スピードセンサーかと思ったら思わぬ高額修理に…ゴルフ6、ザ・ビートルなどの10年以上経った車両には要注意。
今年もやって来た
輸入車の夏の風物詩といえば、
「スピードセンサーの故障」
である。
2日前からお盆休みに入ったが、それまでにスピードセンサーの故障で入庫した車両は数十件にも及んだ。
輸入車にとって夏は大敵であり、炎天下の走行は車両には大きな負荷となりセンサーの故障が多発する。
帰省する途中で警告灯が点灯し引き返しに来たという家族連れも多く、特にパサートやシャランといった大人数乗れる車両の入庫が目立っていた。
スピードセンサーが故障すると、
メーターに多数の警告灯が点灯しパニックになるかも知れないが先ずはエンジンが停止する事は無いので安心して欲しい。
しかし、車種によって稀にABSが作動してしまい突然ブレーキが掛かってしまうので注意が必要である。
電動式パーキングブレーキを採用している車種でブレーキが突然掛かってしまった症状は経験があるが、手動式のパーキングブレーキは今のところブレーキが作動した事はない。
また特に注意して欲しいのが、インロックになる。
スピードセンサーが故障するとホイールの回転速度を正常に読み取る事が出来ない。
なのでエンジンを掛けたまま車内にキーを置いておき、ドアを閉めてしまうと車両が走行しているとコンピューターが誤検知してしまいドアロックを掛けてしまう事があるので必ずスピードセンサーが故障したと思われる症状が発生した場合にはキーは必ず手元に持っておく事をオススメする。
スピードセンサーの話になってしまったが、メーターに複数警告灯が点灯してしまう不具合に高額修理の可能性が紛れ込んでいるので紹介していきたい。
ザ・ビートルを買ったばかりなのに…
今回はそんなスピードセンサーと同じように警告灯が多数点灯したが、運が悪く高額修理になってしまったケースになる。
今回は個人オーナーではなく業者からの作業依頼だったのだが、数週間前にオークションから仕入れ試乗していた時に警告灯が点灯してしまったという。
業者もある程度情報を知っていたのか、
「スピードセンサーだと思うので、左右両方変えといて下さい」
と、作業依頼を受けた。
私もスピードセンサーだろうと早速診断機にて故障診断を行ったところ思わぬ故障コードが入力されていた。
「ABS コントロールユニット コミュニケーションなし」
の故障コードが入力され、故障診断の内容を進めるとABSコントロールユニットの交換の診断結果となった。
ビートルは既に買い手が付いているので、交換しなければならないとのこと。
新品交換は30万円越えであり、私のショップでは安全面を考慮し新品交換のみの作業を承っているので工賃と合わせて業者へ提示し承諾を得たので作業を実施した。
(この時点でビートルは大赤字になったそうだ)
ビートルのABSユニットはバッテリーの後ろに取り付けられている。
ABSユニットを外す際にブレーキフルードが溢れるのでバッテリーとバッテリーマウントを外しABSユニットの各ブレーキパイプを外していく。
ABSユニットマウントがボディに取り付けられているので13mmのソケットを用いてABSユニットを取り外す。
取り外した後はゴムシールを新品交換し、ABSユニットを清掃した後に新品を取り付け車両へ再度取り付ける。
取り付け後、ブレーキフルードの交換を実施するのだがエア噛みを防ぐ為に私は2回に渡ってブレーキフルードを交換する。
ブレーキフルード交換後は、中古品も新品も交換後はコーディングと基本調整を実施する必要があり、作業終了後10~20kmのロードテストをした後に業者へ引渡した。
以下、2012年式ザ・ビートルのABSユニット交換工賃になる。
•ABS ECU交換工賃及び基本調整等 32,000円
•ABS ECU 250,000円 5C0 907 375C
•ブレーキフルード交換(2回) 10,000円br>
税込み価格合計 292,000円