アイドリングストップは必要ない!!車に与えるダメージと燃費について。
カタログ値燃費を出すために作られた機能と思っている
アイドリングストップと聞くと、皆さんはどう思うだろうか。。。
「燃費が良くなる」
「排気ガスが出ないから地球に優しい」
「エンジンが動いてないから車の劣化が少ない」
などなど、色々とメリットは挙げられるが、
アイドリングストップの機能は絶対に使用しない事をオススメする。
私のショップで入庫したお客様には、
アイドリングストップの機能を説明し基本はオフで走行してもらうように案内している。
このアイドリングストップだが、基本的に1度エンジンを切ってしまうとまた機能がオンに戻ってしまう。
ほぼ全車種にエンジンを切った後のメモリー機能がないので何度もアイドリングストップのオフスイッチを押す羽目になる。
そしてこの作業を毎回するのが面倒くさいとお客様から良く相談を受ける。
私のショップではコーディング(ECUのプログラム書き換え)もある程度は出来るので、別途料金をいただいて常時オフにはしている。
またショップには行かずに運転席足元(ゴルフ、ポロ、パサート等)にあるOBD2ポートに挿すだけでコーディングが完了するキットもあるので是非活用してみてほしい。
私は以前乗っていたゴルフ7は新車時からアイドリングストップをオフにしていた。
この機能をオフにするのは出来るだけ早い方が車にはより優しい。
アイドリングストップが何故車に悪影響を与えるのか話していく。
アイドリングストップは信号待ちや渋滞等で車が停車しDレンジになっているのが最初の作動条件である。
次にアイドリングストップはブレーキペダルの踏んでいる量で作動するか、しないかの判断をしている。
私が以前に乗っていたゴルフ7は車体が動かない程度にブレーキペダルを踏めば作動はしないが乾式クラッチが半クラ状態になる可能性がある。
この状態を常にしているとクラッチが摩耗する原因にもあり、ブレーキペダルで作動をコントロールするのは非常にシビアである。
このアイドリングストップ作動に関して非常に優秀だと思ったのがマツダだった。
母親が以前DJ デミオに乗っていたのだが、
基本的にアイドリングストップを作動させる場合にはかなり奥までブレーキペダルを踏まないと作動しないので、ほぼ自由自在にコントロールする事が出来た。
フォルクスワーゲンにも是非見習ってほしいくらいだったが、、、
いつも期待とは裏腹に改悪するのがフォルクスワーゲンである。
最も恐ろしいアイドリングストップ機能を導入してしまった。
それは信号待ちに差し掛かろうと速度を減速してる途中(約7km/h以下)でアイドリングストップを作動させるという制御だった。
この機能の追加で燃費の向上と排出ガスの軽減とあるが、
実際にこの機能が付いているトゥーランやパサートで体感し、本当に迷惑な機能であり非常に乗っていて気持ち悪い。
この機能はエンジンを痛めてしまうシチュエーションがある。
車両前方の信号が赤でドライバーがブレーキを踏みながら減速している。
車両がアイドリングストップを作動しようとエンジン回転数を落とし停車しようとした瞬間に信号が青に変わった。
ブレーキを直ぐ戻し素早くアクセルペダルを踏んだ時にエンジンがエンストしないように回転数をあげるのだが、この瞬間にエンジンバランスが崩れたような挙動が発生する。
この時エンジン内部では燃料と空気の混合気が上手く出来ずに不完全燃焼の原因となってカーボンスラッジという「すす」が生成される。
カーボンスラッジとはエンジンにとって川底のヘドロように邪魔な存在である。
この機能が搭載しているかも?
