エンジンが掛かりにくい??ティグアンとゴルフはスタート&ストップボタンの反応が悪くなる。。。
いよいよ今年も残り僅か
毎年恒例ではあるが、12月は仕事納めという事もあり非常に入庫数が多く忙しくなる。
有難い事に私達のショップに多くの入庫をいただいているが、30日までの仕事納めまで定休日を入れて残り6日間…嫌いな残業も増えてきてるが、何とか踏ん張っていこうと気合を入れている最中である。
エンジンが掛からなくてイライラする。
今回スタート&ストップボタンの反応の悪さについては時々お客様に言われる症状である。
「エンジンの調子は良いんだけど、そもそもエンジンを始動させる事が出来ない」
と、言われて入庫する車両の殆どがゴルフ7かティグアン(AD)になる。
以下が実際の症状発生車両の動画になる。
入庫する70〜80%はスタート&ストップボタンの不良ではあるが、他の原因による可能性もあるので注意していただきたい。
またディーラーやその他ショップは本体交換で終わってしまう可能性が高い。
部品代と工賃は大体この様になる。
・スタート&ストップボタン 14,000円 5NC 959 839 A 3Q7
・スタート&ストップボタン交換 2,800円
・ゴルフ7の場合は、8,000円
計 16,800円~24,000
私達は分解修理で対処しているので今から紹介していく。
スタート&ストップの分解作業に必要な工具は以下になる。
・精密マイナスドライバー
・トルクス T20
・Lピック
・接点復活剤
・綿棒
これらを合わせても、3,000円程度しか掛からないので全て揃えて欲しい。
ティグアン スタート&ストップボタン脱着
※必ずIG(イグニッション)オフの状態で作業する。
最初はティグアンのスタート&ストップを取り外す方法になる。
こちらは比較的簡単に早く終わるので、是非やってみて欲しい。
なるべく先端が細い内張剥がしを使用し、シフトレバーカバーを外していく。
※この時メッキフレームの内側に入れないように注意する。
シフトカバーが外れたらT20のトルクスビスを2本取り外す。
写真のように持ち上げても簡単に取れてしまうが、固い場合は丸印で囲った付近を内張剥がしをシフトフレームとセンターパネル間に入れて上に持ち上げるように外していく。
シフトフレーム裏にスタート&ストップボタンのコネクタがあるので外していく。
※コネクタは外しづらいので、Lピックかマイナスドライバーを使うと良い。
片手でスマホを持ち写真を撮っていたので不恰好になってしまったが、下から押してスタート&ストップボタンを押し外す。
※勢いよくスタート&ストップボタンが飛び出す可能性があるので、片手で押し、もう片方の手でスタート&ストップボタンを飛び出さないように軽く手を被せておく。
外した際にピンが取れる場合もあるが、
問題ないので安心して欲しい。必ず無くさない様に注意する。
スタート&ストップボタンが外れたら分解していく。
ラベルの下にツメがあるのでラベルを剥がし、慎重に4箇所のツメを起こしてロックを解除する。
ロックが解除すると、4個の構成部品がバラバラになりやすくなるので、組み付け不良を起こさない為に順番と角度に気をつける。
分解後、清掃していくのはシリコン製の柔らかいタッチパッド部品と緑色基盤の部品である。
シリコン製のタッチパッドの青い部分を清掃していく。
※こちらに接点復活剤を直接塗布するのは溶かしてしまう可能性があるので、綿棒にパーツクリーナーやアルコール消毒液を含ませて青い部分の4箇所を優しく清掃していく。
次に緑色の基盤の方には、接点復活剤を綿棒に吹きかけ丸い黄色の4箇所を同様に清掃していく。
上記の清掃が終わったら、再び元の状態に組み付けて作業は終了となる。
おおよそ20分程度くらいで終わるので試してみてほしい。
ゴルフ7 スタート&ストップ 脱着
次にゴルフ7となる。
ティグアンに比べてやや工程が多いので1工程ずつ紹介していく。
※必ずIGオフで作業する。
最初はエアコンパネルを外していく。
写真は撮影の為に片手になってしまっているが、両手でパネルの下部を持ち手前に外していく。
外して終えたらトルクスビス T20を2本外し、サイドトリムを外していくが、非常に固いので両手で押すように外していく。
次にシフトフレームを取り外す。
※ゴルフ7のリコールにシフトフレームカバーのメッキ部の交換があるのだが、リコール未実施でシフトフレームのメッキ部が剥がれてた場合はシフトフレームを外す際に怪我の要因となるので、作業を中断しリコールを受けてから本作業をしていただきたい。
シフトフレームはやや硬いので、手で外れない場合はティグアン同様にメッキフレームの外側に内張剥がしを用いて上側に持ち上げて外し、シフトカバーに取り付いているコネクタを外す。
シフトフレームを外し終えたら、シフトメカニズムの黄色のレバーを押しながらシフトレバーをDレンジに合わせる。
※運転ドアを開けておくと「Pポジションに入れてください」とアナウンスが流れてしまうのでドアを閉めておく。
エアコンスイッチ下部の小物入れを外すので、滑り止めシートを外した後は写真の様にLピックを差し込んで手前に引き抜く。
(かなり固いので取れない場合は差し込む場所を変える)
引き抜くと左側にコネクタが見える。
ピンが非常に固いのでLピックを使ってピンを押して外す。
センターコンソールボックスを外すので、
写真の様に上側にテンションを掛けながら、コンソールボックス下部付近の両端にツメがあるのでLピックを使ってツメを起こしコンソールボックスを持ち上げシフトカバーが邪魔になるので角度を変えてくぐらせ、コンソールボックスを外していく。
※外す際にアイドリングストップのコネクタが干渉するので、こちらも外しておく。
コンソールボックスの裏側にパーキングボタンのコネクタがあるが、これはエラーが入力するのを避ける為に外す必要はない。
スタート&ストップボタンのコネクタを外して裏から手で押して外していく。
ティグアンと同じ要領でスタート&ストップボタンを分解し再度コンソールボックスに取り付ける。
※後は取り外した逆の手順で取り付けていくのだが、シフトフレームとアイドリングストップのコネクタ形状が同じなので間違えて差し込まない様に注意する。布テープで巻かれている方がアイドリングストップ、チューブに入っている方がシフトフレームのコネクタである。
以上がゴルフ7 の作業となり、ティグアンより工程が多いが手順を間違えなければ問題なく作業出来る。
今回の分解清掃作業でエンジン始動が解決出来た場合は10,000~20,000円は節約できるので困っている人がいたら是非チャレンジして欲しい。
(場合によっては本体不良の可能性があるので、検討の上で作業して欲しい)
※作業は自己責任でお願い致します。
何か作業に困った事があれば、コメント欄にて対応します。