プロショップが推す。フォルクスワーゲンの大型SUVトゥアレグのコスパについて語る。
中古トゥアレグ 7P のコストパフォーマンスとは?
既に日本での販売終了から7年近く経過しているトゥアレグだが、輸入車のフルサイズSUV入門にはとても良い車両だと私は思っている。

トゥアレグの2代目モデル(型式7P、2011~2018年生産)は、当時の新車価格はV6モデルでは650万円、
ハイブリッドモデルは960万円となっていた。
(今のフォルクスワーゲンの新車価格から比べると当時のトゥアレグ価格が良心的に見えてくる…)
今回は近年トゥアレグの中古車が非常に買いやすい値段となっていてるのが顕著に分かり、ショップでの整備歴から見てもあまり故障が少ないモデルとなっている。※トゥアレグ ハイブリッドを除く

そこで今回は中古車を購入するにあたってのショップでの故障歴や消耗品の値段を紹介しつつトゥアレグの魅力を紹介していきたい。

最高にロマンに溢れるW12 トゥアレグ(7L)は金に困っていなかったら所有してみたい一台でもある。
(エンジン音は最高。ただ走りは遅い…)
VWのフラッグシップSUV トゥアレグとは?
トゥアレグ7Pは、ポルシェ・カイエンやアウディQ7とプラットフォームを共有するSUVで、自然吸気 3.6L V6エンジンをパワートレーンとし、4WDシステム「4MOTION」を搭載している。
ボディサイズは全長約4.8mと大型ながら、木目のラグジュアリーな内装と優れた走行性能が特徴。

新車価格は600万円越えていたが、中古市場では大幅に値下がりしており、今ではコスパの高い選択肢となっている。
まず7Pトゥアレグのコスパを皮革するために、他の競合SUV(ポルシェ・カイエン、アウディQ7、BMW X5)との中古価格の平均値グラフを作成した。
競合SUV 中古価格比較
2016〜2018年式ガソリン車(2025年11月現在)
※各ブランド走行5〜9万km前後の平均価格帯(支払総額・税込)
トゥアレグが圧倒的安い。カイエンはブランド力もあり高値キープ、Q7はガソリン希少で割安感大。
※年式は2016~2018年の車両を比較し、カイエンはV6 3,600cc、X5 3,000cc、Q7 3,000ccのモデルを比較対象としている。

2025年現在の日本中古市場データを基にしてると、カイエンはまだまだ高値を維持している。Q7とX5は比較的安く購入できるがトゥアレグの安さが目立っているが分かる。

次に燃費の比較もグラフにまとめてみた。
競合SUV 実燃費比較
(ガソリン車限定・km/L)
※2015~2017年式ガソリン車の実燃費平均(Fuelly 2025年11月最新・30件以上収録)
VWトゥアレグが10.2 km/Lでトップ。ポルシェカイエンが8.9 km/Lで僅差の2位。
VW Touareg:10.2 km/L
Porsche Cayenne:8.9 km/L
BMW X5:8.5 km/L
Audi Q7:7.8 km/L
燃費の面でもX5より1km/Lは燃費が良いが実際のところは各ブランドも殆ど変わらないような燃費だと考える。
ただ、これらのデータから7Pトゥアレグは高級SUVの性能を備えつつ、手の届きやすい価格帯でコスパが良いと判断できる。
中古トゥアレグ7Pの市場価格
直近のオークション相場も確認した。
•2016年式 6.5万km ブラウン 125万円
•2016年式 6.2万km
•2015年式 3.2万km シルバー 148万円
•2017年式 5.7万km ホワイト 129万円
カーセンサーやグーネットの平均価格は約160万円くらいで仕入れ値の上乗せ20~30万円辺りである。
トゥアレグは令和以降の新車での日本導入は無く、今ではティグアンがSUVのフラグシップモデルとなっているが最新モデルのトゥアレグのエクステリアは更に磨きが掛かっているので日本に導入しても売れたのではないかと思う所がある。
トゥアレグは既に底値近くになっており、1~2年乗って売却する場合でも、大きく残債を残さずに損失を抑えやすい傾向があるが、市場変動によっては大きく変動しそうである。
購入シミュレーション
車両本体価格を考慮したローンシミュレーションの一例となる。
•2年アフター保証:20万円
•借入総額:200万円
•ローン金利:2.95%
•頭金:0円
•支払回数:60回(5年)
•ボーナス併用:年2回 各5万円(5年合計50万円)
この条件での支払いは
月々 約31,800円
ボーナス月は +50,000円(合計約81,800円)
となる。
25歳前後で車両保険にもしっかり入る場合、保険料は月12,000円程度を見込んでおくと、
月平均の支払総額は約44,000円(ボーナス月を12ヶ月で均した実質負担)となる。
実家暮らしであれば、かなり余裕のある金額で一人暮らしでも外食や通信費を少し節約すれば十分に手が届く水準になる。
保証が付けられるかは販売店にもよるが、最低2年間はしっかりしたアフター保証も付けといた方が良い。
7P トゥアレグの故障や点検項目
トゥアレグ7Pのデザインと性能に魅了されつつ、専門知識がない方でも安心して購入できるよう、故障しやすい箇所や点検項目を紹介していく。
これらは日常点検にも役に立ち、中古車店での確認時は販売店の許可を得て行っていただきたい。
とは言っても7P トゥアレグ(ハイブリッドを除く)は今まで大きな故障が起きたのは見たことがないので、故障も水漏れやヒーターが効かないといった軽い症状である。
ウォーターポンプ
先ず1つ目はフォルクスワーゲンではお馴染みのウォーターポンプになる。
ゴルフ7やポロ、トゥーランといった車両に比べ、クーラントが漏れる確率は低いがショップでは数台交換した事例がある。
費用は7~10万円程度で交換は2時間もあれば作業は終了する。
ヒーターコントロールバルブ
続いてヒーターが効かないという症状でヒーターコントロールバルブの交換も行った。

