中古車で最もコスパの良い「アルテオン」の車検代には気をつけて。保証無しで購入すると後悔するかも…
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新車販売は2024年で終了
この記事の結論
車検の基本整備は、どの個体でも121,750円で共通になる。 差が付くのは、そこに乗ってくる消耗品と故障修理の部分だ。
消耗品だけなら総額20万円台に収まる。 ところが冷却水漏れや電装系の故障が重なると、40万円を超える。
この差を埋めるのが保証になる。 中古で買うなら、保証付きの個体を強く勧めたい。
実際の車検請求書5件を並べてみる
当ショップで実施したアルテオンの車検になる。すべて型式ABA-3HDJHFの個体だ。
| 年式・走行 | 基本整備(A) | 追加整備(B) | 請求合計 | 差が付いた理由 |
|---|---|---|---|---|
| 2017年式 51,060km | 121,750円 | 87,560円 | 209,310円 | 消耗品のみ。プラグ、リアブレーキパッド、エアコンフィルター |
| 2018年式 65,942km | 121,750円 | 139,359円 | 261,109円 | DSGオイルとハルデックスオイルの交換時期が重なった |
| 2017年式 28,480km | 121,750円 | 223,630円 | 345,380円 | 冷却水漏れ。サーモスタットハウジングとウォーターポンプ交換 |
| 2020年式 61,053km | 121,750円 | 280,610円 | 402,360円 | リアエンブレムカメラの故障。部品代だけで162,000円 |
| 2019年式 37,576km | 121,750円 | 313,170円 | 434,920円 | タイヤ4本交換17万円とクーラントレギュレーティングバルブ交換 |
※基本整備(A)には自賠責保険、重量税、印紙代、ブレーキフルード交換を含む。
※あくまで当ショップでの実例になる。年式・仕様・部品改定によって金額は変動する。
交換部品や純正品番まで確認したい方は、下の項目をタップして開いてほしい。実際の請求書の内訳をそのまま載せている。
2017年式・51,060km|ABA-3HDJHF 209,310円
車検整備基本工賃
43,000円
完成検査料
9,000円
代行手数料
10,000円
自賠責保険
17,650円
印紙代
2,300円
自動車重量税
32,800円
ブレーキフルード交換
7,000円
A 合計
121,750円
エンジンオイル交換工賃車検時サービス
0円
エンジンオイル当社指定オイル
12,500円
オイルフィルター06L115562B
2,800円
ドレーンボルトN 90813202
1,000円
エアコンフィルター交換工賃
1,500円
エアコンフィルター5Q0819669
7,800円
スパークプラグ交換
5,000円
スパークプラグ06K905601L
20,000円
リヤブレーキパッド交換
7,500円
リヤブレーキパッド3Q0698451N
21,500円
B 合計(税抜)
79,600円
消費税(10%)
7,960円
B 税込合計
87,560円
請求合計
209,310円
2018年式・65,942km|ABA-3HDJHF 261,109円
車検整備基本工賃
43,000円
完成検査料
9,000円
代行手数料
10,000円
自賠責保険
17,650円
印紙代
2,300円
自動車重量税
32,800円
ブレーキフルード交換
7,000円
A 合計
121,750円
エンジンオイル交換工賃車検時サービス
0円
エンジンオイル当社指定オイル
12,500円
オイルフィルター06L115562B
2,800円
ドレーンボルトN 90813202
1,000円
エアクリーナー交換
2,000円
エアクリーナー5Q0129620B
6,300円
リブドベルト交換
3,000円
リブドベルト06L903137A
6,000円
DSGオイル交換
10,000円
DSGオイルG 055529A2
58,000円
オイルフィルターOGC325183A
6,500円
シーリングワッシャーN 0438092
650円
プラグN 90965401
1,300円
ハルデックスオイル交換
5,000円
ハルデックスオイルG 065175A2
9,800円
ボルトN 90281802
920円
ボルトN 91082701
900円
B 合計(税抜)
126,690円
消費税(10%)
12,669円
B 税込合計
139,359円
請求合計
261,109円
2017年式・28,480km|ABA-3HDJHF 345,380円
車検整備基本工賃
43,000円
完成検査料
9,000円
代行手数料
10,000円
自賠責保険
17,650円
印紙代
2,300円
自動車重量税
32,800円
ブレーキフルード交換
7,000円
A 合計
121,750円
エンジンオイル交換工賃車検時サービス
0円
エンジンオイル純正オイル
14,500円
オイルフィルター06L115562B
2,800円
ドレーンボルトN 90813202
1,000円
フロントワイパー3G8998002
9,500円
サーモスタットハウジング交換
39,000円
サーモスタットハウジング06L12111P
105,000円
