2010年代を代表するハイパーカーのマクラーレンP1の造形美に惚れた。世界初のハイブリットスパーカーに迫る。
2010年頃から飛躍的に車が進化した
2週間前ぐらいだろうか?フェラーリがラ・フェラーリの後継機を発表した。
ラ・フェラーリが発表された当時はディテールの美しさに凄まじい衝撃を受けたが、今回発表されたF80は同じような衝撃は襲ってこなかった。
どちらかと言えばフェラーリ 12Cilindriの方がフェラーリらしいデザインであると思っており、またフェラーリ デイトナSP3の方がラ・フェラーリの後継機に相応しいと個人的には思う。
フェラーリを買えない貧乏人が勝手に喚いているように見えるが結果的にF80はデイトナSP3と12 Cilindriを組み合わせたようにしか見えないのが私の感想である。
その同じような現象が起きたのがマクラーレンである。
P1の後継機とは?
同じく今月の10月上旬にマクラーレン P1の後継機としてマクラーレンW1を発表した。
特に注目していたのがガルウイングドアとリアウイングであった。
マクラーレンにはF1を筆頭にP1、セナ、スピードテール、セイバー、エルヴァといったスーパーカーが存在するがいずれもディヘドラルドアを採用している。
しかし、今月発表されたW1はガルウイングを採用している事に驚いた。斜めに開くドアから跳ね上げ式へと変わっている事でボディ剛性を高められドライバーの乗り降りを簡便化する為に貢献している。
また、W1は今までのハイパーカーでは採用したことのないボディと一体化したリアウイングが搭載されている。
レースモードに切り替えると「McLaren Active Long Tail」と呼ばれるリアウイングが後方に300mm伸び、リア全体がフォーミュラ1スタイルのディフューザーに変貌する。
この「McLaren Active Long Tail」が生み出すダウンフォースは公道向けの走行モードより5倍、1000kgに匹敵するという。
この空力モンスターのW1は現代の空力テクロノジーを詰め込んだ1台ではあるが、デザイン面で見ると、エッジの効いたデザインはマクラーレンは似合わないと思う。
P1やスピードテール、720Sのような曲線美を持つマクラーレンの方がより魅力な気がするのは私だけだろうか?
なので、その美しく魅力的な曲線美を持つマクラーレン P1を見てきたので紹介していきたい。
(買ったばかりのカメラにまだ慣れてなかったの頃なのでブレしまったり構図が下手過ぎるのはご了承いただきたい)
McLaren P1
マクラーレンP1はモロッコ出身のフランク・ステファンソンというカーデザイナーによって生み出された。
ステファンソン氏は数々の名車を手掛けており、代表作が初代BMW ミニ、マセラティ MC12、フェラーリF430、599GTBフィオラノ、マクラーレンを更に世に知らせるきっかけとなったMP4-12C、そしてP1となっている。
P1はマクラーレンにとって白紙の状態からのデザインであってバイオミミクリー(生体工学)という方法から描かられた。
無から有を創造する際に自然からインスピレーションを得ることで自然界を模倣することは、美的であろうと純粋に機能的であろうと、さまざまな利点があり、自動車デザインでは他メーカーも多く取り入れている。
P1をテスト中に風切り音が大きすぎる問題が発生した。
サイドミラーの位置が長すぎる為に風切り音が発生したと考えたステファンソン氏は魚であるバショウカジキから解決策を見出した。
バショウカジキは魚類の中で最も速く海中を泳ぐことができ、最高速度は時速112km/hにもなるという。
高速遊泳時には水は空気と違って抵抗が大きく粘性が高いという物理的特性を持っているので大きな背びれを折りたたみ水の抵抗を減らす乱流が発生してしまう。
なのでバショウカジキの尾の近くにある 2 つの小さな突起がその乱流を整流するという事にステファンソン氏は気づきP1の風切り音に対する解決策を見つけた。
画像はMP4-12Cのドアミラーマウントになるが、マウントステムに5本のスリットを設けることで乱流を防ぎ風切り音を解消する。
自然の適応を応用したこの手法は非常に成功したため、マクラーレン社は現在、バイオミミクリーを全体的な設計プロセスの重要な部分とみなしているそうだ。
デザイナーのステファンソン氏はマクラーレンで働く事に対して、
「感情を喚起するために、見た目を美しくしようとする人もいるが、私たちは美しさを最優先するよりも車の性能を第一に考える。
軍用機など販売する必要はないが速く走らなければならないものを設計するときと同じで、ステルス機であるF-22ラプターを美しく見せようと腰を据えて努力する人はいない。性能を重視して設計すれば、驚くほど美しく見えるのだから。」
と述べている。
だが、性能を重視して上でP1の見事な造形を作り上げたのは天性の才能としか言いようがない。
P1で最も印象的なのはテールライトだと思っているが、ステファンソン氏はデザイン当時はテールライトをなくしたいと考えていたそうだ。
しかし、公道を走る車としては認められることは出来ないのでステファンソン氏はテールラトを車両の後端に統合し、どのハイパーカーよりも存在感があり一目でP1と分かるようなテールライトをデザインした。
僅か375台しか生産されなかったP1の心臓部には727PSを引き出すMP4-12Cと同じ3.8LのV8ツインターボエンジンに177PSの電気モーターを加えた合計916PSを発生させ電気モーターのみでの走行は10km程可能となる。
0~100km/hは2.8秒、最高速度は350km/hを記録している。
スーパーカーを未来を担う重要な役割を持ったラ・フェラーリ、マクラーレンP1、918スパイダーの3台は電気モーターという新しいパワーユニットを手に入れた。
現代においても新たなスーパーカーが誕生するのも、この3台が道標を作ってくれたからだと私は思っている。
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出典:williamloughran.co.uk/ferrari/ferrari-laferrari-2311/
出典:SHARP Drives: The Ferrari 12Cilindri Is Destined for GOAT Status – Sharp Magazine
出典:ECR – Ferrari Daytona SP3 details (exclusivecarregistry.com)
出典:リシャール・ミルと共にマクラーレン・テクノロジー・センターを訪問、ラグジュアリー・スポーツカーを手作業で製作 |スイスウォッチマガジン (swisswatches-magazine.com)