日常

ビンゴスポーツ主催「A PIT AUTOBACS SHINONOME Collectible Auction 2025」に行ってきた!!

Yuu

既に今年で2回目の開催

2025年5月9日(金)から5月10日(土)の2日間、東京・江東区東雲に位置する「A PIT AUTOBACS SHINONOME」にて、ビンゴスポーツ(BINGO Co., Ltd.)主催の「Collectible Auction 2025」が開催された。

希少車価値の高い車両が間近で見れるチャンスであり、そのチャンスを逃さない為にも足を運んでみた。

このオークションは、ビンゴスポーツが東京オートサロンや鈴鹿サーキットと連携して定期的に開催するコレクタブルカーオークションの一環であり、ヴィンテージカー、クラシックカー、スーパーカー、ハイパーカーなど、自動車愛好家にとって垂涎のアイテムが出品されることで知られている。

今回のオークションでは、Lot.1からLot.34まで、カメラからクラシックカー、ラリーモデルまで多岐にわたるアイテムが出品され、多くの自動車ファンが集った。

今回はオークションの概要、出品車両の一部紹介、落札結果、そして現地の雰囲気を紹介していきたい。

オークション概要と会場について

「A PIT AUTOBACS SHINONOME」は、東京都江東区東雲2-7-20に位置するオートバックスのフラッグシップストアの一つになる。

この店舗は、自動車パーツやアクセサリーの販売だけでなく、車のカスタマイズやメンテナンスサービスを提供する「プレミアムピット」を備え、自動車愛好家にとっての聖地とも言える場所になる。

オークション期間中は、店舗の駐車場に出品車両が展示され、来場者が間近で車両を見学できるレイアウトとなっていた。

ビンゴスポーツは、ヴィンテージカーやスーパーカーのオークションで高い評価を受けており、透明性と公正さを重視した運営が特徴。

今回のオークションも、現地での入札に加え、電話や事前入札が可能で入札資格を得るためには事前に入札者登録が必要だった。

登録には顔写真付きの身分証明書(免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)の提示が求められ、厳格なプロセスを経て参加資格が付与される。

オークションには、カメラやメモラビリアを含むLot.1からLot.34までが出品されたが、ここでは特に注目された車両と個人的に気に入った車両を紹介する。

車両以外のアイテム(カメラや部品など)も人気であったが、コレクタブルカーの魅力が際立っていた。

Lot.12: 2003 Mono craft GT-300 [Toyota MR-S

2003年型Mono Craft GT-300は、トヨタMR-S(W30)をベースに、TRD(Toyota Racing Development)とMono Craftが共同で開発した希少なコンプリートカーになる。

2003 Mono craft GT-300
Mono craft GT-300

限定生産モデルとして、モータースポーツのDNAを受け継ぎつつ、ストリートでの存在感を放つこのクルマはクルマ愛好家の間で熱狂的な人気を誇り今回展示されていた車両はVer.1とVer.2が存在しTRDの文字がリアバンパー取り付けられていることから希少なVer.1である。

今回はエンジンやエクステリア、インテリアに焦点を当て、その独特な魅力を簡潔に紹介していきたい。

エンジン

標準エンジン(1ZZ-FE):ベースのMR-Sに搭載される1ZZ-FEは、最高出力約140馬力(日本仕様)。

軽量なミッドシップレイアウトと相まって、日常走行やワインディングロードでの軽快なハンドリングを実現する。

ただし、GT-300のスポーティな外観に比べると、パワー不足を感じるユーザーもいるようだ。

2ZZ-GE:多くのGT-300オーナーが選択するアップグレードが、トヨタ・セリカやロータス・エリーゼに搭載された2ZZ-GEエンジンへの換装。

このエンジンは、VVT-i(可変バルブタイミング)およびリフト機構を備え、最高出力約190馬力(日本仕様)を発揮。

レッドゾーンが8,000rpmを超える高回転型エンジンで、Mono Craft GT-300のレーシーなキャラクターにマッチする。

特に6速マニュアルトランスミッションとの組み合わせでは、レスポンスの鋭さと加速の爽快感が際立つ。

チューニングの可能性:2ZZ-GEはアフターマーケットでのサポートも充実しており、インテークやエキゾーストの交換、ECUチューンにより200馬力超えも可能。GT-300の軽量ボディ(約1,000kg)と相まって、サーキットでも十分なパフォーマンスを発揮する。

エクステリア

ワイドボディキット:GT-300の最大の特徴は、TRDが開発した専用ワイドボディキット。フロントフェンダーとリアフェンダーが大幅に拡幅され、低くワイドなスタンスを強調。