と、感じたオーナー様は明日からでもアイドリングストップをオフにして走行するか、
直ちにキャンセラーを購入してほしい。
まだまだ終わらない。地獄のダブルセット
地獄のダブルセットがある。
それがアイドリングストップとオートホールドの組み合わせだ。
オートホールドとは、
信号待ちで自動でブレーキが掛かっている状態であり、
ブレーキペダルを離しても車体が動かず常にブレーキペダルを踏んでいなくても大丈夫な機能である。
この機能は湿式クラッチやCVT、7速ATなどの車両は便利なので是非使ってもらいたい。
しかし問題なのが乾式クラッチの搭載車両だ。
このダブルセットは天敵とも言って良いくらいにクラッチを摩耗させる原因である。
「クラッチが『バンっ!!』と急激に繋がってしまう。」
と、お客様から非常に多くのご依頼を受ける。
そこで問診すると大体4~5割くらいの確率でアイドリングストップとオートホールドの地獄のダブルセットを使用している。
何が問題なのか説明すると、
アクセルワークが速過ぎてクラッチが急に繋がってしまうのがこの現象の原因である。
オートホールド ON、アイドリングストップ 作動中に信号が赤から青に変わってオートホールドを解除するためにアクセルを踏み、
直ぐ発進したいが為にアクセルを多く踏むとクラッチが急激に繋がってしまい、
「バンっ!」とシフトショックが発生する。
(特に国産車からの乗り換えのオーナー様は、CVTトランスミッションに慣れているせいか、信号待ちからのスタートでアクセルペダルを踏み込む量が多い癖が付いてしまっていると私は思う。)
これを改善しないとクラッチの摩耗、フライホイールの劣化に繋がり恐怖の40万円コースになるので要注意だ。
アイドリングストップもオートホールドも使いたいオーナー様への改善方法としては、
常にワンテンポ気持ちを置いてもらう事をお願いしている。
先ずはしっかり前方の状況を確認しつつ、
信号が変わるくらいで、
先ずはアイドリングストップからのエンジンを始動させる為に一度アクセルをポンっと爪先で軽く踏むようにする。
(本当に軽く踏むだけの意識で)
そうするとオートホールドは解除されずに、エンジンが掛かったままでオートホールド状態を保てる。
次に青になったら軽くまた踏んでオートホールドを解除し、ゆっくりアクセルペダルを踏むと滑らかに発進できる。
(後続車が気になると思うが、ここは我慢していただきたい…)
これをするだけでクラッチへの負荷が全く違うので是非試してもらいたい。
アイドリングストップを使用するとバッテリーの劣化も進んでしまう。
国産車に比べ輸入車のバッテリーは非常に高い…
ゴルフ7の純正バッテリーは工賃込みで5万円は超えてくる。
そのバッテリーの交換時期は2年半~3年での交換で推奨している。
フォルクスワーゲンの推奨交換時期は2年となるが、2年毎となると車検と同時期に交換する事になるのでその他消耗品と合わせると20万円は掛かってしまう…
メルセデスやBMWといったブランドであれば納得がいくが、フォルクスワーゲンで毎回20万円の車検となると私は納得がいかない。
であれば、バッテリーをいかに長持ちさせるかが車検費用を抑えられるポイントなる。
その為にも先ずはアイドリングストップをオフにする事が重要である。
車はエンジンを始動する時が最もバッテリー電力を使う。
エンジンの停止、始動を繰り返すアイドリングストップの回数が多ければ多いほどバッテリー電圧が低下してしまう。
常にオルタネーターがバッテリーの充電しているが、バッテリーが電圧が低下した場合は充電圧を高める制御に移る。
このバッテリーの電圧値を下げずに、放電と充電の回数を減らす事がバッテリーの保護に繋がり寿命が伸びる。
アイドリングストップは何秒くらい経てば燃費を稼げるか?
車両の機能として導入されているアイドリングストップを活用したいという声もあると思う。
では、どうすれば燃費も稼げて地球の為に無駄な排気ガスを出さないようにすれば良いのか考えていきたい。
先程も説明したが、
重要なのがブレーキペダルを微調整できるペダルワークが必要になる。
マツダ等であれば簡単にペダル操作で調整出来るのだが、フォルクスワーゲンだと難しくなる。
回転数が850rpm付近でブレーキペダルをどれくらいの量を踏むと、
アイドリングストップが作動するのか足で覚える事が大切である。
ここで1000rpm以上で信号待ちをしている状態は半クラッチになってしまっている。
ブレーキペダルの踏み込みが甘過ぎる為にクラッチが摩耗してしまうので注意が必要である。
アイドリング時にアイドリングストップを作動させる境界線を見つければ、燃費改善、地球保護に繋がると私は思う。
そして信号待ちでは20秒以上待ちそうな時に使用するのがベストである。
エンジン始動時に最も燃料を多く吹くので、
アイドリングストップが20秒以下の場合は燃費は悪化する。
またカーボンスラッジも生成し易くエンジンに汚れが溜まるので注意が必要である。
フォルクスワーゲンやアウディ、ポルシェ、メルセデスベンツや私が乗っているエクリプスクロスなど、今では殆どの新車にアイドリングストップが搭載されている。
しかし、ダイハツやトヨタは少しずつ廃止の方向に動いているようだ。
やはりカタログ燃費値を出す為だけの機能はいち早く廃止の方向に動いてほしい。
これからも私は引き続き、
