人生で一度は見たかったケーニグセグ CCXを見にBINGO SPORTS 東京ショールームへ行ってきた。
世の中にはハイパーカーを購入できる層がいる。
ハイパーカー…極僅かな一握りの人しか手に入れる事が出来ない究極の自動車。
そんなイメージが強く私の人生の中では縁もゆかりも無いが、
学生の頃トップギアで紹介された時から現車を見てみたと長い間思っていた。
そのケーニグセグCCXが展示されているという事をSNSで知り、遂に見に行く事が出来た。
先ず展示されているBINGO SPORTS 東京ショールームとは、世界の超希少なモデルを取り扱っており、車の売買からメンテナンス、板金塗装、更に正規代理店契約をケーニグセグとパガーニと結んでおり、国内唯一のパガーニの正規ディーラーを営んでいる。
「上質なサービス」をワンストップで提供する事を根幹としており、ビンゴスポーツが取り扱っている車種は、どの自動車販売店よりも飛び抜けてランクが高い。
ホームページを少し散策するとハイパーカーは勿論のこと、歴代の旧車、レーシングカー、コレクションカーなどほぼほぼ網羅していると言っても過言ではない。
ざっと紹介すると、
現在はマクラーレン P1
フェラーリ 365GTB/4 デイトナスパイダー,
F40 新車(どういう事だ?笑),レクサス LFA ニュルブルクリンク•パッケージ等が販売されている。
これらはほんの一部にしか過ぎず、ビンゴスポーツには普段目にする事が出来ない貴重な車を多くストックしている。
私は高級ディーラー等に入るのに躊躇し入店を断念したり、行く事すら諦めたりするケースがある。しかし今回はそれ以上に敷居が高そうなハイパーカーを取り扱っているショールームに行こうとしているのも些かどうかしているかと私自身思っていた。
というのもInstagramやGoogleマップでは一般の方でも見学が可能のような気がしたので(あくまで個人的な見解)、入店を拒否されたらそのまま東京散策して帰ろうと思いながらショールームへ向かった。
ビンゴスポーツまでの行き方は非常に簡単で、東京メトロの溜池山王駅に到着した後、7番出口に出た後に突き進めば到着する。
山王パークタワーの隣に大きな広場があり、そこに大きく「Bingo Sports」のブランドロゴのオブジェが立っているショールームが見えた。
いよいよ入ろうと決心したら先客がおり、私より5歳~7歳くらい年下だろうか?若いカップルがスマホでショールーム内の車を撮っていた。
もしかしたら、お得意様の社長の息子や娘の可能性もあるので見た目の先入観で判断してはいけない。
半身半疑ながらもショールームに入ったが、とりあえず入っても問題無さそうだったが油断は出来ない。
速攻で門前払いされる前に私自身から先手を打ってスタッフ女性に、
「お邪魔でなければ写真を撮らせていただいても良いですか?」
と声を掛けたら「ご自由にお撮りください」と許可をいただいた。
周りには億を超えるスーパーカーとハイパーカーが前も後ろにも展示してあるので、傷はおろかボディに触れないように細心の注意を払いつつカメラのシャッターを一心不乱に切った。
前置きが随分長くなってしまったが、
ケーニグセグCCX及びレクサスLFA ニュルブルクリンク•パッケージの2台を今回紹介していく。
Koenigsegg CC Prototype
ケーニグセグの成り立ちについて説明すると、22歳という若い青年のクリスチャン・フォン・ケーニグセグが世界最高クラスのスポーツカーを生み出す目的として1994年8月12日にスウェーデンに「ケーニグセグ・オートモーティブ」を設立した。
その2年後の1996年にはKoenigsegg CC Prototypeを発表した。F40やマクラーレンF1からインスピレーション受けその2台を越える為のケーニグセグであり、
このCCから現在まで継承されているケーニグセグの代名詞である縦に開くドア「ディヘドラルドア」が初採用された。
このCCには当初アウディ製の4.2リッターV8エンジンを搭載する予定だったが、クリスチャン・フォン・ケーニグセグが CCには更にパワーが必要と判断した為、V12エンジンを乗せる案もあったが最終的にフォード製の4.6L スーパーチャージャー付きV8エンジンが搭載された。
