ポルシェのマカンに試乗してきた!ベースグレードの2.0Lエンジンは意外に相性が良かった ??
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久しぶりのポルシェ
マカンのステアリングを握る機会があった。乗ったのはベースグレードの2.0L直列4気筒ターボモデルになる。
正直に言うと、乗る前は「ポルシェで2.0Lの4気筒」という組み合わせに期待していなかった。ところが走り出してみると、車重が1,950kgあるとは思えないほどキビキビ走る。本当に2.0Lなのかと疑うレベルだった。
この記事では、ティグアンとのサイズ差、アウディと共有している部分、そして整備士として中古で見るなら気になる点をまとめておく。
ポルシェ マカン(ベースグレード)
全長×全幅×全高
4,726×1,922×1,621mm
車両重量
1,950kg
エンジン
1,984cc 直列4気筒ターボ
最高出力
265PS
最大トルク
400N・m
トランスミッション
7速PDK (デュアルクラッチ)
駆動方式
PTMによるフルタイム4WD
タイヤ
フロント 265/45 R20
まず面食らったのは車幅だった
| 車種 | 全幅 |
|---|---|
| ポルシェ マカン | 1,922mm |
| 同年代のティグアン | 1,840mm |
※年式・仕様によって数値は異なる。実際の車両で確認してほしい。
数字にすると8cm程度の差だが、運転席に座ると印象はかなり違う。ドアミラーも大きいので車幅の感覚が掴めず、最初は車線からはみ出すのではないかと戸惑った。
それがすぐに慣れてしまうのは、ポルシェマジックとでも言うべきか。車幅感覚が掴みやすい理由を挙げるなら、車高が他のSUVより低く、着座位置もスポーツカーに近いことが大きいと思う。
ちなみに、車幅は私がかつて所有していたグラントゥーリズモとほぼ同じだった。
インテリアはドイツ車らしく遊び心という概念が無く機能性に優れ、スイッチが適材適所に配置されている。車高も他のSUVよりは低くスポーツカーに近い印象だ。
インテリアはVWに近い質感だった
インテリアはドイツ車らしく、遊び心という概念がない。その代わり機能性に優れていて、スイッチが適材適所に配置されている。
ワンランク上のカイエンと比べると、エアコンパネルの装飾やウッドパネルは使われておらず、慣れ親しんだフォルクスワーゲンに近い質感だと私は感じた。ポルシェだからといって、内装全体が別世界というわけではない。
一方で、ステアリングとセンターパネルは非常に洗練されている。ここはフォルクスワーゲンには全く無い要素だ。シートはハーフレザーで座り心地が良く、長時間乗っていても問題を感じなかった。
余談だが、私はゴルフ7ハイラインのシートが気に入っている。適度に身体をホールドしつつ、背もたれが硬すぎず柔らかすぎない。バランスの取れた素晴らしいシートだと思う。
アウディと共有しているもの、ポルシェ独自のもの
ボンネットを開けると、昨日も見たであろうエンジンが縦置きで積んであった。マカンはアウディQ5とプラットフォームやパワートレインを共有しているので、当然といえば当然になる。

ただし「中身はQ5そのもの」と言い切れるほど単純でもない。整理すると次のようになる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プラットフォーム | アウディ Q5などと共通の縦置きレイアウト |
| エンジン | 2.0L直列4気筒ターボ。基本はグループ内で共有される |
| 出力 | マカンでは265PS/400N・mに設定されている |
| 車両重量 | 1,950kg。同世代のQ5より重い |
| トランスミッション | 7速PDK。ポルシェ独自のデュアルクラッチになる |
| 駆動 | PTMによるフルタイム4WD |
| 足まわり・味付け | 乗ってみると別物。ここがポルシェの領分だと感じた |
同じエンジンでも、車両重量が増えたぶん出力を引き上げてある。同じ素材を使っていても、仕立て方で別の車になるということだと思う。
グレード名と排気量を混同しないでほしい
2.0L直4ターボを積むのはベースグレードの「マカン」になる。 「マカンS」はV6ツインターボで、排気量も出力も別物だ。
中古車を見ていると、グレード表記と実際の仕様が噛み合っていない掲載を見かけることがある。 年式によって出力や装備も変わるので、気になる個体があれば車検証と仕様を必ず確認してほしい。
走らせてみると、予想以上にキビキビ動いた
