最近のプジョーが気になって仕方がない。408GTのスタイルが完璧で欲しくなってしまう。
ここ1~2年でフランス車のイメージが変わってきている。
今回はルノー、シトロエン、プジョーとフランス車の中でもプジョーに視点を向けて行きたい。少し昔のプジョーというと何か記憶に残っているモデルと言ってもほとんど思い浮かばない…
街中では時々見るものの、プジョーというブランドに対して興味が湧いていなかったのも確かだ。
そして、その中でも知っているプジョーというと、自分が生まれた頃に発売されていたホットハッチの代名詞であるプジョー205GTIとTAXIという映画に登場する406セダン、ピニンファリーナが手掛けた406クーペの3台のみだった。
Peugeot 205 GTI
プジョー205 GTIはゴルフGTIがメインターゲットとなり、この2台がホットハッチという言葉を世に広めた。
プジョー205 GTIの印象はとにかく小さく1,600ccの自然吸気で馬力は104psしかないので2023年の現在では非力に見えてしまう。
しかし、4気筒エンジンを積んでいるのにも関わらず車両重量が850kgは非常に軽量である。
対するゴルフ GTIは同じく直列4気筒の1,600ccであり最高出力は110psとプジョー 205GTIを少し上回る。車重も820kgとゴルフGTIの方が軍配が上がる。
エクステリアはゴルフGTIも素晴らしいデザインだが、私はプジョー 205 GTIの方が好みである。プジョー 205GTIは正に1/1サイズのチョロQであり、フロントグリルには可愛らしくライオンのエンブレムがとても愛嬌があり可愛さが滲み出ている。
(チョロQを知らない世代は是非検索して欲しい)
プジョーを知るきっかけになったのが、この205 GTIであり日本の中古市場には現在2台しか登録されていない。
日本の道路で見る機会はほぼ無いに等しいが、走っている姿を見たらきっと自然に耳を傾けてエンジン音を聴いているだろう。
Peugeot 406 Sedan
続いて406セダンだが、これは205 GTIと同じくらい有名なプジョーになる。
15年前の作品になるが「TAXI」という映画にこの406セダンが登場する。
簡単に映画説明すると、宅配ピザを仕事としている主人公が宅配の度に宅配最速記録を作っているスピード狂であり、ある日ピザ屋を辞めてタクシー運転手となった。
スピード違反の常習犯だった主人公はスピード違反を見逃してもらう代わりに、壊滅的に運転が下手でマヌケな警察と協力してプジョー 406セダンで犯罪者を壊滅させようとする物語である。
かなり内容がガバガバでどうしてそうなるんだと突っ込みたくなる映画ではある。
しかし、そこがフランス映画であり15年経った今も充分に面白くプジョー406セダンが非常にカッコ良いので是非見て欲しい。
最後は406クーペになる。
Peugeot 406 Coupe
歴代のプジョー中で最も美しい車の1台だと私は思う。
このプジョー406クーペは前期、中期、後期とあるがその中でも前期と中期が魅力を感じる。
後期はフロントバンパーが変更されており、少しヤンチャになっていて好みではない。
406クーペはグラントゥーリズモと同じピニンファリーナによってデザインされた。
406クーペで私が気に入っているのがCピラーがリアガラスより張り出ている造形が美しく素敵である。
シトロエンC6ほど過激なリアデザインではなく、やり過ぎない程度にまとめた事によって見事なフェンダーラインも出来上がっている。
(C6はフロントデザインは大好きなのだが、リアが個性的過ぎる。。。)
エンジンは2,946ccのV6を積んでいる。同年代のアルファロメオ156やゴルフ4 R32よりやや落ち着いたエンジン音ではあるが、406クーペはスピードを出さずにゆっくりと流して走った方が絵になると思う。
(2000年代初期のV6エンジンはどれも名機ばかりである)
こういった数々の名車を生み出してきたプジョーなのだが2005年以降から206や407が登場し、2019年頃のつい最近まで私はプジョーに関心がなくなっていた。
205や406といった素晴らしい車を生み出してきたプジョーだったが、
2005年からのプジョーには何か熱意…車に込める想いが感じられない。
