元アストンオーナーが探している。それなりにお手頃で壊れなそうなアストンマーティンの中古車とは?

アストンマーティン
Yuu

ほぼ毎日欠かさずに中古車情報を見ている。

一時期の中古車バブルが終わった。

どの車両も価格が少し落ち着いてきたように見えてきた。

特にスポーツカーのシビック、RX-7を筆頭に100~200万円程の値上りをしていた。

相変わらず今もだが、スープラやGT-Rは異常な程の値上がりをしている。

TOYOTA SUPRA
Toyota Supra

それ以外ではトヨタのアルファード、SUVは新車価格を超える様な状況にもなっていた。

新車を買ってもいつ納車になるのかは分からない状況であった。

中古車であれば書類と整備が終われば、新車とは違って数ヶ月~数年も待たずに1ヶ月程度で直ぐに現車が手に入る。

そういった中古車の需要が何倍にも膨れ上がった原因を起こしたのは2020年から大流行したコロナウイルスであったり、ウクライナ情勢であった。

更にIT技術が成長し電気自動車やAI、スマートフォンの5G化による性能の向上により半導体を多く使用する環境になったが故に供給不足に陥ったと思われる。

テクノロジー

実際私の仕事にも影響しドイツ本国から部品が供給されず部品が届かない問題が何度かあった。

板金修理で預かっていた車両があった。

事故でエアバックが展開してしまったのでエアバックECUの交換が必要となっていた。

エンジンECUやエアバックECUといったコンピュータ系は半年以上も待たされた。

(この時はお客様にもちろん怒られた)

半導体不足のせいで中古車バブルになり、部品供給も遅れてここ数年は自動車業界にとって色々と打撃を受けた。

3~4月頃からやっと部品供給も安定し、中古車価格も落ち着いてきた。

そんな中でまだまだ買う事は不可能だが、

私が狙っているアストンマーティンの中古車2台を紹介していきたい。

1台目 アストンマーティン DB9

アストンマーティン DB9
Aston Martin DB9

過去に所有した車両ではあるが、DB9の魅力は手放した今でも計り知れない。

エクテリアデザインは完璧であり、V12エンジンを始動する時のスターター音はアドレナリンが大量排出される。

所有していた当時は残業が多い日々を過ごしており、毎日精神をすり減らしていた。

しかしアストンマーティンのオーナーであって休日にDB9のエンジンスタートを聞けるだけでそれまでの疲労は嘘の様に無くなってしまう。

アストンマーティン スタート ボタン

現在もDB9を手放した事を後悔して、維持し続けるべきだと何度も自分を責めた。

何するにもお金が掛かり、気分が悪くなると直ぐエンジン不調になるや否や一歩も動かなくなる我儘な車だったが、グラントゥーリズモよりも気に入っていたのは確かだった。

故障した箇所は可能な限り自分で直し、オイル交換やデフオイルの交換、マフラー交換、ドライブレコーダー取付けやオーディオ取付けなど色々な作業をDB9を通して学ぶ事が出来た。

DB9 インテリア
DB9 インテリア

(DB9の内装はマジックテープや取付け部にはめてあるだけ、といった意外と雑な所もある)

中古相場を確認してみる。

現在の状況を踏まえた上で480~600万円の予算とするならば同価格帯のV8ヴァンテージではなく、やはり私はDB9を選択する。

アストンマーティン V8 ヴァンテージ
Aston Martin V8 Vantage

DB9とV8ヴァンテージの両車はボディサイズやエンジンも違っている。

そして私が両車で比較して1番に違うところは、V8ヴァンテージは2ペダルMTのスポーツシフトのトランスミッションが搭載されていることである。

DB9はMTの設定もあるが市場に流れているのはほぼ6速ATのトランスミッションになる。

V8ヴァンテージのスポーツシフトというのはどうも私は苦手である。

フォルクスワーゲンで例えるならば、V8ヴァンテージはUp!に似ている。

Up!
Volkswagen Up!

Up!はASGというシングルクラッチの5段セミATが搭載しており、このセミATが実に厄介である。

ASGはマニュアルトランスミッションをそのまま自動で変速させる。

クラッチを操作するギアアクチュエーター、ギアを操作するギアアクチュエーターが取り付けられており、この2つのアクチュエーターの調律が上手く取れていない。

Up!のATモードでの走行は変速時にフロントがかなり沈み込んでワンテンポ遅れて変速する。普段AT車やDSG車に乗っているオーナーは違和感と乗りにくさを感じる筈だ。

そのUp!を楽しく乗るコツは常時シーケンシャルモードで運転する事だ。

手動で変速する時にアクセルを抜いて変速するとATモードとは比べられないくらいキビキビ走る。

V8ヴァンテージも同じでATモードでの走行は違和感を感じざるを得ない…

私は4.2Lの2007年式、4.7Lの2010年の両方の年式でスポーツシフトを体験した。

2007年式の方がATモードでのシフトショックが強く、やはりワンテンポ遅れて変速する。

V8ヴァンテージとUp!を比較するのは検討違いだが、どちらもパドルシフトやシーケンシャルで回転を上げてからギアチェンジした方がカチッと気持ち良く変速してくれる。

しかし私はその手動動作を毎回やるのが嫌になるのが目に見えていた。なのでトランスミッションを判断材料にして愛車をDB9に選んだ。

エクテリアではDB9とV8ヴァンテージどちらも遜色がなく選び切れないからだ。

そして現在提示してる中古車でお金があればこのDB9を買う。

DB9 中古車
アストンマーティン 中古車

2008年式の高年式で走行距離は59,000kmの車両であり、走行距離から計算すると年間4,000kmペースで走行している事になる。

このDB9は左ハンドルという点とストーンガードの黄ばみが私にとってはマイナスポイントではあるが、内装は状態も良さそうでタイヤはアジアンタイヤでないことから安心できる。

