フォルクスワーゲンやアウディの差し込み型のテレビキャンセラーには気をつけて…テレビが見えなくなり高額修理が必要に。
テレビキャンセラーを使用する際は要注意
走行中にもテレビを視聴したいというニーズから生まれたテレビキャンセラーというコーティングキットがある。
足元等にあるOBD2ポートに差し込めば自動的にプログラミングされ走行中にもテレビが視聴可能になる。
既に様々な情報がネットには載っているが、このテレビキャンセラーはコンピューターを壊してしまう恐れがある。
私が今まで対応してきたのが、MIB1世代の車両で走行中又は停車しても画面が真っ暗になりテレビの視聴が困難になってしまった症状を多数確認している。
原因のほぼ90%がテレビキャンセラーによる、テレビチューナーの故障である。
このMIB1世代のテレビチューナーは新車時から取り付けられており、交換工賃は対して掛からないがチューナー本体料金が非常に高額である。
その額おおよそ50万円程であり、壊れたらそのまま放置してしまうオーナーが殆どである。
ナビゲーションやその他のメディアを統括しているインフォメーションECUの故障にもテレビキャンセラーを使用する事で悪影響を与えているのは間違いない。
インフォメーションECUが故障するとテレビチューナーと同じく50万円程必要になり、こちらは交換しないとナビゲーションシステム等が全て使用できなくなり査定に大きく影響する。
が、しかし格安で直す方法がある。
壊れてしまったテレビチューナーは同世代の車両に付いているテレビチューナーと付け変えが可能である。なのでプロショップやディーラーに問い合わせをした後にヤフオクやメルカリ等で同じ品番のテレビチューナーを中古で購入するのも1つの方法である。
又は故障したテレビチューナーを自分で交換してからテレビが映らないと言ってプロショップやディーラーに持ち込むのも方法の1つである。
(交換したことは黙っておく)
※場合によってはプログラムを変更しにプロショップやディーラーに行かなくとも交換しただけで直ってしまう可能性もある
テレビチューナーの交換は下記になる。
このテレビキャンセラーはインフォメーションECU内にプログラムされているテレビ画面を表示している車速を変更している。
新車時であれば3km/h以上の車速を感知した場合にテレビ画面を見れなくしているが、テレビキャンセラーを使用した場合は車速が255km/hに変更され殆どのフォルクスワーゲンの車両はこの車速に達する事が出来ない為に走行中はテレビが途切れる事もなく視聴が可能になる。
MIB1以外ならキャンセラーを使っても良いのか?
答えはNoである。
ナビゲーションシステムが9.2インチや8インチの新世代の車両もテレビキャンセラーの使用は控えて欲しい。
ディーラーの延長保証や新車保証に入っている場合にテレビキャンセラーを使用しテレビチューナーやインフォメーションECUを始め、その他のコンピューターが故障した場合に保証適用外になってしまう。
テレビキャンセラーを使用しているか、していないかはコンピューターのプログラムに記録されており故障診断時にバレてしまう。
なので何か不具合が発生しディーラー入庫する際はテレビキャンセラーをOBD2ポートに再度差し込み走行中のテレビ視聴をオフにしておくと、もしかしたら延長保証や新車保証が通る可能性があるので1つ頭に入れておいて欲しい。
(そもそも使わない事に越したことはないが…)
またゴルフ8を除く新世代のMIB3ナビゲーションシステムが搭載されている車両はテレビチューナーが新車時には取り付けられていない。
テレビを見るにはテレビチューナーを購入しなければならない。
ここで注目して欲しいのが価格である。
MIB1世代のテレビチューナーは50万円程であるが、MIB3のテレビチューナーは5万円くらいとなっている。
5万円であればテレビキャンセラーを使用し数年後テレビチューナーが故障しても大きな痛手にはならないので使用しても問題ないと思うが1つ注意して欲しい。MIB3ではソフトウェアアップデートで「テレビが映らない」、「音声が出ない」といった症状が改善される可能性があるのでこちらの記事を参照して欲しい。
正規ディーラー勤めの友人に話を聞いたところテレビキャンセラーによってインフォメーションECUが故障した案件が2件ほどあったと情報を得ている。
症状としては、
・画面が真っ暗になり全ての機能が使えなくなった
との事で、結局のところMIB1もそれ以外もテレビキャンセラーを使用するメリットよりもデメリットの方が私は多いと思う。
それでも走行中にテレビが見たいという人は自己責任でテレビキャンセラーを実施して欲しい。
また何か困ったことがあったら是非問い合わせしていただきたい。