スーパーカーを間近くで見る事ができる数少ない博物館が茨城にある。スーパーカー好きであればサーキットの狼ミュージアムに必ず行くべし!!(前編)
茨城県にあるスーパーカー博物館
スーパーカーと思い浮かべると皆さんの脳裏に焼き付いている車はなんだろうか?
フェラーリ F40やテスタロッサ、ランボルギーニ ミウラやカウンタック、マクラーレンF1、ジャガーXJ220、ブガッティEB110など様々な車種が思い浮かんでくると思う。
その1970年代以降のスーパーカーをチェーンスタンド無しに間近で見られる博物館が茨城県にあるので久しぶりにワクワクしながら車を走らせた。
ワクワクしながら今回訪れたのが「サーキットの狼 ミュージアム」になる。
この「サーキットの狼」とは1970年代に池沢さとしという漫画家が1975~1979年にかけて週刊少年ジャンプで連載されスーパーカーブームの火付け役となったといっても過言ではない漫画になる。
主人公の風吹裕矢がロータス・ヨーロッパを公道で爆走する話から始まり、暴走族とのレースをし成長していく物語である。
私は今まで見た事が無かったので、Amazon kindleに再登録し現在サーキットの狼を楽しんでいる最中である。
現在のAmazon kindleではサーキットの狼が月額料金のみ追加料金無しで見る事ができるが会員によって月額料金が違うので注意していただきたい。(プライム会員の私は2ヶ月99円であった)
しかし漫画喫茶に行ったり単行本をまとめて購入するよりお得なので気になった方は30日間無料(期間終了後は月額980円)で登録してみるのがお得なので是非試していただきたい。
サーキットの狼 ミュージアムに話を戻すと所在地は茨城県の神栖市にあり息栖橋という橋を渡った直ぐ近くにある。
茨城県とあるが、ほぼ千葉県の最北端と言っても変わりはない。
自宅からミュージアムまでは約1時間30分程度で到着しチケットを購入しに受付へ向かった。
※ミュージアムは平日は営業していないので注意していただきたい。また営業時間も10:00~16:00とあるので1人でゆっくり見たいとなると営業時間前から並ぶのも良い方法である。
受付にて超良心的な価格(800円)でチケットを購入しミュージアムの中に入ると、主人公である風吹裕矢の愛車 ロータス・ヨーロッパが視界に入った。
Lotus Europa Special
ロータス・ヨーロッパの初期モデルは1966年に利益率の高い輸出市場をターゲットに誕生した。当時はエンジンをミッドシップにレイアウトするという考えは非常に珍しかったが、この頃にはデ・トマソ パンテーラやランボルギーニ ミウラといったエンジンをミッドシップに積んでいるスーパーカーが誕生し新しいコンセプトの1つとして注目されていた。
ロータス・ヨーロッパは完璧な空力マシンを目的として作られCd値は0.29という記録で半世紀以上経った現在のゴルフ8のCd値0.27に迫る数値である事に驚きを隠せない。
空力と軽量化に関して一切の妥協のない車であったが、初期時代(S1)はサイドウィンドウは固定されいるので窓の開閉が出来ずシートもスライド機構を搭載しない超スパルタンモデルであった。
グラスファイバー製のボディはスチール製のバックボーンシャーシに接着されていたため損傷があった場合は丸ごと修理が必要とのこと。
以下ロータス・ヨーロッパ・スペシャルの諸元表である。
全長×全幅×全高 | 3,980mm×1,650mm×1,090mm |
車両重量 | 712kg |
エンジン型式 | — |
最高出力 | 126PS |
最大トルク | 152N・m |
エンジン種類 | 直列4気筒DOHC |
総排気量 | 1558cc |
トランスミッション | 5速MT |
ヨーロッパのエンジンにはルノーのパワートレインが選ばれた。1470ccプッシュロッドエンジンと4速MTがルノー16から流用され、座席の後ろに縦置きで搭載されていた。またルノーエンジンは信頼性が高いとのことだが部品が入手困難なため、修理費が高価になる可能性で高いという。当時はルノーがエンジンを供給する代わりに最初の500台はフランス国内のみのディーラーでのみ販売するという制約が話もあったという。