空力性能を向上させつつ、視覚的なインパクトは圧倒的で、街中でも一目で「特別なMR-S」と認識できる。

エアロパーツ:フロントバンパー、サイドスカート、リアディフューザーは、単なる装飾ではなく、モータースポーツ由来の空力設計を採用。ダウンフォースを強化し、高速走行時の安定性を向上させます。特にフロントの大型エアインテークは、エンジン冷却効率を高める実用的なデザイン。

軽量ホイールとローダウン:GT-300には、ワークマイスターS1が装着され、車高もローダウンサスペンションで低く設定。淡いピンクのボディカラーに映えるホイールデザインは、スポーティかつ洗練された印象を与える。

2003 Mono craft GT-300

まとめ

Mono Craft GT-300は、トヨタMR-Sをベースにしながら、TRDとMono Craftの技術が融合した、まさに「走るコレクターズアイテム」になる。2ZZ-GEエンジンへのスワップによる高回転のパフォーマンス、ワイドボディキットが織りなす圧倒的なエクステリア、ドライバー中心のシンプルなインテリアは、モータースポーツの魂とストリートの楽しさを両立させる。

全長×全幅×全高3,885mm × 1,735mm × 1,235mm
車両重量1,050kg(軽量重量)
エンジン型式2ZZ-GE
最高出力190PS
最大トルク183N・m
エンジン種類直列4気筒DOHC 1.8L
総排気量1,796cc
トランスミッション6速シーケンシャル・マニュアル・トランスミッション

Lot.16: 1966 Aston Martin DB6 Mk.1

1966 Aston Martin DB6 Mk.1
Aston Martin DB6

1966年型Aston Martin DB6 Mk.1は、英国を代表するラグジュアリーカーメーカー、アストンマーティンが生み出したグランドツアラー(GT)になる。

今回の出品車両の中でも私が注目していた1台で、

DB5の後継として1965年に登場し、1970年まで生産されたDB6は、より洗練されたデザインとパフォーマンスで、現代でも多くのクルマ愛好家を魅了している。

出品されていた車両はルーフがソフトトップとなり、サンルーフ採用の希少価値の高いDB6となっている。

1966 Aston Martin DB6 Mk.1

エンジン

Aston Martin DB6 Mk.1の心臓部は、4.0リッター直列6気筒DOHCエンジン(3995cc)が搭載され、標準仕様では282PS、390N•mを発揮し、オプションのヴァンテージ仕様では325PS、393N•mまで向上する。

ツインカム設計とトリプルウェーバーキャブレター(ヴァンテージ仕様)を採用し、滑らかで力強い加速が特徴。

トランスミッションは、標準でZF製5速マニュアルが搭載され、オプションでボルグワーナー製3速オートマチックも選択可能。最高速度は標準仕様で約233km/h、ヴァンテージ仕様では245km/hに達し、0-100km/h加速は約6.4秒と、当時のスポーツカーとして申し分ない性能を誇る。

エンジン音は低音が響く独特のサウンドで、長距離ドライブでも疲れを感じさせないスムーズさが魅力。

ただし、ライブアクスル式のリアサスペンションは現代の基準ではやや古臭く、高速域での安定性向上のために設計されたカムテールがその弱点を補う形となっている。

エクステリア

クラシックかつ空力的な美しさを持つDB6 Mk.1のエクステリアは、DB5のデザインを継承しつつ、より洗練されたスタイルが特徴。 

以下その主なポイントになる。

フロントデザイン:ガラスカバー付きのヘッドライトや、冷却効率を高めるためのオイルクーラー用エアスクープが特徴。クォーターバンパーが四隅に配置され、クラシックな雰囲気を保ちつつ実用性も考慮されている。

ロングノーズデザインのボンネットは、滑らかなアルミパネルで構成され、中央に控えめなパワーバルジ(膨らみ)が設けられている。

このパワーバルジは、4.0L直6エンジンの存在感をさりげなく主張しつつ、空気流を整える役割も果たす。

延長されたホイールベース:DB5から95mm延長されたホイールベース(2585mm)は、室内空間の拡大とともに安定性を向上。全長4620mm、全幅1680mm、全高1320mmと、堂々としたプロポーション。

クロームホイール:標準でクロームワイヤーホイール(6.70×15タイヤ)が装備され、エレガントな外観を強調。オプションで3枚羽のノックオフ式ホイールナットやAvon Turbospeedタイヤも選択可能であった。

