リモコンキーをポケットやバックの中に入れておくのは要注意。 今週の仕事内容。

Yuu

ようやく夏が終わり私が好きな季節を迎える事ができた。

湿度も少なく快適な日々を過ごしているが、

天候が変わりやすいのが難点だ。

14日の夕方の17時くらいにエクリプスクロスを洗車した。そしてブログを書き始めた23時の状況は、見事に部屋中に雨音が鳴り響く豪雨である。

洗車しても1日経たずに雨に打たれるのは毎度の事なので、1週間の汚れを落としたという体で自分自身を納得させる。

そんな天気の変わりやすい時期にある事件が起きた。

そしてもう1台はフォルクスワーゲンの1.8L,2.0Lターボエンジンでは必ず交換する事になるアレを紹介する。

2017年式 パサート ヴァリアント

パサート ヴァリアント

今回は故障ではなく、お客様自身によるアクシデントになる。

5日前くらいの事になる。

お客様が肩を落としてパサートから降りて、私にこう言った。

「車の中がビショビショで困っています。」

と、ご依頼をいただいた。

早速確認するとフロアが水浸しになっていた。

これは雨漏れかな?と予想をしたが、雨漏れにしては広範囲に広がり過ぎている。

運転席、助手席、後部座席が全てビショビショになっており一体何が起きたんだと驚きを隠せなかった。

お客様に話を聞いていくと、

「子供を学校へ送ろうと思い、車に乗ろうとしたら窓が全開になっていた」

来店した前の晩は大雨が降っていたので、余計に車内が濡れてしまった。

シートやドアトリムなどは一通りご自身で拭き取ったらしいが、流石にフロアカーペットを乾かすのは難しいので相談しにきたという。

しかし私は今まで仕事をしてきた中で、

勝手に窓が開いてしまうという症状を体験した事が無かったので困ってしまった。

先ずは診断機で故障コードを確認してみる。

雨で半日以上も侵入してしまった車内だが、

幸いにも故障コードは何も入っていなかった。

しかし、時間が経つに連れて隙間に水が侵入してしまうので、メーターやエアコンパネルなど可能な限りエアブローを実施。

そして相談の結果、フロアカーペットを取り外して乾燥させる作業のご依頼いただいた。

が、何故窓が全開になってしまったのが解決していない。

パワーウィンドウスイッチや大元のECUには故障コードは入っていない為に車両側がエラーを起こして症状が発生したとは考えにくい。

そこでふと思いつく。

パサートにはスマートエントリーが搭載されている。

スマートエントリーとは、

窪み部分がタッチセンサーとなっている

ハンドルのタッチセンサー触れる事によってドアの開閉が出来る機能であり、キーリモコンでの操作は必要ない。

もしかしてハンドルに外的損傷があるかと思ったが異常はなかった。

更にハンドルの窪みに指を数秒触れておくと自動的に全窓が上昇する機能もある。

ここで更に私は気がついた。

キーリモコンを長押しする事で窓が全開、全閉するコンフォートオープンという機能がある事を忘れていた。

ナビゲーションシステム内にコンフォートオープン設定がある。

コンフォートオープン機能の作動を動画に載せたのでこちらを参照してほしい。

設定項目には「オフ」「運転席ウインドー」「全ウインドー」とある。

お客様のパサートを確認すると、設定が「全ウインドー」となっていた。

段々と窓が全開になった原因が突き止められてきて、後はお客様のいつもの使用状況を確認するのみである。

そしてお客様にキーの保管状況を確認してみたところ全てのシナリオが繋がった。

原因は、

「キーホルダーがキーリモコンに大量に付いてありキーホルダーによって開ボタンがずっと押された状態になっていた。」

という珍しい症状に至った。

キーホルダーがキーリモコンのボタンを押すほどの圧力が何故掛かっていたかというと、

小さいバックの中に化粧品や鏡、財布など小物がパンパンに詰められてあって常にその中に押し込んでいたという。

それで今回は不幸な事にキーが押されたままでバックに入り窓が全開になった状態になってしまった。

またドアロック時に窓が開いてる状況で、

雨が降った際に自動で窓を閉めてくれる

「レインクローズ」というコーディングメニューがあるが、

殆どのお客様はコーディングという言葉も知らないのが当たり前なので今回のパサートもレインクローズのコーディングはされていないと思われる。

お客様にキーリモコンとコンフォートオープン機能について説明し、作業に移った。

写真はセンターコンソール、シートも全て外した状況になる。

パサート フロアカーペット

ここから更にフロアカーペットを外していく。

シートが電動シートの為、車内から取り出す時に腰に注意しないといけないが、それ以外は基本的に問題なく作業が進められる。

パサート フロア
パサート フロア

フロアカーペットを外すと、フレームが剥き出しになる。

赤い長方形の物はインテリアアンテナになり、車内キーを検出する用のアンテナである。

パサート フロア

ここから錆の発生の恐れがあるので、念入りにエアブローと車内の拭き取り清掃を実施する。

取り外したフロアカーペットは2~3日日の当たる箇所で天日干しをして取付作業に移り作業は終了となった。

以下が今回の作業工賃となる。

パサート ヴァリアント フロアカーペット脱着及び乾燥
部品名、料金、純正部品番号

工賃 50,000円

交換はしなかったが参考として
フロアカーペット 248,600円  3G2 863 368M  62V

合計 50,000円

となった。

雨の日だけではなく、日中にもこの症状が起きると盗難にも遭う危険性があるのでキーリモコンにキーホルダーを多くつけているオーナー様がいたら是非気をつけて欲しい。

別途でキーリモコンをキーケースに入れておくだけでリモコン電波を遮断してくれて今回の様な症状を予防してくれる優れ物があるので活用してほしい。

エンジンを始動する時やスマートエントリーを使用時はキーケースから出す必要があるので注意。

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現在29歳の男性。フォルクスワーゲンのプロショップでフロントスタッフをしています。 アストンマーティンDB9、マセラティ グラントゥーリズモを所有していました。 現在はメルセデスベンツ Cクラスに乗っています。 いかに安く維持するか日々節約との勝負でその奮闘記やちょっとした整備や雑談を紹介したいと思っています。
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