Peugeot 207&407
特にプジョー207と407にどうしても興味が湧かない。
両車共に何ともいえない世界観がある。特に407のドアミラーとグリルが気になって仕方がないし、207はグリルが巨大過ぎるせいでフロントデザインの情報量が多い。
因みにジェームズ・メイは407を以下の様に評価している。
先程の2台と酷似しているプジョーの時代が続いていたが、2019年頃を目処にプジョーに変化が訪れたと私は思う。
Peugeot 508GT
その混沌時代のプジョーを変革したのがプジョー508 GTだ。
一言でいうと本当に508GTはプジョーなのかと疑った。
欧州車と見間違えてもおかしくないくらいスタイリッシュになっていて今までとは違うテイストだ。
ライオンの牙を思わせるかのようなデイライト、無駄な装飾を付けずにマツダ3と似ている引き算の様なボディデザイン、テールライトに関しては、どのブランドにも無い完全に差別化されたデザインだ。
好みは分かれるがフランス車とは個性の塊であり、デイライトやテールライトは新しいプジョーのシンボルだと思っている。
インテリアも大幅に質感が上がっている。上がっているというより、上がり過ぎているの方が正しい表現かもしれない。
直ぐに目に留まるのが2スポークステアリング。メルセデスベンツのSクラスのイメージが強く508GTも同様の2スポークステアリングとは驚いた。
しかもかなり小径で楕円形である。
シフトレバーもゴルフ8と同じくワイヤーが直接ギアボックスと繋がっていないシフトバイワイヤ式であり握りやすそうな独特のデザインになっている。
エアコンの風量調整や温度調整のボタンは無くインフォメントシステムにてタッチで調整する事になる。
(インテリアの質感を高める為にボタンを廃止する流れはやはりプジョーにも来ていた。)
と、508GTをもっと紹介したいが、
私がプジョーを本気で欲しいと思った1台がある。
Peugeot 408GT PHEV
それは新型408GT HYBRIDだ。
私は車を選ぶ時はエクステリアデザインを第一優先している。
次にエンジンスペックを優先し、その他にも乗り心地やシフトフィーリング、快適装置など車を選ぶ基準は人それぞれだが私はエクステリアデザインが何よりも重要である。
ブログで紹介する時も基本的にエクステリア寄りになってしまうのはご了承いただきたい。
新型408は正にそのエクステリアデザインが完璧な1台になる。
粗を探しても全く見つけられず、唯一気になるといえばナンバープレートの位置くらいだろうか。
(もう少し上の位置になって欲しい程度のものだ)
408や508といったフロントデザインは2012年に発表されたプジョーOnyxというコンセプトカーから着想を得ている様に見える。
408には508と同様に特徴的なライオンの牙をイメージさせるデイライトが採用されていて、サイドグリルはハニカムグリルやメッシュグリルではなく直線を対照的に組み合わせていて他の車両では中々見ない形状になっている。
とにかく非の打ち所がない美しいフロント周りだ。
サイドに移ると、クーペSUVかと思うほど綺麗なラインだがプジョー曰くCセグメント頂点のクロスオーバーと位置付けしている。
Cセグメントはフォルクスワーゲン ゴルフ、メルセデス Aクラス、プジョー 308、ルノー メガーヌといった車種になるが408はDセグメントと言ってもおかしくはない。
セグメントというのはA,B,C,D,E,F(L)の分類があり、車種で簡単に紹介していきたい。
Aセグメント | 軽自動車、トヨタ iQ、フォルクスワーゲン Up!、フィアット500 |
Bセグメント | トヨタ ヤリス、デミオ、フォルクスワーゲン ポロ、ルノー ルーテシア、ミニ |
Cセグメント | トヨタ カローラ、トヨタ プリウス、スバル インプレッサ、マツダ アクセラ、フォルクスワーゲン ゴルフ、メルセデスベンツ Aクラス BMW 1シリーズ |
Dセグメント | レクサス IS、日産 スカイライン、トヨタ マークX、メルセデスベンツ Cクラス、BMW 3シリーズ、フォルクスワーゲン パサート、アウディA4 |
Eセグメント | レクサス ES、トヨタ クラウン、日産 フーガ、BMW 5シリーズ、メルセデスベンツ Eクラス、アウディ A6 |