ボディは、Touring of Milanのスーパーレッジェーラ工法(鋼管フレームにアルミパネルを組み合わせる手法)で作られており、軽量かつ剛性が高いのが特徴。

ただし、当時のアストンマーティンの顧客にはこのモダンなデザインが「保守的でない」と不評だったこともあり、市場での受け入れには時間が掛かった。

しかし現代ではその流麗なラインは時代を超えた美しさを感じさせ、多くの人が足を止めてDB6を眺めていた。

カムテール:DB6最大の特徴は、リアエンドのカムテールデザイン。風洞実験を経て採用されたこの形状は、空気抵抗を減らし、高速走行時のリフトを抑制。見た目にもモダンな印象を与え、フェラーリ250に似たトレンドを取り入れている。

1966 Aston Martin DB6 Mk.1

まとめ

アストンマーティン DB6 Mk.1は、洗練されたデザインとパワフルなパフォーマンス、そしてラグジュアリーなインテリアを兼ね備えた、まさに「ジェントルマンのエクスプレス」の役割を果たす。4.0L直6エンジンの滑らかな加速、カムテールが織りなす空力美、コノリーレザーとウッドパネルが彩る上質な室内は、1960年代の英国車文化を象徴している。

全長×全幅×全高4,620mm ×1,680mm ×1,320mm
車両重量1,474kg(乾燥重量)
エンジン型式不明
最高出力282PS
最大トルク390N・m
エンジン種類直列6気筒DOHC 4.0L
総排気量3,995cc
トランスミッション5速マニュアル・トランスミッション

Lot.20: 1999 Tommykaira R-Z [Nissan Skyline GT-R V-spec (BNR34)]

1999 Tommykaira R-Z [Nissan Skyline GT-R V-spec (BNR34)]
1999 Tommykaira R-Z

1999年型Tommykaira R-Zは、日産スカイラインGT-R V-Spec(BNR34)をベースに、トミーカイラが手掛けた究極のコンプリートカーになる。

数十台のみ生産された希少性と圧倒的なパフォーマンスで、クルマ好きの間で伝説的な存在となっている。

過去のオークションでは3億円を超える価格が付いたこともあるこの名車をエンジン、エクステリアに注目していきたい。

エンジン

Tommykaira R-Zの心臓部は、スカイラインGT-RのRB26DETTをベースに排気量を拡大した2.7リッター直列6気筒DOHCツインターボエンジン、通称「RB27DETT」になる。

1999 Tommykaira R-Z [Nissan Skyline GT-R V-spec (BNR34)]

トミーカイラは専用クランクシャフト、オリジナルタービン、強化インタークーラー、ECUチューンなどを施し、最高出力は驚異の530PS、最大トルクは534N•mに達する。

これは、ベース車両の公称276PS(実質400馬力程度)を大きく上回る数値になる。

このエンジンは、単なるパワーアップではなく、全域でのトルク特性とレスポンスを重視したチューニングが施されている。

低回転から高回転まで一貫したパワー供給が可能で、サーキット走行でもストリートでも圧倒的な加速力を発揮。特に、アクセルを踏み込んだ瞬間の爆発的な加速は「怪物」と呼ぶにふさわしく、ドライバーをアドレナリンの渦に巻き込む。

エクステリア

•フロントデザイン

標準GT-Rのフロントバンパーを置き換え、トミーカイラが設計した大型バンパーを装備。中央に大きく開いたエアインテークが特徴で、グリル部分はブラックアウトし左右にエアダクトを配置。

バンパー下部には、トミーカイラ専用のフロントリップスポイラーが装着。標準GT-Rよりも低く設定され、鋭角的なデザインを採用している。

ボンネットは標準GT-RのNACAダクトに加え、トミーカイラ専用のエアダクトが追加される。

ダクトは機能的な形状で、ボンネットは軽量なアルミまたはカーボン製に変更される。

•サイドデザイン

1999 Tommykaira R-Z [Nissan Skyline GT-R V-spec (BNR34)]

エアロダイナミクスを意識したスカートが装着され、車体下部の空気をスムーズに流す。

リアにはディフューザーが追加され、エキゾーストパイプ周りのデザインも専用仕様に。

標準GT-Rのホイールを置き換え、トミーカイラが選定した軽量アルミホイール(プロドライブGC-05Fなど)が装着される。

サイズは17インチまたは18インチで、ブラックやガンメタルのカラーが多い印象でSチューン•サスペンションが取り付けられている。

•リアデザイン

リアフェンダーはフロント同様にブリスターデザインが採用され、標準のBNR34よりも大幅に拡幅されている。

フェンダーの張り出しは、ワイドタイヤ(通常17インチまたは18インチ)を収めるためのもので、全体的にワイド&ローのスタンスを強調しリアバンパーはトミーカイラ専用のデザインで標準GT-Rよりもアグレッシブな形状に変更されている。

