アストンマーティン銀座のグランドオープン直前に新型ヴァンテージを見にディーラーへ行ってきた。
敷居が高過ぎてドアを引く事に躊躇した
私は今までアストンマーティンのディーラーに行く事を避けていたのだが、どうしても新型ヴァンテージを近くで見に行きたくグランドオープン直前のアストンマーティン銀座店へ足を運んでみた。
先ず正規ディーラーを避けていた理由として、アストンマーティンを新車や中古車(1200万以上)で購入する事ができるレベルになってからでないと、担当してくれるスタッフの時間を奪ってしまう事になり、失礼に当たると私は考えている。
しかしアストンマーティン銀座公式インスタグラムにて新型ヴァンテージの展示の告知をしていたために、恐る恐る来場予約をしてしまった。
いざアストンマーティン銀座へ
有楽町駅の中央西口から徒歩5分くらいでアストンマーティン銀座に到着したのだが、到着して直ぐに私のような一般庶民レベルの人間には相応しくない場所だと感じた。
それもその筈でアストンマーティン銀座のショールームは最低でも1泊9万円する5つ星ホテルであるペニンシュラホテルの1階~2階にショールームを置いている。
明後日4月5日にグランドオープンを控えているショールームにはボルケーノレッドに纏われた新型ヴァンテージが展示してあった。
NEW Vantage
ショールームに展示されてあった新型ヴァンテージを見た瞬間にベイビーアストンとはもう呼べる大きさではないと感じた。
DB12に続いて新たなニューフェイスとなったヴァンテージの車幅は2,000mmを超えて2,045mmとなっているそうだ。
この車幅はランボルギーニに匹敵する程に拡大されている。対応していただいたスタッフの話によると、機械式駐車場のお客様にヴァンテージを案内するにも先ず車両が駐車出来るか確認が必要になったという。
(ホイールを擦るリスクが非常に高くなったと言っていた)
先代のヴァンテージは1,943mmとなり、まだ余裕があったが今回2,045mmと約100mmも車幅が拡大された為に新しい問題も出てきているそうだ。
以下新型ヴァンテージの諸元表となる。
全長×全幅×全高 | 4,495×2,045×1,270mm |
車両重量 | 1,680kg |
エンジン型式 | M177? |
最高出力 | 665PS |
最大トルク | 800N・m |
エンジン種類 | 4.0Lツインターボチャージャー付き V8 |
総排気量 | 3,982cc |
トランスミッション | ZF製 8速AT |
諸元表を参考にするとボディが巨大化したほかに最高出力が665PSとなり、先代より155PSも上昇している点に目がいく。
0~100km/hの加速は3.5秒、最高速度は325km/hに達しており、最強のヴァンテージに相応しいスペックである。
新型ヴァンテージはタービンが大型化され、ターボチャージャーをより広範囲に機能させる為にエンジンECUにチューニングプログラムを加えている。
そしてクーリングシステムも増設され、新たに2つのラジエーターを左右に配置しているのだが、これに合わせてキドニーグリルは更に大型化され走行風をラジエーターへ送る仕組みになっている。
ボンネットを開けてエンジンルームを見せてもらったが、上方排気にレイアウトされたエンジンにはメルセデスの刻印がしっかり確認でき、V8ツインターボがエンジンルーム内ギリギリまで搭載されている。
既にエンジンルームにぎっしり詰まっているが、先代ではV12ヴァンテージが発表されV12エンジンも搭載可能なエンジンルームとなっているのだが担当者曰く、
「DB12がV8を積んでしまった事を察して欲しいが、排ガス規制問題の問題と共に現代においてのV12エンジンの存在意義があまり無い」
という、アストンマーティン製のV12エンジンの音色を今後聴けなくなるのは何とも寂しい気分になってしまった。
(そもそも665PSの出力をV8エンジンで出せるのであれば必要ないのは分かるが…)
またエンジンルーム内で気になった箇所がエアクリーナーの間にあったダクトであった。