見間違いかと思ってしまうが、保証期間を1年にしてるのは今まで見たことがない…

(恐らくはエンジン内部のピストン交換レベルのほぼ使えない保証だと思うが、これが各O2センサーだったりと細かい範囲も保証内だった場合は非常にお得である。)

59,000Kmの走行ペースであれば、車が全く動いていなかった期間はさほど多く無かったと予想できる。

半分以下の20,000kmの走行距離になった場合は、年間1,300kmペースとなって乗っていない期間が長く注意が必要である。

車は運転しなければ劣化のペースが非常に早くなる。

車に乗らなければ、ボディに飛び石や砂、ピッチ等で傷ついたり汚れの心配はなく運転しなければしないほど綺麗な状態を保っていられるが、

中古車選びでは年間走行距離も私は1つの重要なポイントだと思っている。

年間走行距離が短いとエンジンやトランスミッションといった駆動系にオイルやクーラントが循環されないと至る所に悪い影響を及ぼす。

例として、

低走行による劣化しやすい箇所
・エンジンヘッドカバーのオイルシール

・ラジエーターの接合部などのクーラント漏れを防ぐシール

・アストンにはATFクーラーが付いてありゴムホースが劣化してATFが漏れる症状が良くある。(私のDB9も1度交換した)

これ以外にも年間走行距離が少ない場合に及ぼす悪影響はあるが、車両によってはオーナーに大切に保管され週1ペースぐらいでエンジンを始動してある車両が少なくともあるとは思う。

しかしその車両を見極めるのは非常に困難であり、

リスク回避をする為に年式に対して1年間辺り3,000~4,000km走行した車両が狙い目だと言える。

2台目 アストンマーティン ラピード

ラピード
Aston Martin Rapide

2台目は最近値下がりが特に目立っているラピードになる。

初期モデルにもなれば総額580万円になり、600万円を切る車両も出てきた。

(日本だけではなく海外もかなり値落ちしてきている)

ラピード 中古車
ラピード 中古車
ラピード 中古車

年式は2010~2013年となり10年落ちは避けられない。

ラピードは現代のハイテク車と見比べて見ても遜色ないエクテリアであると思う。対するDB9はややネオクラシックカーに近づいてきた。

そして新車価格が2,000万円を余裕で超えるラピードが何故ここまで値下がってしまっただろか。

アストンマーティンは4人乗りというイメージがなく、私はラピードを除いた4人乗りアストンはラゴンダしか思いつかなくクーペのイメージが根強い。

もちろん4ドアのアストンマーティンとなってもエクテリアはアストンらしいデザインで他ブランドの4ドアサルーンとは比べられないくらい美しい。

ラピード サイド
ヴァンキッシュ サイド

クーペのDB9やヴァンキッシュと見比べてみても全く違和感なく仕上がっている。

そしてアストンマーティンの世界を4人同時に味わえるのは最高の贅沢だと私は思う。

海外ではこのラピードをファミリーカーとして顧客に説明していたが、全く相手にされなかった為に4人乗りのスポーツカーとしてラピードを紹介し始めたという。

ラピード インテリア
ラピード シート

後部座席が狭いと評価をされているが、平均身長が172cmの日本人はラピードの後部座席に乗っていても窮屈な思いをする事はないだろう。

ラピード トランク

4人で家族旅行や友人との旅行に行く場合にもラゲッジルームがクーペよりも拡大されているのでバックが入らなくて困る事は無そうだ。

(ただしキャリーケースを4つ積むのはかなり厳しそうだ)

4ドアのアストン という以外では他に何がラピードの価値を下げているだろうか…

もう答えは出てきているが。。。

他のアストンも故障とは仲睦まじくなるが、初期ラピードは故障が特に多いことで有名だ。

知人がラピードに乗っていたが、

バッテリー、オルタネーター、O2センサーのトラブルは他のアストンも同じだがほぼ起こると言う。

ラピードは高額修理のエキゾーストマニホールド(触媒)の本体交換が怖いと言っていた。

ラピードは全長が5.0mとなりDB9と比べても30cm程しか変わらない。

全長が伸びた分、エキゾーストパイプが長くなったせいで何か排気関係に因果関係があるのか分からないがラピードはこの故障が多いらしい。

その他にも燃料ポンプ不良やヘッドライト、テールライトのシーリング不足で水がライト内部に侵入し電気ショートが起こって本体交換など…

1度でも故障したら100万円は覚悟した方が良さそうだ。

アストンを購入する時は、車両支払総額に+200万円を用意しておけば余裕のあるアストンオーナーを送れると思う。

100万円しか用意しなかった私は1年程で無くなった。

知人はそのトラブルの多さに嫌気がさしてしまい、現在はAMG GTに乗っているらしい。

(今のところノントラブルで実に快適だと)

AMG GT以外にもポルシェのパナメーラやアウディ A7 スポーツバックなど、探せばいくらでもラピードよりも4人が快適かつ大きな故障も心配なく乗れる車は確かにある。

しかし、私は故障トラブルや値下げを避けられなくとも余裕さえあればラピードを絶対に買いたい。

絶対的な美を持つ4ドアはラピード以外あり得ないからだ。

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ABOUT ME
Yuu
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整備士
現在29歳の男性。フォルクスワーゲンのプロショップでフロントスタッフをしています。 アストンマーティンDB9、マセラティ グラントゥーリズモを所有していました。 現在はメルセデスベンツ Cクラスに乗っています。 いかに安く維持するか日々節約との勝負でその奮闘記やちょっとした整備や雑談を紹介したいと思っています。
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