Fセグメント | レクサス LS、トヨタ センチュリー、日産 シーマ、ホンダ レジェンド、メルセデスベンツ Sクラス、BMW 7シリーズ、アウディ A8、ポルシェ パナメーラ、マセラティ クアトロポルテ |
ざっとこの様な感じになる。
明らかにゴルフやAクラスよりも巨大に見える408はDセグメントに属しても不思議でならないがプジョーが言うのであればCセグメントになるのでこれ以上は追求しない。
フェンダーにエンブレムを付けているフェラーリとは違い408はドアミラー下にエンブレムが付いている。
ドアミラー下のエンブレムも全体のバランスを崩さずに馴染んでおり、もしかしたら今後トレンドになる可能性もある。
408のリアデザインが何かに似ているとずっと2~3日モヤモヤしていたが、昨晩それが解消された。
偶然にも前を走っていたランボルギーニ ウルスに似ていると私は思ってしまった。
傾斜角度が急なリアゲートや横に長いテールライトは遠目で見ると408がウルスに見えなくもない。
ウルスのリアデザインはエッジが効いており、4本出しのマフラーがいかにも攻撃的である。
408はウルスと比べると滑らかなプレスラインで、テールライトは508GTと同様にライオンの太い爪で引っ掻いた様な3本のLEDテールライトが非常にスタイリッシュで高級感がある。
下部のリアバンパーを注目すると、マフラー出口が用意されていない事に気付く。
私はマフラー出口がダミーであったり、そもそもマフラー出口のデザインされていないリアバンパーが心底嫌いだ。
しかし、408を初めて見た時にマフラー出口が無いデザインも良いと感じてしまった…
逆にリアフォグライトの赤色が非常に目立っているのが気になって仕方なかった。
インテリアは508と同様に質感が高く洗練されている。10年前と今のプジョーでは比べ物にならず全てが真新しくステアリングも静電式でなかったり、ボタン類もタッチ式でない事に好感を持てる。
シートはしっかりと左右をホールドしてくれそうな形状であり、テップレザーとアルカンターラの組み合わせで仕上がっている。
そして肝心のエンジンだが408には純ガソリンモデルとプラグインハイブリッドモデルの2種類のエンジンが設定されている。
純ガソリンのスペックは最高出力130ps/最大トルク230Nmの直列3気筒1.2L DOHCターボエンジンを搭載し、このエンジンに8速ATを組み合わせている。
このスペックを見て全長4,700mmの408を直3ターボのエンジンで快適に走らせる事が出来るのか疑問に思った。フォルクスワーゲンのT-CROSSも同様に直3ターボエンジンであり、どうしてもパワー不足を感じてしまうからだ。
だが、この408はボディサイズの割に1,430kg と車重が軽い事に驚いた。
決して速くは無いが不満には感じ無さそうだ。
プラグインハイブリッドエンジンは、最高出力180PS最大トルク250Nmの直列4気筒DOHC 1.6リッターターボエンジンを搭載している。また最高出力110PS/最大トルク320Nmを発生するモーターを組み合わせ、システム合計最高出力225PS、システム合計最大トルク360Nmを発生する。トランスミッションは8速ATを採用しWLTCモードの燃費は17.1km/L、EV走行距離は66kmとなっている。車重は1.2Lモデルと比べ340kg増加の1,740kgとなっている。
ハイブリッドモデルで車重が増えるのは避けられないがその恩恵で225psものパワーを得られる。ガソリンモデルと95psの差があり車重は重くなったが電気アシストも増えた事もあり、ハイブリッドモデルの方が快適にスムーズに道路を走ってくれるだろう。
ここで大問題が出てくる。
純ガソリンモデルは499万円~とまだ手が届く範囲だが、私が欲しいハイブリッドモデルは629万円~となっている…
ここに諸費用やオプション、コーティング、ローンの際の金利を加えると、いとも簡単に700万円超えのプジョーになってしまう。
プジョーが高い…高過ぎる。。
アストンマーティンであれば、まだまだ安いと感じるがプジョーとなると話しが変わってくる。
フランス車で今最も欲しい1台であるプジョー 408GT。
中古車で手が届く価格まで来たら…と思いながら肩を落とした。