前期型ジャガー F-TYPEに後期型テールライトを移植計画 Vol.2
リアバンパーが見つからない
Vol.1でお伝えした通り、後期型テールライトの左右セットをeBay経由で無事に確保できたものの、次の大きな壁が後期型リアバンパーの入手であった。

前期型と後期型のリア廻りを改めて比較してみると、プラットフォーム自体は基本的に共通であるように見えた。


フェンダーラインの曲率、リアディフューザーの固定位置、さらにはバンパー本体の取り付けポイントやブラケット類も形状を見る限り大幅な変更は加えられていない印象を受けた。
テールライトの開口部こそ後期型の方がスリムでシャープなデザインに変わっているが、純粋なバンパー交換だけで対応可能ではないかと、そんな楽観的な気分でいた。

追加で必要となる部品は最小限で済み、後期型バンパー本体を購入するだけで移植が完了する計算であった。
しかし、現実はそう甘くはなかった。
国内市場では後期型リアバンパーはほぼ流通しておらず、ヤフオクやメルカリ、部品取り車の情報も皆無に等しかった。
テールライト同様に海外からの個人輸入に頼るしか選択肢は残されていなかった。
再びeBayを中心に探し始めた
eBayには中古の後期バンパーの出品されていたが、状態の良いものは少なかった。
殆どが10万円を超える価格設定にもかかわらず、擦り傷や割れ、塗装剥がれなどダメージが目立つ個体ばかりだった。
5~6万円台の安価なものも散見されたが、深い擦り傷や穴あき、変形が激しく、修理に多大な時間と費用がかかることが容易に想像できた。

また私のF-TYPEはItalian Racing Red(イタリアンレーシングレッド)という鮮やかな赤系カラーである。
後期型ではFirenze Red(フィレンツェレッド)となり名称が変更されているが、ほぼ同色であるため、理想を言えば同色バンパーを入手して塗装の手間を省きたかった。
色違いの場合、全塗装が必要になり費用が更に膨らむだけでなく、純正色のマッチングも難しくなる。
長い検索の末、ようやく同色に近い個体を2点発見した。
一つは状態が極めて良く、ほぼ無傷に近いものだったが価格は30万円超。
もう一つは15万円程度で、全体的にダメージは多いものの、修復すれば問題無さそうなレベルに見えた。

当時ボーナスが入ったタイミングでもああった。
なので財布の紐が少し緩んでいたこともあり、15万円のバンパーを購入する決断をしてしまった。
後から冷静に考えれば、もう少し状態の良いものを待つ選択肢もあったのだが、移植計画全体のモメンタムを失いたくなかった。
バンパーはイギリスからの発送で、到着まで約3週間を要した。
輸送中のトラブルが発生し、ショップ側で配送不能の連絡が入ったため、急遽最寄りの福山通運の営業所まで直接引き取りに行く羽目になった。

巨大な段ボールを開梱し現物を確認したが、正直なところ落胆が大きかった。
写真ではそこそこに見えていたダメージが、実際には想像以上に深刻で、
私の基準では6万円台の個体レベルに感じられた。右側テールライト下辺りに約10cmの深い擦り傷があるのは知っていたが、その他にも細かな傷や塗装の浮き、軽微な変形が複数箇所に確認できた。

板金・パテ盛り・再塗装が必須の状態であり、追加で数万円の修理費用が発生するのは目に見えていた。
費用内訳は、バンパー本体約92,000円+送料・輸入手数料・関税等約41,000円で、合計約133,000円。
アメリカ発送であれば送料をもう少し抑えられた可能性が高く、イギリス発送を選んだことが痛恨の極みとなった。
これでようやく、後期型テールライトとリアバンパーのセットが揃った。
……到着後の次の日くらいにヤフオクで3万円くらいで後期バンパーが出品されていた。
13万で買ったバンパーより状態も良かったので、私の運の無さに腹が立ち予備用で即購入した。