「アイドリングストップは必ずオフで!」
を広めていきたいと思う。
23年モデルのgolf8Activeに乗るものです。
ご承知のように、この車にはコースティングという機能があり赤信号等で減速する際にエンジンが止まります。しかし、アイドリングストップ機能をOFFにしていると完全停止した際にエンジンがかかるという矛盾した現象が起こります。車への負担軽減のためこれを回避したいのですが、何か方法はあるのでしょうか。
hi様 コメントありがとうございます。
ご紹介いただいた症状は初めて知りました。
明日ショップが所有しているゴルフ8で確認してみますので、もう暫くお待ちいただけると助かります、、
ありがとうございます。
よろしくお願いします。
こんばんは。
本日、同じ2023年式のゴルフ8 アクティブにて試乗をしました。
hi様に教えていただいた症状がショップの車両でも確認できました。
ここで対応策は…と言いたい所なのですが、
診断機にてコースティングモードの制御を変える事は出来ませんでした。
信号待ちに差し掛かりコースティングモードでエンジン オフ、完全停止後の数秒までコースティングモードの制御であり、そこからアイドリングストップの制御となり順番で制御しているのでアイドリングストップをオフにしてもコースティングモードでのエンジンオフは出来ないようです。
なので私の意見として、アイドリングストップはオフにせずにそのままオン状態で使っていただいた方が車両には良いと思います。(エンジンを掛ける回数が増えてしまうので)
電気的負荷やエンジン負荷が気になってしまうのは、私も同じ思いであります。
しかしゴルフ8からはスターターオルターネーターが取り付けられているので通常のガソリン車より機械的な負荷は少なくなっています。
またゴルフ8が出て2年程経ちますが、アクティブのエンジンについては不具合車両は出てきてないので車両の信頼性も高いと思います。
今回解決策をご紹介出来ずに申し訳ありません。
また何かお困りでしたら、コメントいただけると幸いです。
わざわざご確認頂きありがとうございます。
ということは、このモデルにおいてはメーカー推奨のとおりアイドリングストップ機能は活用するのが現時点では良いようですね。また何か気になることかあれば、ご質問させて下さい。本blog、非常に素晴らしい内容で有難く参考にさせて頂いております。今後も応援しておりますので頑張って下さい!
おはようございます。
私のショップではGTI、R、TDIに関してはアイドリングストップを使用しない事をオススメしております。
またhi様のゴルフ8アクティブはアイドリングストップをご使用していただく事を推奨致します。
使用する事で燃費の向上、バッテリー負荷の軽減にも繋がると思いますので、是非ご活用ください。
そして当ブログに「素晴らしい内容」というお言葉をいただきありがとうございます。。。
日々のブログ更新の活力になります!!!
今後もフォルクスワーゲンのちょっとした整備内容を紹介していくので、またブログを覗いていただけると幸いです。
アドバイスありがとうございます。然し乍ら、やはりアイドリングストップ好きになれないので、少し対応を考えてみました。
停車が予測される際にシフトダウンすれば、コースティングは機能せず、そのまま減速しブレーキを踏めば、アイドリングストップをOFFにしていてもエンジンを止めることなく停車できます。(減速タイミングによってはコースティングとなり停車の際にエンジンがかかることもあります)
だだし、信号や渋滞、右折待ち等でシフトダウン多発となる為、これはこれで車にストレスを与える可能性もあるのではと不安はありますが…
少し面倒ではありますが、この方法なら停車時のエンジンのON/OFF回数を減らし、負担を軽減できるのではと思っています。
hi様
引き続きコメントありがとうございます。
今後の為に参考にしたいので、ご質問させていただきます。
「停車が予測される際にシフトダウン」とありますがこちらはパドルシフトでのシフトダウンになりますでしょうか?
明日以降に私も実施したいのと思っているので、ご教授お願い致します。
※シフトダウンが多い事で多少のメカトロニクス(変速機)への負荷は増えると思いますがメカトロニクスもゴルフ7時代の物と比べ改良型が取付けられているので負荷はそこまで考えなくても良いと思います。
正確にはゴルフ7.5からメカトロニクスが改良されており、不具合は私のショップでは殆ど見た事ないです。
そうです、パドルシフトでのシフトダウンです。
またまた試して頂けるとは嬉しいです。
よろしくお願いします!
こんにちは。
本日2022年式 ゴルフ8 ヴァリアント アクティブにてhi様に教えていただいた方法を試してみたのですが、見事にコースティングモードでエンジンOFFにならずアイドリングストップもオフの状態を維持する事が出来ました。
シフトダウンのタイミングによっては気持ち良く上記の状態になる事ができますが、シフトダウンの回数も増えてしまうので、今後もう少し試乗を重ねて他のお客様にもご案内できるか考えてみます。
今回はわざわざ教えていただき、誠にありがとうございました。
わざわざご確認頂きありがとうございました。
街中ではシフトダウンが増えるので、車への負荷はともかく面倒ではありますね。また新たなネタがあれば、よろしくお願いします。