Koenigsegg CC8S
その後、後継に当たるケーニグセグ CC8Sが製造されこの先のボディデザインの起点となったモデルになる。
初の市販モデルとなり、ケーニグセグが設立されてから8年後の2002年から2003年までの間に6台生産された。
6台という数は少ないと思われるが、1台に掛かる生産コストと時間が莫大に掛かる為に最も希少なケーニグセグの1つとなった。
CC8Sの試作車は2000年のパリオートショーで発表され、ここでファーストオーダーが行われている。
このCC8Sは最も強力な量産型エンジンの「ギネス世界記録」やドイツの「レッド・ドット」とスウェーデンの「ウトメルクト・スベンスク・フォーム」の両方からの優れたデザイン賞など、いくつかの賞を受賞した。
また当時はフェラーリ エンツォ 、ポルシェ カレラGT、パガーニ ゾンダといった現在でも語り継がれるスーパーカーが多く生み出された時代であるが、その中でもジェレミー・クラークソンはCC8S を 2004 年のお気に入りのスーパーカーに挙げた。
また取り外し可能でボンネット内に収納可能なカーボンルーフとディヘドラルドア(上反角作動ドア)はCC8Sからケーニグセグのアイコンとなった。
Koenigsegg CCR
ケーニグセグの将来を映し出したCC8Sであったが、2004年には後継のCCRを発表した。
CCRはCC8Sよりアップグレードされた強力なスーパーチャージャーを採用した為に664psから817psまで出力が引き上げられ、ヘッドライトの形状やリアウイング、フロント目一杯にまで広げられたフロントリップスポイラーが特徴的である。
これによってケーニグセグが設立当初からインスピレーションを受けていたマクラーレンF1の8年間保持してきた世界最高速386km/hという途方もないスピードをCCRが388km/hという数字で新たに塗り替え、ギネス登録された。
これによりケーニグセグがより世界へ広まり認知される形になりCCRは2004年から2006まで14台生産された。
そして、ケーニグセグが「CC PROTOTYPE」を生産してから10周年を記念すべき数字の「10」を「X」に置き換えて「コンペンティション•クーペ•X」の略称でCCXを2006年のジュネーヴモーターショーにて世界へ発表した。
Koenigsegg CCX
このCCXはアメリカの自動車市場に参入するために、世界的な安全技術や環境規制に準拠するように設計され世界進出する為のケーニグセグを製造することへフォーカスを当てたモデルになる。
CCRとの最大の変更点がエンジンである。
アメリカ基準のの 91 オクタン価燃料を使用しながら、高圧縮比で動作できるケーニグセグ独自の V8 を鋳造するために多くの開発時間を費やした。
CCRのエンジンはフォード レーシング ブロックとケーニグセグ製コンポーネントを使用していたため、過去に問題となった事があったらしい。
しかし、CC Xの場合はフォード製のモジュラーエンジンがベースではあるが独自のブロック鋳造を行い、全てにおいて再設計され問題の91オクタン価ガソリンやカリフォルニアの排出ガス規制にも適合された。
以下、ケーニグセグCCXの諸元表である。
全長×全幅×全高 | 4,293×1,996×1,120mm |
車両重量 | 1,456kg |
エンジン型式 | 不明 |
最高出力 | 817ps |
最大トルク | 920N・m |
エンジン種類 | ケーニグセグ ツインスーパーチャージャーV8 |
総排気量 | 4,700cc |
トランスミッション | 6速MT |
実車を見ていた時は気づかなかったが、
全長が約4.3mという意外と短く、ゴルフ8の4,295mmに対して2mmしか変わらない事に驚いている。
自社工場で組み立てられた搭載するエンジンはアルミニウム合金製のエンジンブロックを備えDOHCエンジンは多点燃料噴射とドライサンプ潤滑を採用している。ステンレス製のエキゾーストマニホールドにはセラミックコーティングを施し、インテークマニホールドにはカーボンファイバーを採用した。