次なる課題は、前期型車両に後期型テールライトをエラーなく正常点灯させることだった。
ここで以前からお世話になっているライト加工のプロフェッショナル「L-kobo(エルコボ)」に外注を依頼することにした。
テールライトをワンオフ加工

L-koboは、ヘッドライト・テールライトのカスタムや修理、移植加工を専門とする国内屈指の専門店である。
特にCAN通信制御の複雑な現代車においても、他店では断られるようなフェイスリフト移植を数多く手がけており、私自身も過去に別の車両で大変お世話になった信頼できる専門店になる。
今回は後期型テールライトを前期型車両に適合させるための加工を依頼した。
主な課題は以下の通りである。
•コネクターのピン数が私が予備で準備した前期テールライトが4ピンに対し後期テールライトが3ピンになっている(ここ重要)
•前期と後期でECUが違うので、ハイフラといったエラーが発生する可能性が高い
•後期型特有のシーケンシャルターンシグナなので通常パターンとの制御が異なる可能性がある
これらを解決するため、L-koboでは専用の変換ハーネスを製作し、抵抗値の調整や必要に応じたキャンセラーモジュールの追加を行ってもらった。
が、しかしここで問題が発生した。
後期テールライトが3ピンという事でL-kobo側から連絡があった。
「送っていただいた、テールライトはUS仕様の物となっています」
一瞬、「ん??」と思ったが、購入したところを確認してみると「アメリカ」から発送されていた。


バンパーに続いてトラブル続きである。
US仕様はブレーキライトがターンシグナルと同じ役割をする為、日本の公道上では使用する事が認められていない。
いわゆる「赤ウインカー」というものになる。
その後LINEでやり取りしていると、
料金は更に増えてしまうが、基盤から全て1から作り直せば問題なく点灯させる事が可能という事であった。
渡ってしまっている橋はもう引き返す事は考えられないので、ワンオフでの作業を依頼した。
1週間程でテールライトが完成し、動画を見させてもらったがポジション、ブレーキ、ターンシグナル、すべてが美しく正常に点灯していた。
以下は実際の点灯テストの動画になる。
今回拘ったのが、日本仕様やUS仕様とは違うターンシグナルとブレーキライトにしたかった。
先ずはブレーキライト部分をターンシグナル化する事で以前乗っていたDB9のように、少し懐かしいLEDターンシグナルにしたかった。

シーケンシャルターンシグナルも気分次第で切り替えられるという事であるが、好みではないので使う機会はないかも知れない。
また稲妻型のポジションライトをブレーキライトとして兼用し日本仕様のテールライトライトと差別化を図ってワンオフならではの独自性を演出した。

私が見る限りでは前期型のFタイプに後期型テールライトを移植した例は見た事ないので、L-koboの素晴らしい技術力で他車と被る事がない素晴らしい完成度に満足している。
加工費用は内容の難易度を考慮しても妥当な範囲で、技術力の高さに改めて感心した。
ライトのカスタムや移植を考えている方には、自信を持っておすすめできる専門店である。
これでテールライトの電装系問題はクリアとなった。
そしてL-koboでのワンオフ加工料金は以下になる。
•内部分解及び回路解析 8,000円
•スモール/ブレーキ用LED基板製作→左右60発までの基本料金 18,000円
•基本超過料金 36発×150円=5,400円
•ウインカー用 POWERLED基板製作→左右30発以内の基本料金 30,000円
•シーケンシャルウインカーコントローラー 20,000円
•コントローラー専用ハーネス 3,000円
•前期車両に搭載する為の電流整合措置 12,000円
•送料 2,610円
税込み価格合計 130,650円
税込価格13,0650円となり、端数カットでちょうど130,000円にしてもらえた。
バンパーと合わせると合計 263,000円
テールライトと合わせると現在の合計金額は約39万円となっている。
奥さんにバレたらとんでもない事になるが、ここは何とかバレずに乗り越えていくしかない。
次はいよいよバンパーとテールライト取り付け作業に移る。
Vol.3ではその過程と完成後の姿をお伝えしたい。トラブルに見渡れてる移植計画も、いよいよ佳境を迎えようとしている。

