異世界から運ばれて来たようなハイパーカ アポロ プロジェクトEVOを見てきた。その姿は神々しく今まで見てきた車の中で最も過激であった…。
車という概念を塗り替えられた。
ビンゴスポーツのインスタグラムにまた凄まじいハイパーカーが展示されると投稿があった。
YouTube等で画面越しにしか見られないハイパーカーだと思っていたので実際にこの目で見ることが出来たのは非常に良かった。
私の車という概念を塗り替えたアポロ プロジェクトEVOのというハイパーカーの細部を記録してきたので紹介していきたい。
Apollo Project EVO
カーブランドで「アポロ」と聞くと、私はグンペルト アポロを思い浮かべる。
2013年8月に破産申請をするまでの2005年~2013年の間に計150台生産されたハイパーカーでサーキット走行は勿論のこと、公道走行も可能なのがコンセプトである。
アウディ製のツインターボV8エンジンをミッドシップに積み、出力設定が3種類用意されベース: 650 PS、スポーツ: 700 PS、レース: 800 PSとなり最高速度は360km/hにまで到達する。
2013年に破産した後の2017年にアポロ IE(インテンサ エモツィオーネ)が発表されたが、この車両については後の記事でまた紹介したい。
そのアポロ IEの後継機として生み出されたのが、今回見に行ってきたアポロ プロジェクトEVOになる。
2021年に中国上海で開催された国際輸入博覧会で第2の「アポロ計画」として発表され2022年から生産が開始された。
プロトタイプ2台の他に10台生産され、その1台が現在ビンゴスポーツショールームにある。
プロジェクトEVOはIEのボディから更に肉抜きした完全な空力マシーンでありながらカーデザインの美術要素を多く取り込んでいる。
左右フェンダーからボンネットは継ぎ目がなく一体構造となり、巨大なフロントスポイラーと低く構えた空力ボディは走行中の空気の壁を滑らかにリアボディへと流していく。
プロジェクトEVOで印象的なのが「X」文字に型取られたデイライトである。ケーニグセグやパガーニ、ブガッティといったハイパーカーはエクステリアに高級感が感じられるがプロジェクトEVOは正に走行性能を極限にまで求めたエクステリアになっている。
サイドデザインはアニメに出てきそうな直線的なデザインで男の子であれば誰もが好きになりそうである。ドアの後ろには深く抉られたドアと、小さな子供が簡単に飲み込まれそうなインテークダクトがある。
インテークダクトの下部は超ハイグリップのミシュラン パイロットスポーツ CUP2を履いているせいか、タイヤが巻き上げた飛び石等で塗装がかなり傷ついていたのも印象的であった。
私がプロジェクトEVOで最も好きな箇所がルーフトップのインテークからエンジンダクトのデザインで、今まで見てきたスーパーカーやハイパーカーの中でも最も狂っていた。
エンジンフードからエヴァに登場する「サキエル」や「第10使徒」のコア部分が思い浮かび、心臓部(エンジン)を守る何処か神々しさを感じた。
その心臓部にはフェラーリ製のF140 6.3L V12エンジンが眠っている。
最高出力は780PS、最大トルクは約760N•mとなり、最高速度は354km/hで公表されてないが0~100km/hは3秒以内で到達するという。
直線的な速度だけではなく、本格的なトラックカーとして開発されたプロジェクトEVOはあらゆる状況下で最適なダウンフォースを提供するために臨機応変に可変するアクティブ エアロダイナミック フラップなど、高度な空力特性も備えている。
またドライバーの好みの減衰力に調整可能なサスペンションシステムも組み込まれているという。
そしてリアである。
クレイジー過ぎて言葉も出なかった。
酒か薬か何らかの方法でハイになった状態で描いたのかと思うくらいな奇抜で隣のIE(インテンサ エモツィオーネ)が大人しいくらいだ。
左右6本のフィンはテールライトの役目の他にロケットと同じような車体の姿勢や走行方向に対する安定性を上げる空力効果の役割を持っている。センターには3本出しのマフラーがあり、中央にはアポロのエンブレムが溶接されており随分と洒落ていた。
写真を見ていて気づいているかもしれないが、プロジェクトEVOのボディペイントはグラデーション塗装となっている。プロジェクトEVOを生産するには1,200時間以上必要とされ、その半分の600時間以上が塗装に費やされた。ボディカラーはメタリックオレンジであるが角度によってはレッドやイエローになり多彩なカラーを演出してくれる。
なので画像編集で色を変えている訳ではなく、カメラがグラデーション塗装によってボディカラーが変化した所を捉えただけである。
インテリアでは、プロジェクトEVOは必要最低限の装備しかないという。詳しくは分からないがナビゲーションシステムやCar Playといったインフォメーションシステム、エアコンシステム、パワー ウィンドウは装備されていないというスパルタン仕様である。
見た目がアグレッシブなのは充分伝わるが、ユーティリティ(利便性)など一切考えずドライバーを追い込み、極限までに走行性能を求めた究極の1台となっている。
コスト度外視に生産されるプロジェクトEVOの価格は5億円以上となっている。
この車を手に入れた人は異次元の世界を体験できるのかと思いつつ、日本の保安基準に適合するのか少し気になっていた。