加えてデュアル Rotrex スーパーチャージャーがCCXを817psと高出力化させ、横置き6速ギアボックスとトルク感応型LSDがエンジンに組み合わされている。
マニュアルトランスミッションに変わり、パドルシフトモデルにはデュアルクラッチになる。
CCXは0~100km/h加速が僅か3.2秒、0~300km/hまでの加速が29.2秒を達成し、最高速度は395km/hとなっている。
またスティグが乗った2005年のトップギアのレースコースではタイムレコードを樹立した。
脅威的な記録を持つケーニグセグ CCXのデザインを見ていく。
このケーニグセグCCXを目の前にして思うのが、グループCカーに近い雰囲気を全体から感じる。
CCXはアメリカの自動車市場へ参入する為に、ブレーキ冷却システム、フォグランプ、サイドマーカーなどが新たに組み込まれている。
ヘッドライトはCCRと比べ大型化され、エッジが緩やかなデザインとなっている。
フォグライト付近のフロントダクトも大型化され、サイドへと走行風を整流する。
ボンネットにはダウンフォースを得る為に新たにエアダクトを追加し、ケーニグセグの代表的な着脱式ルーフも備えている。
ケーニグセグが他メーカーとは違う唯一の独自性のある特徴を挙げるとしたら、ボディ形状もそうだが私はラップラウンドしたフロントウィンドウだと思っている。
クリスチャン・フォン・ケーニグセグは、
フロントウィンドウについて、
「航空機のキャノピーが持つ空力性能や視界の良さを与えたかった」
と述べている。
サイドデザインは、航空機や新幹線に近いフォルムをしている。
フロントウィンドウとサイドウィンドウが繋がっているのに目を見張る。
フロントバンパーからリアフェンダーまでの曲線は滑らかであって非常に美しく、無駄な装飾がなくドアミラーを含め全てが機能的である。
リアデザインはキャビンからの2本の盛り上がりによって中央のインテークグリルに自然に空気が送られる形状となっている。
テールランプも過度に大きくなく、マセラティ のMC12同様にボディの中に埋め込めれているので、空気抵抗を最大に抑える形になっている。
ハイパーカーの部類に属するケーニグセグはエンジンの排熱処理が充分に必要になるので、リアボディの端から端までグリルが設けてある。
また817psというエンジンの出力を路面へと動力を伝えるリアタイヤは345/30 ZR20と巨大である。
ケーニグセグは、ボディとシャシーの設計に当たり、従来の手によるデザインではなく3D-CADシステムやCNCマシンが導入されており、Icem Surf CADソフトウェアを使用して作成されたという。こういった技術によってケーニグセグは部品間のジョイントなどの繊細な部品にも最高レベルの品質を確保している。
ケーニグセグCCXは3年程前に1億3000万円で取り引きされたと情報がある。
私には一生縁のない車にはなるが、今後も価値は上がっていくと思われる。
今回ビンゴスポーツでこのケーニグセグCCXを見れたことは非常に素晴らしい体験となり、ハイパーカーという世界感を味わう事が出来た。
このケーニグセグCCXの隣には、レクサスLFA ニュルブルクリンク•パッケージが展示されていたので次回はこちらを紹介していきたい。
出典:Build Your Dream Car Collection | BINGO Sports (bingosportsworld.com)
出典:Koenigsegg CC Prototype 4.6 V8 Manual, 655hp, 1996 (car.info)
出典:Koenigsegg CC8S – Car Body Design
出典:2005 Koenigsegg CCR for sale | Official UK Koenigsegg Dealer | SuperVettura
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