輸入車の整備代は高い…車検整備とは違う法定1年点検は受けるべきなのか?

Yuu

そもそも1年点検とは?

ドライブシャフトブーツ
真ん中がドライブシャフトブーツ

まず車検とは、保安基準に適しているかを車両をチェックする為のものであって、例えばドライブシャフトブーツが切れていたりすると1発で車検不適合だ。

車検不適合となった場合は、その箇所を直して再び自動車振興会へ再検査を行い修理した箇所を検査し合格した場合のみ2年間の車両の使用が認められる。

この車検とは違い、あくまでも日常的に使用する上で安全に走行出来るかをチェックする。この点検の時にドライブシャフトブーツが切れて交換をしなくても法定1年点検上は何も問題はない。しかし、ドライブシャフトブーツが切れてると中に水分が入り中のベアリングが錆てしまい、後々異音の原因となってしまう。

フォルクスワーゲンも距離数に関係なく点検した方が良い

私はフロントスタッフをやっているが、正直に申し上げるとフォルクスワーゲンで年間1000~3000km位しか走らない場合は1年点検は受ける必要は無いと思っている。

(ただガソリンスタンド等でタイヤのひび割れの状態や空気圧の確認を日頃から気にしている人に限る。)

※アストンマーティンやマセラティ等々、高級車は走行距離に関係なく毎年点検は必ず受けた方が良い。

経験上、走っていなくても自然に壊れる笑

 フォルクスワーゲンでは年間走行距離が7000km以上のオーナー様には1年点検をオススメしたい。

理由は、国産車とは違い欧州車はオイル量が減ってくるのが早いからだ。

諸説によるとドイツは高速で走る事が多いので金属の熱膨張が大きくなる。

熱膨張により大きくなったシリンダーブロックとピストンリングとのクリアランスが丁度良い具合に保たれる。

なので予めクリアランスを少し大きくしているらしい。

それに比べて日本での走行状況ではエンジンの温度がそこまで上がらない為に、熱膨張が少なく燃焼室内にオイルが上がってしまいオイルが蒸発してしまう。これによってオイル消費が発生する。

フォルクスワーゲンの車両だと、6RのポロGTIがダントツでオイル消費が早い。

早くて3,000km~5,000kmでオイルチェックランプが点灯する。

オイル量が減っている状態で走行してしまうと、上手くエンジン内部が冷却または洗浄等が出来なくなりエンジンを痛めてしまう。

また、40,000km超えた車両では段々と消耗品の交換が出てくる。

スパークプラグ
左側新品と比べると右側は先端がかなり欠けている

特にチェックが必要となってくる部品がスパークプラグだ。

フォルクスワーゲンの大体の車両は60,000km以降で交換をオススメしているが、一部劣化の早い車両がある。

1.2L CBZ
1.2L CBZエンジンのザ・ビートル

その車両とは、ザ・ビートル 1.2L(1.4L,2.0Lターボを除く)、6Rのポロ 1.2Lに搭載されているCBZと呼ばれるエンジンはチェックが必要である。

他にはファミリーカーであるシャランだ。

この車両はタイヤの内減りが非常に早く新車時又はタイヤ交換後20,000~30,000kmでチェックが必要になってくる。

このペースはゴルフGTIやRと同じ位で先日新車時から43,000km走行したシャランを点検した所、4本全てのタイヤがワイヤーが出ており、いつバーストしてもおかしく無い状態だった。

タイヤ 摩耗
タイヤからワイヤーが出て非常に危険な状態だった

1年点検の費用は私のショップでは¥20,000円で承っている。他の所よりやや高いが純正のテスターやある程度の特殊工具、純正部品を取り揃えている為しっかりとした整備が出来るからだ。

先日あるフォルクスワーゲンの車が入庫し、お客様と問診すると外車をメインで修理している所ではなく普通の整備工場へ1年点検をお願いした後に、オイルランプがずっと点滅してしまうとご要望をいただいた。

先ずはオイルランプが点滅していると言う事でオイルの少な過ぎかと思いオイルレベルを確認すると規定の量より遥かに超えていた。

エンジンはCBZと言う型式なのでオイル量は約3.9L入る。しかし、今回見てみると4.5L以上は入っている様子だった。

これは油量が多過ぎてオイルレベルセンサーが反応しているだと判断して、リフトに上げオイルを抜いた。

規定値通りに合わせ、いざ試乗に移り信号待ちから加速した瞬間にまたオイルランプ点滅した。

次に怪しいと見たのがオイルフィルターだった。社外の物が付いており、流石に適合のやつが付いているだろうと思い確認していなかった。

外してみると、まさかの違う物が付いていた。

オイルフィルター 形状
見るからに形が違う

写真で比較すると構造その物が違う。右が純正フィルターで左が入庫した車両に付いていた。右のオイルフィルターには油圧を保持する為にスプリングが付いている。逆に左のフィルターはスプリングが付いていない為に油圧を保持出来なくなりオイルレベルセンサーが点滅してしまったと予測した。

(因みに左の社外のフィルターはゴルフ7以降のフィルターである。)

今回はあくまで一例だけど、過去には社外品のセンサーを付けて他の所が故障したという事例もあった。

こういった事からディーラー又は専門店で定期的に点検を受ける事で後々のトラブルも避ける事ができる。国産車とは違い外車は壊れる確率が非常に高いので、私自身の車も今後壊れない事を祈るばかりだ。

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整備士
現在29歳の男性。フォルクスワーゲンのプロショップでフロントスタッフをしています。 アストンマーティンDB9、マセラティ グラントゥーリズモを所有していました。 現在はメルセデスベンツ Cクラスに乗っています。 いかに安く維持するか日々節約との勝負でその奮闘記やちょっとした整備や雑談を紹介したいと思っています。
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