バンパー下部には大型のリアディフューザーが装備され、リアバンパーの左右に配置されたデュアルエキゾーストパイプは、トミーカイラ専用の大径仕様。

ステンレス製またはチタン製で、ポリッシュ仕上げが施されることが多い。

トリプルウイングリアスポイラ

R-Zの象徴ともいえる3段式リアウイングは、視覚的なインパクトだけでなく、高速域でのダウンフォースを強化。サーキットでの安定性が飛躍的に向上する。

このウイングは高速域でのダウンフォースを大幅に増加させる設計で200km/hを超える速度での走行時、リアの安定性を飛躍的に高め、サーキットでのコントロール性を向上させる。

まとめ

1999 Tommykaira R-Zは、チューニングカーを超えた存在で530馬力のモンスターマシンでありながら、トミーカイラの「速さと楽しさの両立」を体現。

機能美溢れるエクステリア、レーシーなインテリア、そして圧倒的なエンジンパフォーマンスは、多くのファンを魅了する。

生産台数が34台(うちRZ仕様は11台のみ)と極めて少なく、希少性もその価値を高めている。Tommykaira R-Zは、まさに「走る芸術品」であり、自動車史に燦然と輝く日本の伝説の名車である。

全長×全幅×全高4,675mm × 1,820mm × 1,360mm
車両重量1,560kg(乾燥重量)
エンジン型式RB27DETT
最高出力530PS
最大トルク545N・m
エンジン種類直列6気筒DOHC 2.7Lツインターボ
総排気量2,771cc
トランスミッション6速マニュアル・トランスミッション

Lot.22 1972 Nissan FairladyZ 432R

1972 Nissan FairladyZ 432R

1972年型Nissan Fairlady Z 432Rは、Nissanが誇るZカーの歴史において特別な位置を占める稀少なモデル。僅か420台しか生産されなかったこの車両は、Skyline GT-Rに搭載された高性能エンジンを採用し、モータースポーツでの成功を背景に開発された。

エンジン

Fairlady Z432Rの心臓部は、Skyline GT-Rから移植された2.0リッター直列6気筒DOHCエンジン「S20」が搭載されている。

このエンジンは4バルブDOHC、3基のSolex 40PHHキャブレターは手動調整が必要なものの、レスポンスの鋭さと燃料の最適な混合比を提供。キャブレターを備えた高回転型ユニットで、そのパフォーマンスは当時としては革新的であった。

 最高出力は約160PS(グロス値、約150PSネット値と推定)、最大トルクは180N•m付近。

2,000ccの排気量から引き出されるこのパワーは、車両重量約1,100kgに対し、150PS前後の出力は優れたパフォーマンスを発揮。1PSあたり約7.3kgという軽快な数値を誇る。

DOHCと4バルブ設計による高回転性能が特徴で、7,000rpmを超える領域でも力強い出力を発揮。競技用にチューニングされたS20は、吸気と排気の効率を最大化し、鋭いレスポンスを提供する。

エクステリア

フロントデザイ

Fairlady Zのアイコンである丸型2灯式ヘッドライトを継承し1970年代のクラシックな雰囲気を保ちつつ、432Rではクリアレンズが採用され、夜間の視認性が向上。

ボンネット中央に配置されたNACAダクトと、フロントバンパー下部の追加エアインテークが特徴。エアインテークはエンジンルームへの空気供給を最適化し、過酷なサーキット走行でのパフォーマンスをサポート。

クロームトリムを最小限に抑え、ブラック仕上げのグリルが採用。レース志向の無駄のないデザインを反映している。

丸目ヘッドライトの可愛らしいルックスと、エアインテークの力強さが調和し、クラシックさと競技性のバランスが絶妙である。

サイドデザイン

Fairlady Z特有のロングノーズ・ショートデッキのシルエットを継承。サイドのキャラクターラインは控えめで、滑らかな曲面が美しい。

標準Zに比べサイドウィンドウとリアウィンドウは軽量なアクリルへと変更されている。

レース仕様の432Rでは、ガラス繊維製のリアスポイラーが装備され、これは高速走行時のダウンフォースを増加しコーナリングや直線加速時の安定性を向上させる。

•リアデザイン

リアにはデュアルアウトレットのマフラーがあり、S20エンジンの高回転サウンドを強調する。

このデザインはスポーティな外観を強化し、排気効率を高める役割も果たす。

リアバンパーには追加のゴムマウントが装備されており、レース条件での耐久性を向上させる設計で特に過酷な走行環境での振動や衝撃に耐える役割をしている。

全長×全幅×全高4,115mm × 1,630mm × 1,290mm
車両重量1,110kg(乾燥重量)
エンジン型式S20
最高出力160PS
最大トルク180N・m
エンジン種類直列6気筒DOHC 2.0L
総排気量1,989cc
トランスミッション5速マニュアル・トランスミッション

