どのハイパーカーよりも格好良くクールだと思っているケーニグセグ アゲーラ RSRを見てきた!!ターコイズブルーに纏われたボディは正に芸術品である。
実は1度来ている
先週の金曜日にビンゴスポーツのインスタグラムからアゲーラRSRがショールームに展示されるという事であった。
これは是非見に行きたいという気持ちが湧き、またまた有給をちゃっかり取得し溜池山王へと足を運ばせた。
…実は先週パガーニを見に来ているのだが、勘違いしてしまい定休日の月曜日に来てしまっていた。今回はそのパガーニも見れたので次回以降で紹介していきたい。
ケーニグセグ アゲーラ シリーズはその未来的なデザインと革新的なエンジンで2017年には世界最速の量産車という称号を得ている。
GPS検証によると往復平均最高速度447km/h、最速直線速度458km/hの記録を樹立した。
現代の2024年おいても全く遜色ないアゲーラ の代表的なモデルを紹介していきたい。
Agera
2010年の3月にジュネーブモーターショーで発表され2011年にCCXの後継機モデルとしてアゲーラが誕生した。
ファーストモデルの「Agera(アゲーラ)」はスウェーデン語に由来し、
「行動を起こす」
という意味で、古代ギリシャ語
「Ageratos(アゲラス)」
「不老不死」
にも通じるという。
どちらの言葉も、この畏敬の念を起こさせる魅惑的な車としての本質を完璧に表現している。
その新たなスタイリングは、内外装は更にアップデートが施され、超高速で移動するケーニグセグCCX との繋がりが随所に現れている。
アゲーラの外装のアップデートには、
LEDヘッドライト、フロント バンパー、テール ライトなどがある。
内装では、新しいダッシュパネルとインフォメーションディスプレイがアゲーラの近未来的なエクテリアと見事に調和されている。
センターコンソールには新しい照明技術が採用され、ダッシュボードとセンター コンソールのボタンには車のアルミニウムボタンを通して光るユニークな構成のカーボンナノチューブを使用した新しい「ゴーストライト」という間接照明が使用されている。
シャーシは、F1でも使用されるカーボンファイバーとアルミニウム製ハニカムコア構造で作成されており、センターコンソールとトランスミッショントンネルもカーボンファイバーで作られている。
アゲーラのエンジンは CCX の心臓部と同じ 4.7 リッターV8ツインターボエンジンでの販売を予定していたが、販売時には5.0リッターへと変更されている。
これによりアゲーラの最大出力は940PS、トルクは 1100Nm に増加している。これはCCXの最大出力817PS、最大トルク920N・mを大きく越える形となった。
そして車両重量は1,435kgと超軽量で、たった3.1 秒で100km/hまで加速する。
以下 ケーニグセグ アゲーラの諸元表になる。
全長×全幅×全高 | 4,293×1,996×1,120mm |
車両重量 | 1,435kg |
エンジン型式 | 不明 |
最高出力 | 940ps |
最大トルク | 1100N・m |
エンジン種類 | ケーニグセグ ツインスーパーチャージャーV8 |
総排気量 | 5,000cc |
トランスミッション | 7速DCT |
驚く事に車両寸法はCCXと全く変わっていない。
トランスミッションはデュアルクラッチへと変更されエンジンも5.0Lに排気量が増えているにも関わらず車両重量は20kg以上軽量化されている。
Agera R
2011年の3月に開催されたジュネーブモーターショーでは新型アゲーラRを発表した。
ボンネットから室内のダッシュボードまで繋がるスピードレーサーの塗装は今までのスーパーカーやハイパーカーでは見られない塗装となり更に大型化されたリアウイングに目を引く。
アゲーラRにも同様の5.0Lツインターボ V8 エンジンが搭載されており、標準の 95 オクタン 価ガソリンで940PSを発揮するが、E85バイオエタノール ブレンドを充填すると最高出力は1,115PSに到達する。
7 速デュアル クラッチ ギアボックスを介して後輪を駆動し、100km/hまで 2.9秒で加速し200km/hには7.5秒という驚異的な加速力を持つ。
更に2013年にはアゲーラRに新しい機能を加えたアップデートを行っている。
Aircore™ テクノロジーを使用した、ケーニグセグ独自開発の一体型中空カーボンファイバーホイールを採用している。
因みにカーボンホイールは1,100万円以上とのこと。
