ゴルフ8の走行中にエンジンが始動や停止を繰り返すコースティングモードをOFFにしたい…果たして機能を停止する方法はあるのだろうか？

エンジンが停止したり始動したり…

ここ最近になってお客様から質問される事が多くなり、ショップでも課題となっている

「ゴルフ8のコースティングモード」

について今回話して行きたい。

このコースティングモードはいわゆるエンジンを停止した惰性走行となる。アクセルペダルを踏まずに走行しているとエンジンが全て停止し燃費を稼ごうとするシステムであるが、ゴルフ7からの導入されている2シリンダーモードも採用されているのでフォルクスワーゲンの企業努力によってゴルフ8は更に燃費が良くなっている。

がしかし、この「コースティングモード」が作動している時が妙な感覚になり、

「コースティングモードに今はなって欲しくない」

という時にでも作動してしまう状況に困っている。巡航している時にアクセルペダルを離してしまうと瞬時にエンジンを停止させようとシステムが働くので基本的に運転手が作動を停止させる事は不可能である。

かと言って、車両設定でコースティングモードの制御を停止できる項目がある訳でもない。

またエンジンのオン、オフを繰り返す事でエンジンにも負荷が掛かるのでないかと私自身は考えている。

ゴルフ8には48Vマイルドハイブリッドシステムによってスターターオルタネーターという新たな機能を搭載したオルタネーターが取り付けられている。

エンジン始動に関しては劇的に進化したと思っていて、ゴルフ7.5やゴルフ7はスターターでフライホイールを回しエンジンを始動しているので、始動時には若干の振動や機械損失がある。これに対しスターターオルタネーターはオルタネーターのみでエンジン始動するので滑らかかつ、機械損失が無いのが特徴である。

なのでコースティングモード時も滑らかにエンジンが停止したり始動するのだが、やはりメカニック側の立場からすると多少なりともエンジンに悪影響を及ぼすのではないかと考えている。

スパークプラグの劣化が早まっていたり、バッテリーの消費も早くなるので逆に充電量が増えて燃費が悪化する場合も考えられる。

実際に友人から聞いた話だが、他ディーラーでゴルフ8のインジェクター交換が多々あったという。

偶然なのかもしれないが、マイルドハイブリッドシステム制御によってインジェクターが被り易い傾向にあるのだろうか…

詳細は分からないので直接関係している可能性は低いと思うが無いとも言い切れない。

なのでコースティングモードをOFFにする為の方法があるとしたら、現在はこの2パターンのみでしか機能を停止する方法がない。

・走行モードを「Sモード」にする。

・パドルシフトを使用しながら走行する。

これらの方法で操作するならば、最初のSモード固定の方がストレスフリーで街乗りや高速運転に対応できる。

反面パドルシフトでのギヤチェンジは面倒の他ならないので使用しない方が良い。

私のオススメはゴルフ8のエンジンが1.0L eTSIであれば常時Sモードで走行するのが良いと思っている。

実際の動画になるが、コースティングモード作動中にSレンジに入れるとエンジンが始動し、再度Dレンジの戻すと直ぐにエンジンをオフにする制御に移行する。

1.0L eTSIに搭載されているエンジンは110PSとなり、パワーが物足りない部分が運転中も感じる事が多い。

しかし「Sモード」にする事によって、Dレンジより回転数を上げて変速するのでパワーが無くても充分に走りカーボンスラッジが溜まりにくくい走り方をする。

なので走行モードは「Sモード固定」がオススメであり、コースティングモードもOFFになるので一石二鳥である。

気になるのが燃費であるが、Sモードで30km程走行した燃費は14.8km~16.3kmと指していた。

コースティングモードを使用すると若干の燃費の変化はあると思うが、そこは微々たるものであった。

1.0Lエンジンを搭載するAW ポロやT-CROSSもSモードで走行するのを私は推奨している。(私は AWポロの1.0Lを運転する時はSモードでしか走行していない)

そして1.5L eTSIの場合だが、

コースティングモードをOFFにしたいが、Sモードで走行した場合にエンジン回転数を1.0Lより引っ張り気味で変速するので、ややストレスを感じる走りになる。

そのせいで1.5L eTSIの場合はSモード固定にしてしまうと街乗りでの使用にストレスを感じるので、そのままコースティングモードでの走行をしていただきたい。

なので現状では、1.0L eTSIの場合のみSモード固定でお願いしたい。

1.5L eTSIの場合は、コースティングモードでの走行を推奨しているが、制御をOFFにして走行したい場合はパドルシフトでの変速をした方がSモード時より無駄な回転数を上げられる事がなく効率が良い。

コースティングモードは時には便利ではあるが、アイドリングストップ同様にカタログ値燃費を引き上げる為や新しい技術を搭載する事によって、その車両のセールスポイントになるように追加されているものと私は考えている。

もし今後ゴルフ8の購入に悩んでいる方がいたら、オススメのディーゼルモデルに一度試乗してみるの選択肢の１つかも知れない。

Yuu

整備士

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現在29歳の男性。フォルクスワーゲンのプロショップでフロントスタッフをしています。 アストンマーティンDB9、マセラティ グラントゥーリズモを所有していました。 現在はメルセデスベンツ Cクラスに乗っています。 いかに安く維持するか日々節約との勝負でその奮闘記やちょっとした整備や雑談を紹介したいと思っています。