Lot.23: 1963 Jaguar E-type 3.8-Liter Competition Coupe

1963 Jaguar E-type 3.8-Liter Competition Coupe

1963年型Jaguar E-Type 3.8-Liter Competition Coupe、通称「Lightweight E-Type」は、Jaguarのモータースポーツ史において特別な存在になる。

特に出品されていた個体は、12台のみ製造された希少なコンペティションモデルの一台。フェラーリやアストンマーティンと競い合うために設計されたこのクルマは、美しさとパフォーマンの完璧な融合を体現している。

エンジン

Jaguar E-Type 3.8-Liter Competition Coupeの心臓部は、ジャガーの伝説的な3.8リッター直列6気筒DOHCエンジンになる。

標準のE-Type用エンジンをベースに、レース用に大幅なチューニングが施されている。

最高出力は約300PS(ネット値では280PS程度と推定)。最大トルクは約380N•m。ベースモデルの265馬力(3SUキャブレター仕様)から大幅に向上している。

排気量は3,781ccで、圧縮比は11:1に引き上げられている。これは圧縮比9:1がバランスの取れた設定とされてるベース車や9.5:1の高圧縮仕様よりも大幅に向上している。

コンペティション仕様として、ルーカス社製の機械式燃料インジェクションとドライサンプ潤滑システムが採用され、高回転域での信頼性が向上。シリンダーヘッドはD-Typeレーサーから派生したワイドアングル設計で、吸排気効率を最大化。軽量アルミブロックや鍛造ピストンも使用され、重量を抑えつつ耐久性を確保している。

7,000rpmを超える高回転域でもスムーズにパワーを発揮し、レースでの瞬発力が際立つ。0-100km/h加速は約5秒、最高速度は270km/h以上と、当時のライバルを圧倒する性能を持っている。

エンジン音は直6特有の咆哮で、アクセルを踏み込むたびにドライバーをアドレナリンの渦に巻き込む。このエンジンはFerrari 250 GTOやAston Martin DB4 GTと競い合い、1960年代の耐久レースで数々の勝利を収めている。Lot.23のようなオリジナル車両では、その歴史的価値がさらに際立つ。

1963 Jaguar E-type 3.8-Liter Competition Coupe

エクステリア

Jaguar E-Type 3.8-Liter Competition Coupeのエクステリアは、マルコム•セイヤーによる流麗なデザインをベースに、レースでのパフォーマンスを極限まで引き出すための軽量化と空力改良が施されている。展示されていたEタイプはその機能美が特に際立つ一台となっている。

全長約4,430mm、全幅約1,650mm、高さ約1,220mmのスリムなボディは、アルミニウム製モノコック構造を採用。

標準E-Typeのスチールボディから大幅に軽量化され、車両重量は約965kg(乾燥重量)。ボンネット、ドア、トランクリッドもアルミ製で、さらに一部パネルは薄肉化されている。

フロントデザイン

フロントデザインでは低く構えたノーズに丸型ヘッドライトと小さなグリルが配置され、空気抵抗を最小限に抑える。コンペティション仕様では、冷却効率を高めるための追加エアダクトがボンネットに設けられ、軽量アルミボンネットが特徴。フロントバンパーは取り外され、レースでの軽量化と空力性能を優先している。

•サイドデザイン

1963 Jaguar E-type 3.8-Liter Competition Coupe

滑らかな曲線を描くサイドラインが、E-Typeの美しさを象徴している。コンペティション仕様では、サイドウィンドウがアクリル製(Lexan)に変更され、軽量化と耐久性を両立。フェンダーには微妙な膨らみが加わり、ワイドトレッドタイヤを収める設計。

•リアデザイン

テールエンドはカットオフデザインで、空気流を整え空気抵抗を低減。軽量なアルミ製リアハッチと、コンペティション専用のシングルエキゾーストが配置。オプションで小型リアスポイラーが装着されることもあり、高速安定性を向上させる。

まとめ

Lot.23 Jaguar E-Type 3.8-Liter Competition Coupeは、300馬力のレース仕様3.8L直6エンジンと軽量構造と空力美を融合したエクステリアで、1960年代のモータースポーツ史に名を刻んだ名車になる。

12台しか存在しないLightweight E-Typeの中でも、Lot.23は保存状態やレース戦績で特別な価値を持つとされている。

全長×全幅×全高4,430mm × 1,650mm × 1,220mm
車両重量965kg(乾燥重量)
エンジン型式不明
最高出力300PS
最大トルク380N・m
エンジン種類直列6気筒DOHC 3.8L
総排気量3,781cc
トランスミッション5速マニュアル・トランスミッション