アクチュエーター内のバルブが固着しヒーターコアに冷却水が流れないことによってヒーターコアが温まらず、ブロアーファンで風を当てても冷たい風しか出てこないという内容になる。

費用はウォーターポンプと同じく7万円くらいで交換が可能となる。
スピードセンサー
そして最も多いのがスピードセンサーでの入庫になる。トゥアレグを購入しスピードセンサーの交換歴がなかったりスピードセンサーの製造品番が2016付近の場合は未交換になるので、必ず4本新品交換をオススメする。
その理由として、
フォルクスワーゲン車の中でも走行不能になる可能性が高い車両になる。

スピードセンサーが故障したトゥレグはホイールを引きずってしまう症状が発生し走行が困難な状況に陥ってしまう。
なので高確率でレッカー搬送となってしまうので、予めスピードセンサーを交換しておく事でトラブルを避けることができる。

目視では確認出来ない項目
その他にも点検整備記録簿で交換歴を確認してもらいたい項目がいくつかある。
•バッテリー
交換目安は2.5~3年。2024年以降のものが理想で、交換費用は純正で約10万円かかるため要注意。

•スパークプラグ
購入時の初期費用を抑えたい人は必ず確認しておいた方が良い。

またトゥアレグはミスファイヤーが起こりやすい傾向にあり、急なトラブルを回避する為に6本同時交換推奨。
費用は5万円程度となる。

•タイヤ
製造年とメーカー確認。新車装着の2014~2016年といった古いタイヤの場合は交換していないので、こちらも交換を推奨する。もしミシュランなどの有名メーカーの新しめのタイヤであれば整備が行き届いている可能性がある。
•ブレーキパッド/ローター
ローター外周の段付き摩耗を確認。

ローターの端が立っていると消耗しているので早期交換が必要になる。2~4万kmごとにパッド交換が必要でローターと同時交換だと15~20万円程度必要。

•ボディ下回り
バンパーや足回りの錆を確認。
オフロード走行や沿岸部で乗っていた場合には足回りが錆びついている可能性が高い。なのでそういった車両は出来るだけ回避したい。
「買い」なトゥアレグの個体条件とは?

•走行距離6万km以下
•スピードセンサー交換済み(確認できる範囲で)
•記録簿も10枚以上
•エアサス無し(後々のトラブルが怖いので)
•修復歴なし
この条件で170~190万円ならかなり推せる一台ではあるが、輸入車なので故障とは付き物と思っていただきたい。
まとめ

7Pトゥアレグが輸入車の大型SUVの入門にピッタリな選択肢である理由として、
• 新車価格の1/4以下でポルシェ・カイエンに近い走行性能を得られる(批判はあるかもしれないが)
• 既に底値圏でこれ以上値下がりしない
• ガソリンV6モデルは致命的な故障が極めて少ない
• フルサイズSUVの圧倒的な存在感と快適性を月々4万円台で味わえる
• ティグアンやT-ROCでは得られない「本物のSUV」とは何かを味わえる。
逆にデメリットを挙げるとすれば
• 燃費はリッター8~9km(高速10~11km可能)
• 自動車税58,000円
• 消耗品は国産車の1.5~2倍高い
・駐車場に困るサイズ
しかし、中古車在庫は確実に減っているのが現状で最近でもお客様で2名ほど中古のトゥアレグに乗り換えている。
なので「大型高級SUVに乗りたいけど予算300万円以内」
という人にとって、トゥアレグ7Pはベストな選択であると私は思っている。