ロータスはルノー16から流用したエンジンにチューニングを施しても、エンジンは82PSしか上がらなかったが超軽量の613kgのボディを動かすと、0~100km/hまでを約9.5秒で到達するスペックを持っていた。
1972年にはビックマイナーチェンジを迎えエンジンフードの仕切りの高さが変更された。
先代のシリーズと見比べ見た目がスタイリッシュになりスタイリングが大幅に改善された。最も大きな変更点がルノーエンジンが最終的にフォード製のエンジンブロックににロータス製のDOHCヘッドを組み合わせた1.6リッターエンジンを搭載し126PSを発生させた。
しかしルノーのギアボックスが変更されなかったため、当時のエラン・スプリントに搭載されていた26馬力バージョンのエンジンは採用できなかった。ヨーロッパ・スペシャルは初代(S1)から100kg車重が増えてしまったがホイールベースを長くしたことでバランスを保つことに成功した。最後のモデルのスペシャルはヨーロッパの中でも特別なモデルであり0~100km/hを8.0秒で到達する。
現在サーキット狼の4巻目で公道グランプリ後半戦に差し掛かっているが、風吹の乗るロータス・ヨーロッパ・スペシャルは大活躍である。
引き続き漫画も楽しみロータス・ヨーロッパの魅力に浸かっていこう。
De Tomaso Pantera
名前から悪そうな雰囲気が漂ってくるが実車も中々のインパクトがある。
ミュージアムに展示されているパンテーラは正に私がイメージするパンテーラでボンネットフードと車体がオレンジで下半分がブラックのツートン仕上げが特徴のGTSグレードになる。
パンテーラは1960 年代後半にフォードとアレッサンドロ・デ・トマソがモデナを拠点とする自動車会社との共同作業から誕生した。
アレッサンドロ・デ・トマソが親しかった当時のフォード副社長のリー・アイアコッカと意気投合しパンテーラの作成プロジェクトを立ち上げた。
契約ではデ・トマソの会社がイタリアでギア設計の自動車を製造し、フォードが米国のディーラーネットワークを通じてデ・トマソの開発車両の宣伝、販売、サービスを行うことになっていた。
当時、フォードの経営陣は自社のモデルラインアップが薄いのに気づき空白を埋めるためにスポーツカーを熱望していた。
パンテーラの開発はフォードにとっては高額な開発費をかけずにスポーツカーを手に入れるチャンスであり、デ・トマソは広告費用やエンジン、整備施設を確保する事ができたので双方にとってメリットの多い契約となった。
以下デ・トマソ・パンテーラの諸元表である。
全長×全幅×全高 | 4,270mm×1,900mm×1,100mm |
車両重量 | 1,330kg |
エンジン型式 | フォード・351-4V |
最高出力 | 350PS |
最大トルク | 490N・m |
エンジン種類 | V型8気筒 OHV |
総排気量 | 5763cc |
トランスミッション | 5速MT |
1971 年後半にデ・トマソはパンテーラGTS の製造を開始した。
見事なクーペのボディワークはボディデザインスタジオのカロッツェリアギアに在籍していたトム・チャーダによって設計された。
フロントノーズはキャビンから急降下するように伸び、直線的なデザインが多いパンテーラではあるがフロントノーズ下に湾曲したフロントスポーツが取り付いているが印象的であった。
サイドはオレンジとブラックに塗り分けされたツートーンカラーにデ・トマソのロゴが描かれハイパフォーマンスモデルとしての差別化が図られている。
リアクォーターガラスの直ぐ後ろには給油口が設置され低い車高ながらも給油しやすい位置付けになっている。
そして今回ミュージアムを運営している八幡さん一家の次男である毅(たけし)さんに大変お世話になった。
各名車のエンジンルームを見せていただき、その車に関する歴史や特徴を学び貴重な話をたくさんいただいた。
私の拙い記憶力では覚えられることは少なかったが、少しずつ思い出して紹介していく。
パンテーラは超リアミッドにエンジンを置いている。エンジンルームを除いてみるとエンジンがキャビン(車室)内にまで侵入している。