ウォーターポンプ06L121012L
19,200円
ユニオン06L121131
2,500円
クイックカップリング5Q0122291AB
3,600円
クイックカップリング7M3122291
2,600円
クイックカップリング5Q0122291DA
3,600円
B 合計(税抜)
203,300円
消費税(10%)
20,330円
B 税込合計
223,630円
請求合計
345,380円
2020年式・61,053km|ABA-3HDJHF 402,360円
車検整備基本工賃
43,000円
完成検査料
9,000円
代行手数料
10,000円
自賠責保険
17,650円
印紙代
2,300円
自動車重量税
32,800円
ブレーキフルード交換
7,000円
A 合計
121,750円
フロントブレーキパッド交換
7,000円
フロントブレーキパッド3Q0698151C
34,800円
リヤブレーキパッド交換
7,500円
リヤブレーキパッド3Q0698451N
21,500円
フューエルリッドロックモーター交換
3,500円
フューエルリッドロックモーター510810773
8,800円
リアエンブレムカメラ交換
10,000円
リアエンブレムカメラ3G0827469JLF0D
162,000円
B 合計(税抜)
255,100円
消費税(10%)
25,510円
B 税込合計
280,610円
請求合計
402,360円
2019年式・37,576km|ABA-3HDJHF 434,920円
車検整備基本工賃
43,000円
完成検査料
9,000円
代行手数料
10,000円
自賠責保険
17,650円
印紙代
2,300円
自動車重量税
32,800円
ブレーキフルード交換
7,000円
A 合計
121,750円
エアコンフィルター交換工賃
1,500円
エアコンフィルター5Q0819669
7,800円
スパークプラグ交換
5,000円
スパークプラグ06K905601L
20,000円
リヤブレーキパッド交換
7,500円
リヤブレーキパッド3Q0698451N
21,500円
タイヤ交換廃タイヤ処分込み
13,000円
タイヤ 245/35R20MICHELIN PILOT SPORT 5
170,000円
バルブ
2,400円
クーラントレギュレーティングバルブ交換
6,000円
クーラントレギュレーティングバルブ4H0121671D
30,000円
B 合計(税抜)
284,700円
消費税(10%)
28,470円
B 税込合計
313,170円
請求合計
434,920円
※2025年時点での当ショップでの実例になる。年式・仕様・部品改定・実際の損傷範囲によって金額は変動する。
※部品番号は請求書に記載されたものを掲載している。発注の際は必ず車台番号で照合してほしい。
この5件で注目してほしいのは、最も走行距離が少ない28,480kmの個体が、345,380円と3番目に高いという点だ。逆に65,942km走った個体は261,109円で収まっている。
距離を走っていないから安く済む、という話ではない。冷却水漏れのように年数や熱で進む不具合は、走行距離が少なくても発生する。
中古車を選ぶとき、走行距離だけを見て安心しないでほしい理由がここにある。
アルテオンの代表的なトラブルは冷却水漏れ
当ショップに入庫した車両で判断する限り、アルテオンの代表的なトラブルは冷却水漏れになる。漏れる箇所は主に3つだ。
| 漏れる箇所 | 症状と傾向 |
|---|---|
| サーモスタットハウジング | 冷却水警告灯の点灯が最初の兆候になることが多い |
| ウォーターポンプ | サーモスタットハウジングと同時に交換するケースが多い |
| カップリングピース | 冷却水経路の継手部分。単体でも漏れる |
※これらを全て純正部品で交換すると、20万円程度になる。
先ほどの請求書で345,380円になった2017年式の個体が、まさにこのケースだ。部品の内訳を見ると、サーモスタットハウジング本体だけで105,000円になっている。
逆に言えば、この冷却水漏れを乗り越えた個体は、高額修理のトラブルが少ない。
過走行になるとオイルクーラーやオイルパンからのオイル漏れが出てくる程度で、こちらは15万円くらいになる。
中古車を探すとき、サーモスタットハウジングの交換歴がある個体は、むしろ狙い目になると考えている。

保証無しで買うと後悔するかもしれない理由
ここがこの記事で一番伝えたい部分になる。
先ほどの5件のうち、2020年式・61,053kmの車検が402,360円になった原因は消耗品ではない。リアエンブレムカメラの部品代が162,000円だったからだ。
リアカメラが映らない、給油口が開かない。どちらも走行そのものには支障がない症状になる。ところが車検で指摘されて直そうとすると、この金額になる。
車両価格の差より、修理費の差の方が大きくなることがある
保証無しの個体は、数万円から十数万円安く購入できる場合がある。ただし カメラ1つで16万円、冷却水漏れで20万円という世界になると、その差額はあっさり吹き飛ぶ。
もちろん保証があれば全てが無条件で直るわけではない。だからこそ購入前に、 冷却水まわり、DSG、電装系が保証対象に含まれているかを確認したうえで契約してほしい。
サーモスタットハウジングの交換歴がある個体なら、予備費は15万円程度で大半の修理に対応できると考えている。オイルクーラーやオイルパンからの漏れが、ちょうどその範囲になるからだ。
