最近全く見なくなったゴルフ5 R32を試乗!現代のフォルクスワーゲンでは味わえない魅力的なV6サウンドに歓喜。
もう少しで20年
フォルクスワーゲンの中でも根強い人気を誇っているのが、ゴルフ5 R32である。
正規ディーラーであっても目にする機会は殆ど無くなり、私が働いているショップでは2人のお客様が現在も長い間乗られている。
数年前には左ハンドルのMTの個体に乗っていたお客様がいたのだが、ハルデックスカップリング本体が故障しそのままゴルフ7.5Rへと乗り換えてしまった。
今回試乗させてもらったのが、デュアルクラッチが搭載されているDSGモデルとなったがMTと比べても遜色ないくらいに楽しくV6のエンジンサウンドは正に快音であった。
ゴルフ5 R32は2006年の2月25日に発表され当時では左ハンドルも正規輸入していた為、左ハンドル3ドアモデルのMTと右ハンドル5ドアモデルのDSGでのラインナップとなっていた。
価格は3ドアが約420万円、5ドアが約440万円と現在のポロとほぼ変わらない値段でゴルフの最上級モデルを購入することができた。
以下ゴルフ5 R32の諸元表となる。
全長×全幅×全高 | 4,250×1,760×1,505mm |
車両重量 | 1,540kg |
エンジン型式 | BUB |
最高出力 | 250PS |
最大トルク | 320N・m |
エンジン種類 | V型6気筒DOHC24バルブ |
総排気量 | 3,188cc |
トランスミッション | 6速 DSG |
R32に搭載されているエンジンはフォルクスワーゲンのエンジンの中でも特に名機とされているVR6が積まれている。
ゴルフ1からLupo、最新ではゴルフ7まで幅広くスワップされているVR6は回転数が3000rpm付近に達すると320N・mの安定したトルクを発揮し快音をマフラーから響かせる。
3.2L V6エンジンから放たれたパワーはトラクションの向上と安全性の向上を目的としたフォルクスワーゲンの6速のDSGトランスミッションを介し4MOTION システムよって4 輪すべてに分配される。
ゴルフ5世代からDSGと呼ばれるデュアルクラッチが誕生し R32にも積まれたが、この6速DSGにやや癖がありゴルフ6 GTIやゴルフ7 GTIも同じ6速であるが個体によってはATモード時にはギヤの変速にもたつくような場面を感じる事があり、まだ入社したての頃に中古車保証等で6速のメカトロニクスを何台も交換した事を思い出した。
(パドルシフトで変速してしまえば問題は解決するのだか…)
またこのR32はドライブシャフトブーツやタイロッドエンドブーツ、スタビリンク、ロアアームブッシュなどのゴムブッシュ類が劣化しお金が掛かる場面があるが、エンジン単体では非常に優秀で特に大きな故障で入庫したことが1度もない。
エンジンの故障の中でも、水温センサーのOリングが交換が特に多いが料金は2~3万円程度なので安心していただきたい。
しかしハルデックスカップリングのECUが故障したのとハルデックスカップリングとリアデフの内部ギヤ バックラッシュ過大によってアッセンブリー交換した車両もあったので、こちらはR32に乗る上で覚悟しなければならない。
簡単に故障について話をしたが、次回以降に R32の整備について詳しく紹介していく。
フロントからデザインを確認していく。
基本的なデザインはゴルフGTIやジェッタと変わらないがフォグバルブが廃止されエアインテークがフォググリルとして新たに追加されている。
パッと見では本当に他のモデルと見分けがつかないがフロントグリルがクローム加工されていることに注目して欲しい。
このクローム加工のグリルだか過去に1人だけ飛び石跡が酷く交換したいというお客様がいて、値段は部品単体で13万円となっていた。。。
(現在は生産終了していた)
サイドは特に変更はないがノーマルのゴルフ5より20mm程ローダウンされホイールは18インチに変更しサイドスカートも取り付けられているが、注目はブレーキだ。
ブレーキはフロント345mm、リア310mmとなりトゥアレグの330mmを超えキャリパーは「R」モデルのイメージカラーであるブルーに塗装されている。
リアに移ると、どのモデルよりも特徴的なのがセンターに備えられたマフラーである。
2つのクロームに塗装されたマフラーが3.2L V6エンジンからの排気ガスを調音し脳に刺激を与える。批判されるかもしれないが、私はグラントゥーリズモのエンジン音が与える刺激に近いものを感じた。
また、マフラーを交換したりセンターパイプを交換するだけでも更に良い音色を響かせてくれるのだろうと考えるだけで興奮してしまう。
そのくらいR32には魅力で溢れており、加速感やハンドリング、最高出力はゴルフ7.5やゴルフ8には絶対的な速さがあるが、擬似的に作られた排気音や排ガス規制のせいでサイレンサーが追加されたりと仕方ないのだが物足りなさを感じてしまう。
圧倒的に性能は劣るが感性に訴える何かを求めるのであればこのR32に勝るものはない。
そもそも私がターボチャージャーよりも大排気量を好むので贔屓しているのかもしれないが、、
MTが10万kmオーバーでも200万円の値段を付けているなか、DSGモデルは100~150万円代で購入する事ができる。
大きく値落ちすることもないと思われるDSGモデルを視野に入れてみると、面白いフォルクスワーゲンの世界が待っているかもしれない。