画像が見づらくて申し訳ないが、シート後ろのフレームが盛り上がっているのはエンジンを最奥のミッドシップに乗せるためだと教えてくれた。
エンジンルームは現代のスーパーカーと比べ意スカスカのイメージではあるが、安全装置や快適なアシストシステムが一切なくフォード製のV8エンジンとZF製のオールシンクロ5速マニュアルギアボックスがしっかりと確認できる。
1974 年の末頃にフォードとデ・トマソのビジネス契約が解消されることになった。
その結果、ヨーロッパ市場では完全な GTS 仕様が利用された一方で、パフォーマンスを向上させる改造は一切施されずに製造された GTS モデルが米国に150 台輸入されたという。
Lamborghini Silhouette
続いてランボルギーニ シルエットになる。
シルエットはミウラやカウンタックよりも珍しくランボルギーニのクラシックカーの中でも希少性が最も高いモデルとも言える。
ミウラは750台カウンタックでは1,999台となるが、それに対してシルエットはプロトタイプを含めても53台となり日本の公道上で見れる機会はほぼ無い。
しかし、ミュージアムにはその53台という少ない生産台数の1台を見ることができる。
ミウラやカウンタックがあまりにも有名でミュージアムではシルエットの存在感が薄く見えてしまうが、このシルエットを見に行く為に茨城県にまで車を走らせる価値があると私は思う。
ランボルギーニ初のタルガトップモデルとして誕生しルーフを取り外すと3.0L V8エンジンのサウンドをオープンエアで堪能することができる。
正にフェラーリ308GTSに対抗する為に生まれてきたランボルギーニである。
以下ランボルギーニ シルエットの諸元表である。
全長×全幅×全高 | —mm×—mm×—mm |
車両重量 | 1,240kg |
エンジン型式 | — |
最高出力 | 260PS |
最大トルク | 274N・m |
エンジン種類 | V型8気筒 DOHC |
総排気量 | 2,995cc |
トランスミッション | 5速MT |
ベースモデルはランボルギーニ ウラッコであり、私が思い出深い車である。
高校生の時だろうか?随分昔の話なのでもう忘れてしまったが、ウラッコで初めてランボルギーニのシートに座りステアリングエンブレムの闘牛の美しさが脳裏に今だに焼き付いている。
シルエットはウラッコをベースに改良されたシャシーを採用しボディのプレス加工の一部も引き継いでいる。
ウラッコと同様にシルエットはベルトーネのマルチェロ・ガンディーニがデザインし、角張ったホイールアーチとディープディッシュの丸くくり抜かれたアルミホイールが特徴的である。
デザインは優れランボルギーニ初のタルガトップでありながら、当時この車は販売不振に陥った。ライバルのフェラーリ308GTSやポルシェ 911タルガはアメリカではヒットモデルとなっていたにも関わらずシルエットは53台という販売台数になっている。
その売れ行きが悪かった最大の原因はランボルギーニが極めて重要なカリフォルニア市場の排ガス規制を通過させることができなく、アメリカでの販売を白紙にしたからだ。
結局米国仕様のシルエットはたった10台しか製造されなかった。
この悲しい歴史を持つランボルギーニ シルエットは現在中古市場では非常に高価で取引されているという。ミュージアムではカウンタックやミウラに目が行きがちだが是非ゆっくりと鑑賞していただきたい。
中編に続く。
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出典:1976 RENAULT 16 TL for sale by auction in Watford, Hartfordshire, United Kingdom
出典:1984 Ferrari 308 GTS Quattrovalvole For Sale | Kent & London | Foskers
サーキットの狼懐かしい〜
今回も素晴らしい写真ありがとうございます!
hiさん
こんばんは!
サーキットの狼、今夢中になって見ています~!
画像編集に時間が掛かるので中編は気長に待っていただけると嬉しいです笑
[…] […]