Aircore™ ホイールは、バネ下重量を約 20kg 削減しながら、優れた走行性能と安全性を提供する。カーボンホイールの唯一の金属部分はタイヤバルブのみで残りはすべて一体型中空カーボンだという。
アゲーラのエンジンにはフリクションロスや燃料消費を削減するために ANS 社のナノ表面シリンダー スリーブを採用した世界初の量産エンジンが搭載されている。
ブレーキにはケーニグセグ独自のセラミックピストンブレーキが新たに取り付けられサスペンションはスウェーデンのショックアブソーバーメーカー、オーリンズ・レーシングとの提携を再開し、両社は協力してケーニグセグ独自のトリプレックスサスペンションを量産化に成功した。
このトリプルレックスサスペンションはケーニグセグのリアエンジンフードを開くとエンジンルーム上部に左右に伸びる3つ目のダンパーが見える。このトリプルレックスの役割としてアンチ・スクワットの効果がある。
スクワットとは車両が急発進した際にリアが沈み込み後輪のトラクションを高める事ができるが同時にフロントが浮き上がってしまう。
なので前輪のハンドリングが性能が低下するのをコントロールする為にトリプルレックスが開発され2013 年型アゲーラRの標準装備となった。
またアゲーラRが誕生した事によって、数多くのギネス記録を正式に認定されている。
その中でも
0~300km/h:14.53秒
300km/h~0km/h:6.66秒
は脅威的な記録であった。
Agera One:1
2014年にケーニグセグ創業20周年記念に作られたアゲーラ最上位クラスで究極のスペックを持つ1台となる。
アゲーラシリーズの中でも特に希少で7台のみ生産されている。4台はアジアに、2台はヨーロッパへ、1台は米国に送られた。残る1台はケーニグセグ自身が所有する形となっている。
また他のモデルとは違いアルファベットを用いないネーミングとなっているが、
名前の由来は最高出力が1360PSなのに対し、車重も1360kgでパワーウェイトレシオが1:1=One:1な事から名付けられている。
因みに呼び名は「ワン・ワン」ではなく「ワン・トゥー・ワン」であり比率としての発音を入れる。
最高出力はアゲーラRにゴルフ7 GTI(220PS)の馬力を上乗せしても足らない1,360PSとなりツインターボチャージの 5.0 リッター V8 エンジンは、スウェーデンで手に入れる事が出来るというE85エタノール(混合燃料の一種で、バイオエタノール85%・ガソリン15%を混ぜたもの。 環境に良いとされ非常に燃焼エネルギーが小さく、ノッキングが発生し難いというのが特徴)
通常のハイオクで動いている場合、
出力は1,013PSに制限されるが、それでも1tあたり864PSという優れた性能がある。
ONE:1は完全停止した状態から400km/hまで20秒で加速し、最高速度は440km/hに達し、260km/hで約610kgのダウンフォースを生み出す。
このスペシャルなONE:1にはサーキット走行に適しているカーボンパーツで覆われている。
空力的なフロントスプリッターとウィングレット、巨大なリアウィングはル・マンからインスピレーションを受けたアクティブリアウィングでダウンフォースを獲得する為の大きな役割を持ち、アクティブアンダーボディによる空力マネージメントも新たに取り入れられている。
このメガカーと呼ばれたケーニグセグを手に入れた選ばれし6人のオーナーは世界で最も幸運だと私は思っている。
Agera RS
アゲーラRの発表から数年が経ち、その間にもアゲーラS、ワンオフモデルのアゲーラN、アゲーラXなどが登場したが、このRSモデルは世界限定25台で2015年3月に発表された。
プレスリリースによると、この新しいハイパーカーは
「限界を押し広げ、アゲーラのパフォーマンスをまったく新しいレベルに引き上げます」
と述べている。
アゲーラ RS には、ONE:1とは違う新しいウィングレットとフロント スプリッター、サイド スカート、ダイナミック・アンダーボディ・フラップ システム、ダイナミック・アクティブ・リアウィングが搭載された。
アゲーラRとアゲーラONE:1の間に位置づけるアゲーラRSにも5.0 リッター ツインターボ V8 を搭載した アゲーラRS は、標準状態で 1,160PS、1,280N•mのトルクを発揮する。
1MW アップグレードによって、これらの数値は 1360PS、1,355N・mまで向上する。
アップグレードを装備すると、アゲーラRSは 2.9 秒未満で100km/hに達し、7 秒未満で時速 200km/hまで加速する。
クリスチャン・フォン・ケーニグセグはOne:1の弟分であることを示すいくつかの要素を指摘した。
