心の底から後悔している。1年前の今日、維持費が掛かり過ぎたDB9を手放した日だった。
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今でも思う。アストンマーティンは最高だったと。
写真を一眼レフで撮る習慣があるので、手元にSDカードが10枚ほどある。
今日は一日ゆっくりできたので、そのSDカードの中身を見直していた。そして偶然にも、今日がDB9を手放した日だったと気づいた。
あれから6年が経った。正直なところ、今でも後悔しつつアストンマーティンの維持費に関しては恐怖を覚えている。
アストンマーティン DB9(初期型)
エンジン
6.0L V12
燃費
私の使い方では2〜3km/L程度 (体感値)
乗る頻度
ガソリン代の都合で2〜3週間に1度と決めていた
レッカー搬送
所有期間中に3度
手放した日
2020年8月31日
手放した理由
収入に対して出費が多すぎ、生活が成り立たなくなったため
DB9は、とにかく美しかった
アストンマーティンを買う人のほとんどは、その美しさに惹かれたのだと思う。デザインが抜群に良く、内装も飾り過ぎず、随所にアンティークな雰囲気がある。

ただ、センターパネルに電話番号のボタンが並んでいるのは、乗るたびに何とも言えない気分になった。
こういうボタンがあると一気に生活感が出て、現実に引き戻されるような感覚になる。あの機能を実際に使ったオーナーが何人いるのか、今でも気になっている。

内装への文句はさておき、6.0LのV12エンジンは過激ではなく、最高のクルージングカーに仕立ててくれていた。それでいてアクセルを踏むと、なかなか良い音がする。
ランボルギーニやフェラーリ、マセラティのような派手さは皆無で、乗っていてもアストンマーティンとはほぼ気づかれない。声を掛けられても、大体はジャガーと間違えられる始末だった。
SDカードの写真を見返していると、DB9を手にした日の一枚が出てきた。同時に、苦労していた頃の写真も出てくる。

初めての高級車であり、憧れのアストンマーティンだった。
納車当日、シートに座ってショップを出ていくときは何とも誇らしかった。
自分で貯めた金で買ったDB9は、ゴルフ7以上にテンションが上がって、つい無駄にアクセルを吹かしたくなった。
ガソリンスタンドで給油していると「親に買ってもらったんだろうな」という視線を何度か向けられたが、そんなものは全く気にならない。
信号待ちで建物に映るDB9を見ると、最高のスタイルがそこにあって、ニヤけが止まらなかった。
ただし、乗るのは2〜3週間に1度と決めていた。燃費が悪すぎて、週に何度も乗っていたらガソリン代が持たない。私の使い方ではリッター2〜3kmの世界で、燃料計がどんどん動いていく。
乗るときは必ずカメラを持って行って、下手なりにシャッターを何枚も切った。今こうして振り返れるのは、そのおかげでもある。
DB9は英国車への価値観をひっくり返してくれた
私自身、いくらアストンマーティンと言えどもそこまでは壊れないだろうと思っていた。これが本当に大間違いだった。
好調だと思って走っていても突然絶不調になり、レッカー搬送になったケースを3度経験している。直したと思ったら、帰り道の首都高でまた止まったこともよく覚えている。
この年代のアストンマーティンは最高の魅力がある反面、突然不機嫌になってオーナーを悩ませる車でもある。
2000年代のアストンマーティンは、本気で乗りたい人か、維持費に余裕のある人以外は手を出さない方がいい。
元DB9オーナーが言うので、ここは信じてほしい。 「安いから買ってみよう」という気持ちで入ると、強烈なカウンターを喰らう可能性がある。
中古車相場は年々下がり、手が出しやすい価格帯になっている。 だからこそ、購入前に維持できるかどうかを冷静に確認してほしい。
そして6年前の今日、色んな経験をさせてくれたDB9を手放した。
それまで愛車を手放したことがなかったので、別れるときはとても寂しい気分になった。私にとって車は自分の分身であって、人生に欠かせない存在だ。遠出こそできなかったが、夜の首都高を流していたのは最高に気持ちが良かった。
手放した理由は単純である。収入に対して出費が多すぎて、生活が成り立たなくなったからだ。
TIME LINE
- 1 自分で貯めた資金で憧れのDB9を購入
- 2 燃料代の都合で、乗るのは2〜3週間に1度に
- 3 好調に走っていても突然の不調。レッカー搬送を3度経験
- 4 直せる箇所は自分で直しながら維持を続ける
- 5 収入に対する出費が膨らみ、生活費を圧迫
- 6 2020年8月31日、売却
恥ずかしながら、ご飯が食べられなくなるレベルまでいってしまい、給料日までの1週間は実家に帰っていた。
それでも、20代前半でアストンマーティンオーナーという肩書きは本当に誇らしかった。
タチバナのひとりごと
今ならもう少し上手くやれた気がする。 維持費の見積もりが甘かったし、故障の頻度を軽く見ていた。 整備の仕事をしている人間が言うのだから、我ながら情けない。
ただ、あの時に無理をして持ち続けていたら、今こうしてブログを書いていられたかどうかは分からない。
6年経って、今どう思っているか
この記事を最初に書いたときは、マセラティ グラントゥーリズモに乗っていた。その後グラントゥーリズモも手放し、現在はジャガー Fタイプに乗っている。
Fタイプを選ぶまでの間、DB9とラピードも本気で検討していた。相場が下がって現実的な価格になっていたからだ。それでも最終的に選ばなかったのは、あの6年前の記憶があったからだと思う。
「またアストンマーティンを買ったら、次も苦しむかもしれない」
この不安は今でも頭をよぎる。それでも、あれ以上に自分を魅了してくれる車はアストンマーティン以外にないと思っている。人間の欲求はつくづく怖い。苦しむと分かっていても、満たされないまま我慢する方が辛い。
私は車以外のことにほとんど金を使わない。時計も靴も服も、自分の中ではそこまで重要ではない。生活費は仕方ないとして、無駄なものを買わないようにして、その分を車へ回している。
仕事は朝から深夜近くまで続く日も多いが、その先に車があるから続けられている部分は確実にある。
DB9は所有して維持するだけで一苦労だったので、やり残したことが山ほどある。それが心残りの原因なのかもしれない。
いつかまたアストンマーティンオーナーになって、このブログで紹介できたらと今も思っている。そもそも、このブログ名に英国車と入っているのだから。
まとめ
- 2020年8月31日、維持費が理由でアストンマーティン DB9を手放した
- 6.0L V12は最高のクルージングカーだったが、私の使い方では燃費は2〜3km/L程度だった
- レッカー搬送は所有期間中に3度。好調に見えても突然止まる車だった
- 手放した理由は収入に対する出費の多さ。 生活が成り立たなくなった
- 相場が下がった今こそ、購入前に維持できるかどうかを冷静に確認してほしい
- 6年経った現在はジャガー Fタイプに乗っているが、DB9への未練は今も消えていない
SDカードの写真を見ながら、色んなことを思い出した8月31日だった。