ライトスイッチ横のイグニッションキーを回すと、お馴染みのエンジン音が車内に流れる。
走り出してみて驚いた。車重が重いにもかかわらず、想像以上にキビキビ動く。最初は本当に2.0Lなのかと疑ったほどだ。ティグアンにも2.0Lエンジンが積まれているが、マカンにはそれ以上の排気量を感じさせる何かがあった。
運転に慣れてくると、その正体が分かってきた。ハンドルが軽く、非常に良く曲がる。4気筒でエンジンそのものが軽いぶん、車両全体が前へ前へと進んでいく感覚があった。
加速そのものより、鼻先の軽さが「速い」という印象を作っていたのだと思う。
逆に言えば、V6モデルと違ってフロントに重量が無いので、ステアリング操作に過敏に反応する。ずっしりとした安定感という点では、やや物足りなさを感じた。
ただし7速PDKの変速は滑らかで、瞬時に決まる。2.0Lエンジンとの相性はバッチリだった。ここはさすがポルシェと言うほかない。
2.0LとV6、どちらを選ぶか
ワーゲンのショップ店員が言っても説得力は無いのだが、個人的には2.0LモデルならティグアンRの方が安定していると思ってしまった。

フォルクスワーゲンでは2.0Lがフラッグシップに採用されるエンジンであり、それを前提にボディ設計やエンジンチューンがされているからではないかと予想している。
マカンにとっての2.0Lは、あくまで入口のエンジンになる。
そう考えると、マカンが持つポテンシャルを最大限に引き出せるのはV6ツインターボの方だと思う。フロントに重さがあるからこそ生まれる安定感は、この車のキャラクターに合っている。
| こういう人には | 向いていると思うグレード |
|---|---|
| 初めてのポルシェ | 2.0Lのベースグレード。価格も維持費も現実的な範囲に収まる |
| 街乗りと通勤が中心 | 2.0L。鼻先が軽く、取り回しの印象も軽い |
| 高速巡航が多い | V6。フロントの重さが安定感につながる |
| ポルシェらしさを求める | V6ツインターボ。この車の本領はこちらだと思う |
※あくまで私が試乗して感じた印象になる。実際に両方乗り比べてほしい。
整備士として、中古で狙うなら見ておきたいところ
普段乗りで使うぶんには、税金も燃費もそこそこで維持費はそこまで掛からない。問題は、壊れたときの金額になる。
直すとなると金額が跳ね上がる箇所
トランスファー。 初期型マカンでは、加速時の振動やジャダーの原因としてトランスファーの不具合事例がある。 PDKの異常と似た症状が出ることもあるため、試乗では低速域から加速したときの振動や引っ掛かりを確認しておきたい。
水まわり・オイル漏れ。 ウォーターポンプなど冷却系からの漏れに加え、V6ではタイミングチェーンカバー周辺からのオイル漏れにも注意したい。 購入前にエンジンルームだけでなく、下回りまで漏れ跡がないか確認しておきたい。
ブレーキの摩耗。 ブレーキパッドだけでなく、ローターまで交換時期に達していると費用は一気に上がる。 購入直後にブレーキパッドやブレーキローターの交換が重なり、数十万円規模の整備費が必要になる可能性もある。 パッド残量だけでなく、ローターの摩耗や段付きも確認してほしい。
ちなみに今回の試乗車は、ヘッドライトにクラックが入っていた。 ライトの曇りやひび割れは走行性能に直結しないぶん見落とされやすいが、交換となれば安い部品ではない。 中古車を見るときは点灯確認だけでなく、レンズの状態まで見てほしい。
タチバナのひとりごと
ボンネットを開けて見慣れたエンジンが出てきたときは、少し笑ってしまった。 普段さんざん触っているものが、ポルシェのエンブレムの下に収まっている。
それでも走らせると別の車になっている。 エンジンだけで車の性格が決まるわけではない、と改めて思わされた。
まとめ
- ✓ 全幅1,922mm。同年代のティグアン(1,840mm)より広く、最初は車幅に戸惑った
- ✓ インテリアの質感は、カイエンよりフォルクスワーゲンに近いと感じた
- ✓ プラットフォームとエンジンはアウディQ5と共有。ボンネットを開けると見慣れた顔が出てくる
- ✓ 1,950kgあるのにキビキビ動く。その正体は加速ではなく鼻先の軽さとハンドリングだった
- ✓ 7速PDKの変速は滑らかで、2.0Lとの相性は良い
- ✓ 安定感を求めるならV6。この車の本領はそちらにあると思う
- ✓ PDKやトランスファー、水まわりが壊れると修理費は跳ね上がる
ベースグレードなら、中古で200~400万円という価格帯に収まる個体もある。初めてのポルシェの入口として、選択肢の1つに入れてみてはどうだろうか。