One:1の2gのコーナーリングフォースに対してやや低い1.8となり、僅かに低い出力、荷物スペース、取り外し可能なハードトップが準備されている。
そして、日本向けに3台限定生産となったのが最後に紹介するアゲーラ RSRとなる。
Agera RSR
前置きが非常に長くなってしまったが、改めて先日ビンゴスポーツに訪れて、アゲーラ RSRを見学させていただいた。
このアゲーラ RSRはアゲーラRSをベースとしておりエンジンスペックはRSと同様である。
以下がケーニグセグ RSRの諸元表になる。
全長×全幅×全高 | 4,293×2,050mm×1,120mm |
車両重量 | 1,395kg |
エンジン型式 | 不明 |
最高出力 | 1,160PS |
最大トルク | 1,280N・m |
エンジン種類 | ケーニグセグ ツインスーパーチャージャーV8 |
総排気量 | 5,000cc |
トランスミッション | 7速DCT |
日本のみに3台限定販売され車台番号の#122はターコイズブルー、#123はブラック、#124はホワイトとなっている。
順にオーナーは#122のターコイズブルーがDr.K 氏、#123のブラックは、亡くなってしまっているが芝浦グループホールディングスの元CEO新地 哲己 氏 #124のホワイトは不明となっている。
それぞれオーナーの好みに仕上げれた3台のうち、ビンゴスポーツに展示されているのはDr.K 氏のターコイズブルーとゴールド、ブラックの色分けが完璧に計算されバランス良く配置されている愛車である。
アゲーラRSRはアゲーラOne:1 に似た吊り下げ式のリアスポイラーを特徴としている。
これによりベースのAgera RS パッケージで得られる全体的なダウンフォースが更に増加する。
One:1 から採用されたその他の設計要素には、高速時にエンジン吸気口への空気の流れ整流するルーフスクープが取り付けられている。
このルーフスクープはONE:1よりも短く設計されているお陰でトップを外した際にはボンネット下に収納可能という。
ルーフラインから繋がる吊り下げ式のリアウイングはアゲーラRSと同様の物であるがマウント設定により更にダウンフォースが向上するとされている。
ヘッドライトは緻密に組み立てられ、シンプルながらも造形美に溢れている。
CCXと比べ縦に細くなったアゲーラのヘッドライトは真ん中にプロジェクトヘッドライトを備え内側の長いブレード形状になっているのがLEDポジション、外側のナイフのような部分はLEDウィンカーとして点灯する。
ヘッドライト下部にはカーボンウィングレットとカーボンスプリッターは取り付けられ、側面はゴールドへと塗り分けされている。
フロントボンネットには3つのダクトがあり、左右のダクトは車体のサイドにフロントのダクトはルーフへと流れダウンフォースを獲得する。フェンダーにはルーバーと呼ばれるサメのエラのようなダクトがあり、これは走行風によって強制的に「負圧」を生み出してボンネットダクト同様にダウンフォースを獲得する。
そしてカーボン剥き出しのホイールに注目して欲しい。ケーニグセグが独自開発したカーボンホイールにはミシュランのパイロットスポーツ カップ2が履かれているが、こちらはアゲーラ専用のチューンタイヤではなく市販品と同様の物だという。参考程度に345/30 R20 リアタイヤの新品価格は1本約14万円となる。
ケーニグセグの車両で特に目を惹かれるのは、どのハイパーカーにも属さないキャビンを持つシルエットやデザインであるが、
フロントバンパーからリアウイングまで伸びたゴールドの一直線のラインやサイドラインのアクセントも素晴らしく、車体にターコイズブルー、ブラック、ゴールドをバランス良く組み合わせたDr.K氏のセンスの良さには脱帽する。
CCXやレゲーラ、その他のアゲーラを画像で見比べてみても、私はターコイズブルーのアゲーラRSRは飛び抜けてクールでハイパーカーらしさを感じた。
10年近く前にも関わらず、1,000PS以上発生させるモンスターマシンを生み出しているケーニグセグは現在に至るまで様々なハイパーカーを生み出している。
技術の限界をケーニグセグから全く感じられず、これからも予測不可能なハイパーカーを生み出すに違いないとアゲーラRSRを目の前にして思っていた。
1
1
出典:ECR – Koenigsegg Agera R details (exclusivecarregistry.com)
出典:Alain Class Motors | Koenigsegg Agera R – 1 of 18
出典:Koenigsegg Agera (ar-cars.cz)