窓が動かない!? ビートルとシャランのドアから異音がする。
フォルクスワーゲンの窓もやっぱり…
「輸入車は窓が落ちる。」
こんな言葉を聞いた事があるだろうか?
結論から先に答えると、
この窓が落ちるというは輸入車を維持していく上で体験する確率の高い故障の1つになる。
今週は特に窓が落ちたという症状が4件もあったので紹介していきたい。
そして最近Up!の入庫が目立っていてクラッチ交換をしたのでこちらも紹介していく。
・ 2017年式 ビートル R-line
・2014年式 シャラン
パワーウィンドウから異音がする
・2013年式 Up! クラッチ交換
ビートル、シャランパワーウィンドウからキュルキュル音がする。
以下、お客様の問診内容になる。
「ドアから異音がしていたが、放置していたら段々と音が大きくなってしまい最後には動かなくなってしまった。」とご依頼をいただいた。
こちらが実際の異音である。
異音の原因を突き詰めていくが、直ぐある箇所の異音だと分かり診断は終了した。
フォルクスワーゲンは先程の窓が落ちるという症状もあるのだが、
特に多いのが
「窓が上がらない。動かない。」
というご用命が1番多い。
窓が上がってこない原因は色々あるが、
その中でもほぼ90%といっても過言ではないくらいパワーウィンドウリフターが故障する。
ビートルは乗降する際にショートリフトといってパワーウィンドウが少し下がる機能が付いている。
これはパワーウィンドウがドアシールに引っかからないようにし、ドアの開閉をサポートする為の制御である。
ドアシールに窓ガラスが引っかかってしまうとドア開閉時にガラスが干渉してしまうのでガラス割れの原因にもなり、危険である為ショートリフト機能は基本的にはオフに出来ないようになっている。
またこのショートリフト制御がパワーウィンドウリフターを劣化させる原因である。
ドア開閉時やイグニッションスイッチのオン、オフで必ずショートリフトするのでこの動作がプーリー部のワイヤーを痛める。
プーリー部にはモーターのギアが取り付けられている。
ワイヤーが巻きつけられたプーリーが左右どちらかに回り、初めてパワーウィンドウが上下運動をする。
そのワイヤーがショートリフトによって徐々にほつれてしまいプーリー内部で絡まりパワーウィンドウの動作が次第に重くなる。そして最後には上下に動かなくなる。
更にパワーウィンドウガラスが非常に重いのもパワーウィンドウリフターの劣化を促進させている要因だ。
(その他のフォルクスワーゲン車ではシロッコ、シャラン、イオス、ルポもパワーウィンドウリフターが弱い)
今週はシャランもリフターを交換した。
シャランも同様にビートルと似たような音がする。
シャランはビートル同様にリフターが非常に壊れやすく、窓ガラスの重さが原因がである。
こちらもビートル同様にプーリ部でワイヤーがほつれ始めてワイヤー取り付け部から脱落し張っていたワイヤーが緩んでしまう。その後ワイヤー同士が絡まり窓が動かなくなる。
交換するリフターを外すとワイヤーが緩んでいるせいで、リフターがバラバラになってしまう。
そして、このリフターの故障に対して何か対策があるのかと言われると中々難しい問題になる。
私が案内しているのが、
ビートルのようにショートリフト機能がある車に対しては車から降りて10分程度の用事の場合は、あらかじめ降りる側のパワーウィンドウを下げておきショートリフトをさせない事だ。
この対策をすればショートリフトの回数を減らし、同じ箇所でのワイヤーが擦れるを回避する事ができる。
地味ではあるが、この対策を重ねるとパワーウィンドウリフターの劣化を遅らせる事が出来る。
そしてドア付近から異音が出始めたら出来る限り早くパワーウィンドウリフターを交換するのをオススメする。
雨天時に動かなくなってしまったお客様もいるので、動画の内容と近い音が出てきたら近くのディーラーか輸入車の整備工場へ入庫していただきたい。
シャランについては申し訳ないが、出来るだけパワーウィンドウを動かさないようにしてもらい、砂が入るとリフターの動きを妨げてしまうので洗車もこまめにしていただきたい。
以下ビートルとシャランのパワーウィンドウリフターの明細である。
交換工賃 12,000円
運転席ウィンドウリフター 32,000円 7N0837462J
合計 44,000円
交換工賃 13,000円
運転席ウィンドウリフター 31,800円 5C5837462G
スクリュー M6 150円 N 91093501
合計 44,950円