Lot.27: 2002 Porsche 996 GT3RS

2002年型Porsche 996 GT3RSは、Porscheのモータースポーツ遺産を体現する名車であり、特にLot.27として知られる個体は、その希少性とオリジナリティでは世界的にも貴重である。

996シリーズの頂点に位置するこのモデルは、トラックでのパフォーマンスと日常のドライブを両立させた設計が特徴。

エンジン

Porsche 996 GT3RSの心臓部は、3.6リッター水平対向6気筒エンジン(通称「メッツガーエンジン」)です。この自然吸気エンジンは、モータースポーツでの使用を前提に設計され、標準の996 Carreraモデルを大きく上回るパフォーマンスを発揮する。

最高出力は約320PSを6,800rpmで発揮し、最大トルクは370N•mを5,000rpmで発生。排気量3,600cc、圧縮比11.3:1が採用され、高回転域での力強さが特徴となる。

ドライサンプ潤滑システムと可変バタフライバルブ付きインテークマニホールドが装備され、トラックでの耐久性とレスポンスを向上。軽量なチタンコンロッドや鍛造ピストンが採用され、7,600rpmまでの高回転が可能。バリオカム技術により、低中回転域と高回転域の両方で最適なパフォーマンスを提供する。

この個体は2020 年にハナシマレーシングにてピストン、クランクシャフト・ベアリング、スラストメタル、タイミングチェーン、バルブ、バルブスプリング、クランクプーリーなど多数の新品パーツを投入し、エンジン・フルオーバーホールを実施したそうだ。

996 GT3RSの0~100km/h加速は約4.8秒、最高速度は約290km/hと、当時のスポーツカーとして卓越した数値でトラックでのコーナリングやブレーキングでの安定性が特に評価されている。

エクステリア

2002 Porsche 996 GT3RSのエクステリアは、トラックでのパフォーマンスを追求した設計が特徴。標準の996から進化したこのモデルは、空力性能と軽量化が徹底されている。

•フロントデザイン

大型のエアインテークが備わるフロントバンパーと、丸型ヘッドライトが特徴。冷却性能を高めるためのエアダクトがボンネットに配置され、レースでの熱管理をサポート。ブラックアウトされたフロントグリルがアグレッシブな印象を与える。

全長約4,435mm、全幅約1,804mm、高さ約1,270mmのワイドボディ。軽量なカーボンファイバー製フロントフードやリアウィングを採用し、車両重量は約1,350kg(乾燥重量)で、標準モデルより約50kg軽量化されている。

•サイドデザイン

サイドではワイドフェンダーとサイドスカートがワイドトレッドを強調し、BBS製18インチ鍛造アルミホイール(センターロック式)が装着。Lexan製のポリカーボネートサイドウィンドウが軽量化。

•リアデザイン

巨大な可変式リアウィングがダウンフォースを劇的に増加させ、高速安定性を確保。

テールライトは標準モデルと同じ丸型4灯だが、ブラックアウト処理が施され、レース志向の雰囲気を強調。シングルエキゾーストは中央に配置。

まとめ

Porsche 996 GT3RSは、320馬力の3.6L水平対向6気筒エンジンと、トラック志向の機能美溢れるエクステリアで、2000年代初頭のスポーツカー史に名を刻んだ名車になる。

限定生産(約360台)の希少性と、ビンゴスポーツが「純粋で本物のレース血統」と評するこの個体は今回のオークションで新たなオーナーの元へ渡った。

全長×全幅×全高4,435mm × 1,804mm × 1,270mm
車両重量1,350kg(乾燥重量)
エンジン型式M96/79
最高出力320PS
最大トルク370N・m
エンジン種類水平対向6気筒DOHC 3.6L
総排気量3,600cc
トランスミッション6速マニュアル・トランスミッション

Lot.32: 2003 Aston Martin DB7 Zagato

2003 Aston Martin DB7 Zagato
2003 Aston Martin DB7 Zagato

2003年型Aston Martin DB7 Zagatoは、Aston Martinとイタリアの名門コーチビルダーZagatoがコラボレーションして生み出した、限定生産の傑作です。Lot.32として知られるこの個体は、わずか99台しか製造されなかった希少なモデルであり、グランドツアラーとしての優雅さとパフォーマンスを兼ね備えている。

エンジン

Lot.32 Aston Martin DB7 Zagatoの心臓部は、Aston Martinの伝統的な5.9リッターV12自然吸気エンジンになる。

このエンジンは、DB7 Vantageをベースにチューニングが施され、グランドツアラーとしての快適さとパフォーマンスを両立している。

最高出力は約435PSを6,000rpmで発揮し、最大トルクは約557N•mを5,000rpmで発生。排気量は5,935cc、圧縮比は10.3:1で、V12エンジンならではの低回転から高回転まで滑らかなパワーデリバリーが特徴。