ただし交換歴が確認できない個体を保証無しで買うなら、話が変わる。冷却水漏れの20万円と、電装系の不意打ちを見込んで、30万円は見ておきたい。
距離数及び年数による消耗品交換時期
予定を立てるうえでの目安になる。当社基準と書いてある項目は、メーカー指定ではなく当ショップでの経験にもとづく推奨だ。
| 部位 | 交換時期 |
|---|---|
| エンジンオイル 0W-30 | 15,000km または1年 |
| ワイパーブレード | 1年 |
| バッテリー | 3年 または30,000km |
| エアコンフィルター | 2年 または30,000km |
| スパークプラグ | 60,000km または5〜7年(年数は当社基準) |
| エアクリーナー | 90,000km または6年 |
| リブドベルト | 60,000km または5年(当社基準) |
| DSGオイル | 120,000km または5〜7年(年数は当社基準) |
| ハルデックスオイル | 2年 |
| クーラント(冷却水) | 6〜8年 または50,000〜80,000km(当社基準) |
| サンルーフドレーン清掃 | 30,000km または2年 |
| フューエルポンプ | 10年 または100,000km(当社基準) |
| リアブレーキパッド | 30,000〜50,000km |
中古で買ったら、まず油脂類を入れ替えてほしい
ハルデックスオイルの交換時期は2年と短い。 4WDシステムのカップリング用オイルで、前オーナーが交換しているとは限らない。
購入したら、DSGオイル、ハルデックスオイル、エンジンオイルの3つは記録簿を確認したうえで交換しておきたい。 ここを整えておくと、その後の維持が読みやすくなる。
それでもアルテオンを勧める理由
価格の話とは別に、私がアルテオンを推す理由がもう一つある。
アルテオンはパサート R-Line 2.0Lと比べると4WDを採用しているが、それ以外は同じだと思われがちだ。しかし両車にはトランスミッションの大きな違いがある。
| 車種 | トランスミッション |
|---|---|
| パサート R-Line 2.0L | 湿式6速DSG |
| アルテオン | 湿式7速DSG |
6速の場合、AUTO HOLDで停車してからの発進が特にもたつくことが多い。巡航しているときも「もう1段ギヤがあったら」と感じる場面に遭遇する。
そのモヤモヤを解消してくれるのが、アルテオンの7速DSGになる。発進時と巡航時のギクシャク感が明らかに抑えられている。
FR車で主流の9速ATと比べれば滑らかさに欠けるが、2.0Lエンジンと4WDの組み合わせが5m近い車体をグイグイ引っ張ってくれる。パワー不足を感じる場面は少ないと思う。
実際のオーナーはどう感じているか
整備側から見た話ばかりでは偏るので、中古車情報サイトやレビューサイトに投稿されているオーナーの声にも目を通してみた。傾向としては次のようになる。
| 評価の傾向 | 内容 |
|---|---|
| 好意的な声 | 長距離と高速主体の使い方で、7万km走って不具合が無かったという報告。 パサート譲りの実用性と、他車と被らない外観を評価する声が多い |
| 維持費についての声 | 予防整備をどこまで自分で管理できるかで維持費が大きく変わる、という指摘。 ディーラー整備は高額になりやすいと感じているオーナーもいる |
| 辛口な声 | 安心して乗れる反面、突出した個性に欠けるという評価。 同じ価格帯なら他の選択肢もある、という意見も見られる |
※カーセンサー、carview!、みんカラなどに投稿されたオーナーレビューを整備士の視点でまとめたものになる。
「予防整備で維持費が変わる」という指摘は、整備側から見てもそのとおりだと思う。冒頭で並べた請求書の差も、結局はそこに行き着く。壊れてから対応するか、時期が来たら替えるかで、車検時の金額が倍近く変わってくる。
タチバナのひとりごと
600万円の車が200万円台で買えるという話は魅力的だが、部品の値段は新車当時のまま据え置かれている。 カメラ1つが16万円というのは、そういうことになる。
車両価格が下がったぶん、浮いたお金を保証と予備費に回す。 アルテオンに関しては、この配分が一番賢いと思っている。
まとめ
- ✓ 車検の基本整備は121,750円で共通。差が付くのは追加整備の部分になる
- ✓ 実例では209,310円から434,920円まで、倍以上の開きがあった
- ✓ 走行28,480kmの個体が345,380円。距離が少ない=安く済むではない
- ✓ 代表的なトラブルは冷却水漏れ。3箇所を純正部品で交換すると20万円程度になる
- ✓ リアエンブレムカメラは部品代だけで162,000円。電装系の不意打ちは大きい
- ✓ 冷却水漏れを乗り越えた個体なら、予備費15万円で大半に対応できる
- ✓ 交換歴が不明な個体を保証無しで買うなら、30万円は見ておきたい
- ✓ ハルデックスオイルは2年。中古で買ったら油脂類3種を入れ替えておきたい
アルテオンは、フォルクスワーゲンの中で最もコスパに優れた1台だと今でも思っている。ただし、それは維持のかかり方を理解したうえでの話になる。
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