このダクトの役割を説明してもらったのだが、フロントグリルから通り抜けたエアがこのダクトを通り抜けボンネットに備えられたダクトに繋がっており、アルミで覆われたボックスに当たって直接エンジンを冷やすとのこと。
今回のヴァンテージには剛性もかなり上がって予告通り更にスポーティになっているという。そして新しいローンチコントロールが搭載されていると、かなり強調されていたが後輪駆動のヴァンテージは一体どんな加速をするのか気になる所である。
新型ヴァンテージのエクステリアを見ていく
いつも通りフロントから確認していく。
フロントバンパーは先代とは違い標準でキドニーグリルが装着されている。
(前回同様にキドニーグリルを不採用にすると再炎上しかねない)
また展示されていたヴァンテージにはオプションのブラックアウトされたキドニーグリルが取り付けられている。
フロントバンパーのデザインは世界限定88台のスピードスターに酷似している。左右に設けられたダクトはDB12とは違い独立し、ホイールハウス内の乱気流を整流し空気抵抗を減らして走行安定性を確保する。
ヘッドライトにはマトリクスLEDが採用され、視認性やヘッドライトアシストが向上している。
サイドにはオプションのカーボンパッケージのサイドスカートとカーボンルーフが取り付けられている。
フェンダーを除けば大きな変更点はないが、
ブレーキはカーボンブレーキに変更されフロントキャリパーに若干の変更がみられる。
(V12ヴァンテージと同様のキャリパーかと思われる)
タイヤはMICHELIN PIROT SPORTS S5となり、
フロントが275/35 ZR21、
リヤは325/30 ZR21となっている。
先代と比べフロントは20mm、リヤに至っては30mmもタイヤサイズが大きくなり665PSを後輪のみで駆動するには必要不可欠である。
リヤバンパーの左右に新たなダクトが追加されているがV12ヴァンテージと基本的にデザインは似ている。カーボンパッケージのリヤディフューザーが取り付けられており、
フロント同様にオプションのブラックアウトされたアストンマーティンのエンブレムに変更されテールライトもクリアテールとなっている。
マフラーが形状が変わっているが、これはマフラーカッターであった。
大きく変化があったのがインテリアであった。
DB11や先代のヴァンテージと比べメルセデスらしさは払拭されている。
DB12同様により機能的になったと感じ、ナビゲーション位置がエアコンダクトより下になっている。ここ10年内のアストンマーティンにはないレイアウトであり、ナビゲーションはいつも前方視界に入っているイメージであった。
物理スイッチも多く残っていて好印象であるが、
特に注目して欲しいのがシフトバイワイヤ形式のシフトレバーではあるが、数十年の時を経てアストンマーティンに再びシフトレバーが取り付けられている事だ。
DB12でも驚いたが、ヴァンテージはスポーティらしさを演出する為にボタン形式をそのまま継承すると思っていた。
ステアリングはDB12と同様にAMGステアリングに似ている形状で、ボタンのレイアウトはほぼ一緒である。
最後に価格であるが、ベースモデルの先代より約900万円近く上昇し車両価格は2,690万~となっている。
オプションを取り付けるとあっという間に3,000万円は見えてくる形になり近年の価格上昇の影響を受けている印象であった。
(余りにも高過ぎて私は指を咥えるだけであるが…)
今回親身に対応してくださったセールススタッフの方からお土産のチョコレートとヴァンテージのポストカードをいただいた。
アストンマーティン銀座を訪れる前は、
入店した直後に私という人間を見定められ適当にあしらわれるだろうと思っていた。
しかし、アストンマーティン銀座はアストンマーティンの車に対する知識の量はもちろんのこと、購買力のない私に対しても親身に対応していただきハイブランドディーラーとしての気品を感じた。
今回対応していただいたセールススタッフの方にこのブログにて改めてお礼を申し上げたい。