6速マニュアルトランスミッションまたは5速オートマチックトランスミッションが選択可能で、DB7 Zagatoではマニュアル仕様が人気。

アルミ製ブロックとヘッドが採用され、軽量化と耐久性を両立。ツインオーバーヘッドカムシャフト(DOHC)設計により、吸排気効率が最適化される。

DB7 Zagatoの0~100km/h加速は約4.9秒、最高速度は約300km/h。当時のグランドツアラーとして、優雅さとスポーツ性を高次元で融合させた。

エクステリア

Zagatoの手による独特のデザインが特徴で、Lot.32はその典型的なスタイルを体現しています。標準のDB7をベースにショートホイールベース化され、軽量化と空力性能が追求されている。

全長約4,469mm、全幅約1,831mm、高さ約1,243mmのコンパクトなボディは、アルミ製パネルを多用した軽量構造。

車両重量は約1,740kgで、標準DB7より約70kg軽量化されている。Zagatoによるショートホイールベース(約150mm短縮)設計が、俊敏なハンドリングを実現させる。

•フロントデザイン

2003 Aston Martin DB7 Zagato

伝統的なアストンマーティンのヴェーンドグリルが特徴で、丸みを帯びたヘッドライトがクラシックな雰囲気を演出。Zagatoデザインでは、ボンネットに特徴的な「ダブルバブル」ルーフラインへの連続性が感じられる滑らかなラインが強調されている。

•サイドデザイン

サイドでは流麗なサイドラインと、Zagato特有の鋭いエッジが融合。ショートホイールベースによるコンパクトなプロポーションが、スポーティさを際立たせる。

•リアデザイン

ダブルバブルルーフがリアエンドまで続き、独特のシルエットを形成。テールライトはコンパクトで、シングルエキゾーストが左右に配置され、控えめながらも力強い印象を与える。

2003 Aston Martin DB7 Zagato

リアバンパーはシンプルで、空力性能を考慮したデザイン。

まとめ

アストンマーティン DB7 Zagatoは、435PSの5.9L V12エンジンと、Zagatoによる機能美溢れるエクステリアで、2000年代初頭のグランドツアラー史に名を刻んだ。限定生産(99台)の希少性と、優雅さとパフォーマンスのバランスは、今日でもその価値を保ち続けている。

全長×全幅×全高4,469mm × 1,831mm × 1,243mm
車両重量1,740kg(乾燥重量)
エンジン型式AM02
最高出力435PS
最大トルク557N•m
エンジン種類V型12気筒DOHC 5.9L
総排気量5,935cc
トランスミッション6速MT(オプションで5速AT)

Lot.34: 1970 Jaguar 420G

1970年型Jaguar 420Gは、ジャガーの伝統的なラグジュアリーとパワーを体現する大型サルーンであり、1960年代の英国車文化を象徴する名車になる。

1970 Jaguar 420G
1970 Jaguar 420G

Lot.34として知られるこの個体は、Jaguar Mark Xの後継として1966年から1970年まで生産されたモデルの中でも、最終年に製造された希少な1台となっている。

エンジン

Lot.34 ジャガー 420Gの心臓部は、ジャガーの名高い4.2L直列6気筒DOHCエンジン(XKエンジン)が搭載されている。

このエンジンは、ジャガーのモータースポーツ遺産を反映しつつ、ラグジュアリーサルーンとしての快適さを追求した設計が特徴。

最高出力は約245PS(グロス値、ネット値では約197PSと推定)を5,500rpmで発揮し、最大トルクは約384N•mを3,750rpmで発生。排気量は4,235cc、ボア×ストローク92.07mm×106mmで、圧縮比は8.1:1(オプションで9:1も選択可能)。

ツインオーバーヘッドカムシャフト(DOHC)と3基のSUキャブレターが採用され、滑らかなパワーデリバリーを実現。

鋳鉄製ブロックとアルミ製ヘッドが組み合わされ、耐久性と軽量化を両立。ドライサンプ潤滑システムは搭載されていないが、冷却性能を高める設計が施されている。

0~100km/h加速は約9秒、最高速度は約195km/h。当時のラグジュアリーサルーンとしては十分な性能であり、長距離クルージングでの快適性が際立つ。

エクステリア

全長約4,876mm、全幅約1,930mm、高さ約1,397mmの堂々たるボディは、スチール製モノコック構造。車両重量は約1,800kgと重厚で、4ドアサルーンとしての実用性を確保。

