ゴルフ8で「セレクターレバーエラー」や「ギヤボックスエラー」が点灯したらシフトレバーの故障の可能性!?
ゴルフ8のエラーメッセージ
来年の1月末頃にはマイナーチェンジのゴルフ8.5が新車導入されるという噂を聴いているが、今回はゴルフ8の故障内容となる。
先週は2人のお客さんから2つの異なるパターンがあったので紹介していきたい。
まずは1人目のお客さんにご依頼をいただいた内容が、
「エンジンを掛けると、エラー:セレクターレバー 引き続き走行可能です。販売店へご連絡下さい。」
という内容であった。
セレクターレバーに何か飲み物を溢したり、何かが挟まって無理矢理動かした様子もないので診断機にて故障コードを確認してみることにした。
故障コードとして、
P27F500 セレクターレバーロックソレノイド1 オープンで固着
が入力されていた。
内容はポロ(AW)やゴルフ7で交換していた時と似たような症状で内部のハードウェアやソフトウェアの不具合によって今回のようなセレクターレバーの故障が入力される。
この場合は上記の記事のようにマイクロスイッチモジュールを取り付けるのではなく、セレクターメカニズム本体の交換が必要になり更にセレクターレバーも対象の部品が取り付けられていた場合は同時交換が必須である。
お客さんのゴルフ8は新車保証が残っていたので早速修理を実施していく。
セレクターメカニズムを交換するにはセンターコンソールとキャタライザー(三元触媒)を外す必要があるので作業を実施していく。
始めにプラベラでセレクターレバーを取り外していく。
非常に硬くて中々取れないが均等に力を掛けていきツメをキャッチから外していく。
ゴルフ8のセレクターレバーはトランスミッションと直接ワイヤーで繋がっていないので、裏のコネクターを外すだけで簡単に外れる。
TypeCの接続ユニットも簡単に外れるので外していき、センターコンソール後部のリアエアコン吹き出し口も外していく。
ボルト類を外しセンターコンソールが外し、エアコンユニットから繋がるエアコンパイプを外すと4本で止まっているセレクターレバーメカニズムが姿を表す。
室内の作業は終了し、続いてエンジンルームでの作業になる。
フォルクスワーゲンの比較的に新しいターボ車はエキゾーストマニホールドとターボチャージャーが一体型となっており、キャタライザーとはバンドで取り付けられているので火傷を防ぐ為エンジン冷感時に作業する必要がある。
キャタライザーはマフラーにバンドで取り付けられ、その他に3本の13mmボルトと13mmのナット1個で取り付けられている。
各ボルトを取り外し、エンジンルーム内からキャタライザーを抜き取る。キャタライザーが取り外し終えたらセンタートンネルのヒートシールドを取り外す。
取り外し後、ギヤボックスとシフトケーブルの連結を解除しセレクターレバーメカニズムを下から抜き取る事が可能になるので室内から固定されている10mmのナットを4本取り外しセレクターメカニズムを新品と交換する。
交換後、各レンジに問題なく切り替わることを確認し作業は終了となった。
なお今回は新車保証修理となるのでお客さんからの支払いはないので参考程度に見ていただきたい。
以下 ゴルフ8 セレクターメカニズム及びセレクターレバーの交換工賃となる。
•交換工賃及び診断料等 35,000円
•セレクターメカニズム 88,000円 5WA713033CC
•セレクターレバー 98,000円 5H0713059Q
•ケーブルロック 4,000円 5WA713761A
税込み価格合計 190,000円
続いて2人のお客さんからの内容は、
「エンジン掛け始めや、減速時にギヤボックスエラーが点灯する」
という内容であった。
ナビゲーションモニターには「Pボタンが機能しません。エンジン停止時、パーキングロック自動作動。販売店へご連絡下さい!」の表示がされていた。
特にセレクターレバーが破損していたり水で濡れた様子はなかった。
なので、こちらも診断機を使い電気的な故障を確認すると
「C060900:EPBボタン 電気的故障」
という故障コードが入力されていた。
診断を進めていくと「Pポジション」のパーキングロックボタンの内部不良によってトランスミッションエラーが点灯していた。
パーキングロックボタンは単体部品が供給されない為、セレクターレバーユニットでの交換作業となる。
先程セレクターレバーを外した要領でセンターコンソールトリムを外していき、セレクターレバーユニットはツメでトリムに取り付けられているだけなのでツメを起こしトリムから外していく。
て外し終えたらEPBボタンは再利用なので取り外す。故障コードは「EPBボタンの電気的故障」であるが故障診断を進めるとパーキングロックボタンに辿り着いたので、パーキングロックボタンの単体供給はされないのでユニットでの交換を実施している。
基本調整は無いので新品のセレクターレバーユニットを取り付けて作業は終了となった。
以下 ゴルフ8セレクターレバーユニットの交換工賃となる。
こちらも新車保証での交換となるので費用は一切発生していない。
今回紹介した2つのエラーは点灯しても問題なく走行が出来るので安心して欲しい。ただし放置すると各レンジにシフトする事が出来なくなる恐れがあるので早めの入庫を推奨する。
•交換工賃及び診断料等 4,000円
•セレクターメカニズム 98,000円 5H0713059Q
税込み価格合計 102,000円