Montreal
今回のオートモービルカウンシルで見る事が出来て嬉しかったのが、アルファロメオ モントリオールであった。
このモントリオールもマルチェロ・ガンディーニによって手掛けられたデザインであり、最大の特徴といえばヘッドライトデザインである。(ヘッドライトグリルと言って良いのだろか?)
正面から見るとヘッドライトグリルが被さり半目になるのもガンディーニはモントリオールに対して何か象徴的な物を表現したかったのかと思ってしまう。
フロントバンパー内にアイアンバンパーが組み込まれているのもヘッドライト付近に力強い印象を与えている。
ボンネット下には「ティーポ33」や「ストラダーレ33」のエンジンをデチューンベースしている。排気量は1,995ccから2,593ccへ変更されたドライサンプV8エンジンが搭載され、4 本のカムシャフトと機械式燃料噴射を利用して 6500rpm で 200PS、4750rpm で最大トルク 235N•mを発生する。
これらの出力はドッグレッグ 1 速ギアとLSDを備えた同年代のアストンマーティン DBSと同じ 5 速 ZF ギアボックスを介して後輪を駆動し、最高速度は220km/h以上に達するという。
シャーシとサスペンションは依然として 105 シリーズをベースにし、コストを抑えながらも 105 シャーシの本質的なスポーツ性を生かすためにモントリオールは様々な箇所に手を加えられている。
以下モントリオールの諸元表である。
全長×全幅×全高 | 4,220×1,675×1,205mm |
車両重量 | 1,295kg |
エンジン型式 | 不明 |
最高出力 | 200PS |
最大トルク | 235N•m |
エンジン種類 | 2.6L V8 |
総排気量 | 2,593cc |
トランスミッション | 5速 MT |
モントリオールはフロントデザインの他にBピラーに備えられた6本エアインテークと思われるが、モントリオールはフロントエンジンであり、これは単なるダミーではなく室内の圧力や室内臭を抜く為に使用されており、きちんとした機能を持っていることに驚いた。
リアデザインは何処となくミウラのデザインを感じ取れ、フロントセンターのマフラーが下向きを向いているのも珍しい。
イタリア車らしく欧州車とは違う独自の路線をいくモントリオールは会場に展示されている車両の中でも一際異彩を放っていたのは確かであった。
Ferrari 250GT Coupé Pininfarina
少し会場を歩いていると、フェラーリ250GT クーペがMAGARIGAWAのブースに展示されていた。
フェラーリ 250GT クーペ紹介する前にこのMAGARIGAWAについて話していきたい。
MAGARIGAWAは南房総の富浦町にある完全会員制のプライベートドライビングクラブになる。
富浦町付近には幼い頃に祖父と度々釣りに出かけた事があるので馴染みのある地域で、その富浦町に巨大なサーキットが昨年の7月29日にオープンした。
どのサーキット似てないコースを持っている事をコンセプトとしているMAGARIGAWAであるが、コースを走るにも会員権が必要となりその会員権は3,600万円(販売当時)となる。
新車のフェラーリやランボルギーニが1台買えてしまう程の値段であるにも関わらず、実際にサーキットを走っているオーナーがいる訳で一握りの超富裕層には需要があるのだとつくづく思ってしまう。(庶民の私には全く縁もなくサーキットを走らせる車すら無いのが何とも悲しい…)
そのMAGARIGAWAのブースに展示されていたフェラーリ 250GTクーペはルーフがホワイトペイントされブルーのボディカラーを纏っており細部まで磨かれたボディはくすみや線傷とは無縁であり一級品の仕上がりとなっていた。
この250GTクーペは派手な装飾や目立った特徴がなくノッチバックのスタイルはエレガントな印象を当時の人々に与えたという。
私自身もこのデザインは非常に美しく暫くボディを眺めていた。
けれども250GTクーペには悲しい一面もあり、車両価格が暴落した際に多くの個体が解体され、解体されなかった他の車両は他の希少車と共通部品が多い所に注目されドナーカーとして利用されてきた。
だが近年は個体数が少なくなった事で、250GTクーペの価値が高まりつつあるという。
かつてのエンツォ・フェラーリはレーシングチームの活動資金を得る為にロードカーを生産していた。
しかし1954年にフェラーリから生み出された250GTクーペは単にレーシングチームの活動資金稼ぎではなく将来を安定させる為の重要な役割を持った歴史がある。
そして250GTクーペには250MMに搭載されているコロンボショートブロックV12エンジンが搭載されている。
ジョアッシーノ・コロンボという人物が設計しフェラーリでは小型1.5LのV12エンジンを積んだTipo125、166で成功し250GTクーペの3.0Lや最終的に最大 4.8 L の排気量のロードカーおよび耐久レーシング カー用にコロンボエンジンが生産された。
因みに250GTクーペのV12エンジンはボアとストロークが73mm x 58.8mmで現代フェラーリの812 スーパーファーストは94mm × 78mmと約20mm近くエンジンブロックが小さくなっている。
加えてウェバー 36 DCZを3 基装備し、ツインコイルとフロント水平マウントディストリビューター点火装置を備え、220PSを発生させ4 速全シンクロメッシュ ギアボックスがプロペラ シャフトを介して剛性の高いリア アクスルを駆動している。
以下、250GTクーペの諸元表である。
全長×全幅×全高 | 不明 |
車両重量 | 1,050kg |
エンジン型式 | 不明 |
最高出力 | 220PS |
最大トルク | 不明 |
エンジン種類 | 3.0L V12 |
総排気量 | 2,953cc |
トランスミッション | 4速 MT |
250GT クーペはピニンファリーナがグランドツーリングカーとしてのフェラーリを描いて実現化したものであり、長いボンネットと展示車両にはボディ色と2トーンに色分けされるようにハードトップはホワイトに塗装されている。
グランドツーリングとしての役割を担う為にフェラーリはレザートリムやメッキ装飾された各スイッチ類、防音材、厚手のカーペットをインテリアに採用している。
特に私がお気に入りのデザインがBピラーまで目一杯広がっているリアガラスになる。
Bピラーの直後にまで湾曲しているリアガラスは室内の圧迫感を無くし開放感に包まれているデザインで、リアから見る250GTクーペは丁寧にメンテナンスされているだろうタンレザーが覗き込められ、見事な造形美だと思いながら暫し見惚れていた。
その他にも多くの魅力のある車両があったが、説明し切れないので写真のみで数台紹介させていただく。
次回の後半編も引き続き見ていただきたい。
出典:Alfa Romeo Giulia 105-series Bertone coupé Buying Guide (classic-trader.com)
出典:For Sale: Alfa Romeo Montreal (1972) offered for €129,950 (classic-trader.com)
出典:Ferrari 250 GT Coupé del 1959 andrà presto all’asta – ClubAlfa.it
こんにちは。
オートモービルカウンシル行ったんですね。
私も最終日の日曜日の午後から行きました。
普段、お目にかかれない車がいろいろ見れて良かったです。
もんもんさん
こんばんは。コメントありがとうございます!
私は金曜日に参加しました。オートサロンやモーターショーとは違い、落ち着いた雰囲気でゆっくり車両を見れたのでとても良い時間を過ごせました!!
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