Mark Xからの変更点として、ボディサイドにクロームストリップが追加され、視覚的なエレガンスさが増している。

•フロントデザイン

1970 Jaguar 420G

伝統的なグリルが特徴で、420Gではグリルのデザインが一新され、より洗練された印象になった。

丸型4灯ヘッドライトが威厳を放ち、クロームバンパーがクラシックな雰囲気を強調している。

•サイドデザイン

長いホイールベース(約2,913mm)と流麗なサイドラインが、優雅なプロポーションを形成。クロームストリップがボディサイドを走り、洗練されたデザインを際立たせる。15インチスチールホイール(クロームキャップ付き)が標準装備され、クラシックな雰囲気を保つ。

•リアデザイン

テールライトは縦長デザインで、クロームトリムが施され、ラグジュアリー感を強調。

1970 Jaguar 420G

リアバンパーもクローム仕上げで、シングルエキゾーストが控えめに配置。Mark Xから引き継がれた大型トランクは、長距離旅行に適した容量を提供する。

まとめ

ジャガー 420Gは、245PSの4.2L直6エンジンと、威厳と優雅さを兼ね備えたエクステリアで、1960年代のラグジュアリーサルーン史に名を刻んだ名車となる。

生産終了から55年経った今も、その滑らかなパワーデリバリーとクラシックなデザインは、クラシックカー愛好家の心を掴み、英国車の黄金時代を体現する貴重な存在で現代のクルマにはない、ゆったりとした時の流れを感じさせる一台。

全長×全幅×全高4,876mm × 1,930mm × 1,397mm
車両重量1,800kg(乾燥重量)
エンジン型式XK6
最高出力245PS
最大トルク384N・m
エンジン種類直列6気筒DOHC 4.2L
総排気量4,235cc
トランスミッション4速マニュアル・トランスミッション(オプションで3速オートマチック)

落札結果と傾向

オークションの結果、34ロット中10台の車両が落札された。以下、落札された車両を高額順にまとめた表になる。

落札車両 高額順表
2025年5月10日 APITオークション 落札車両 高額順表
ロット番号 車両名 落札価格 (円)
Lot 22 1972 Nissan Fairlady Z432R ¥55,500,000
Lot 27 2002 Porsche 996 GT3RS ¥23,310,000
Lot 21 1972 Nissan Fairlady 240ZG ¥22,644,000
Lot 25 1967 Shelby American GT350 ¥15,540,000
Lot 10 1973 Mazda Savanna GT [RX-3 / S124A] ¥11,100,000
Lot 19 1990 Nissan Skyline GT-R [BNR32] ¥5,106,000
Lot 14 1970 Toyota Crown Hardtop [MS51] ¥4,440,000
Lot 12 2003 mono craft GT-300 [Toyota MR-S] ¥3,552,000
Lot 8 1962 Ford Galaxie 500XL Convertible ¥2,775,000
Lot 28 Daihatsu Charade [1981 Rallye Automobile Monte-Carlo #63] ¥277,500

全体的に、希少性の高い日本車(JDM)が強い人気を示している。

特にフェアレディZ432Rの高額落札は、JDM市場の活況を象徴する結果となった。

一方で、Ferrari 512BBi(Lot.17)やShelby Daytona Coupe(Lot.24)など、高額な予想価格が設定された一部の輸入車は落札に至らず、市場の需要がJDM寄りに傾いているのが分かる。

オークションの意義と今後の展望

ビンゴスポーツの「Collectible Auction」は、単なるオークションにとどまらず、自動車文化を広めるイベントとしての役割も果たしている。

今回のオークションでは、JDMの人気の高さが改めて確認され、特にFairlady Z432Rのような希少車が高額で落札されたことは、市場の活況を示す良い指標となった。

一方で、欧米車の一部が落札されなかったことは、今後のオークション戦略に影響を与えるかもしれない。

ビンゴスポーツは、透明性と公正さを重視しており、今後も多様な車両を出品することで、幅広い層のコレクターに素晴らしい車両を届けるに違いない。

次回のオークションは、2025年11月16日~17日に同じくA PIT AUTOBACS SHINONOMEで開催される予定。出品予定には、RX-7(FD)やランサーエボリューション、シルビア、Z32など、90年代の名車が含まれているとのことで、さらなる盛り上がりが期待される。

出典:1972 Nissan Fairlady Z432R | BINGO Co.,Ltd.

出典:1963 Jaguar E-type 3.8 Liter Competition Coupe | BINGO Co.,Ltd.

出典:2002 Porsche 996 GT3RS | BINGO Co.,Ltd.

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Yuu
現在30歳の男性。フォルクスワーゲンのプロショップでフロントスタッフをしています。 アストンマーティンDB9、マセラティ グラントゥーリズモを所有していました。 現在はメルセデスベンツ Cクラスに乗っています。 いかに安く維持するか日々節約との勝負でその奮闘記やちょっとした整備や雑談を紹介したいと思っています。

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