6年振りヴァンキッシュが復活する。アストンマーティンはまだまだV12エンジンを諦めていなかった!!
V12ヴァンテージが最後ではなかった
正直に驚いた。
DB12にV8ツインターボを採用したことから、アストンマーティンのV12エンジンは幕を下ろしたと決めつけていた。
それもその筈で、V12ヴァンテージを最後にV12エンジンを搭載するモデルが生産終了するというニュースを数多くのメディアが取り上げていたのを覚えている。
以前話したと思うがV12エンジンは「排ガス規制」の条件をクリアする事が最大の関門となっており、現在のユーロ6規制下で欧州は日本と比べCo2の排出量が更に厳しく定めてある。
そんな中でも、つい最近発表され大注目を浴びたのが、
「フェラーリ 12 Cilindri(ドーディチ・チリンドリ)」
であった。
V12エンジンをフロントに搭載している812スーパーファーストの後継機であり800PSの最高出力は830PSに到達している。
12 Cilindriは最高出力が30PS引き上げられているのにも関わらず2023年9月に以降に販売される車両を対象としている「ユーロ6e」規制を突破している事に驚きだ。
ユーロ6eの詳しい話は置いておくが、この規制を乗り越えた事でフェラーリは2026年まで12気筒を搭載したモデルを作り続けられる。
新世代のV12エンジンとは?
話は戻り、ヴァンキッシュは排気ガス規制を乗り越えフロントボンネットの下にメルセデス製のV8エンジンではなく新世代のV12エンジンを搭載するという。
搭載される新世代エンジンは、カムシャフト、シリンダーブロック、コンロッド、インテークマニホールドやエキゾーストマニホールドに至る全ての部品を改良・強化しておりスパークプラグ、インジェクターといった点火・燃料システムも再設計されている。
DBS 770 アルティメイトやV 12ヴァンテージ同様の5.2Lの排気量は変更されるか気になるが、エンジンの最高出力はDBS 770 アルティメイトの770PS、最大トルク900N・mから増幅され最高出力835PS、最大トルクは1000N・mまで引き上げられる。
フェラーリ、ランボルギーニ、アストンマーティンが開発しているV12エンジンは単体で800PS以上の出力を発生し、10年前のV12エンジンと比べ200~300PS以上増えていることになる。
フェラーリやランボルギーニはV12エンジンに対して半世紀以上の歴史があり、フラッグシップモデルには大排気量のV12エンジンを搭載している。そして現代の排ガス規制下の中でもV12を採用するという情熱と技術力は新しい時代が始まったと思っている。
アストンマーティンはフラッグシップモデルに相応しい
「より高速でクラス最高のパフォーマンスと効率性の向上」
をヴァンキッシで実現すると述べている。
ヴァンキッシュは夏ごろに発表か?
スパイショットされたヴァンキッシュを確認すると、DB12がベースとなっているがフロントバンパー部に特徴的な変更がある。
1本化されたフロントダクトは廃止され、より大容量のエアインテークを取り込む為にキドニーグリルは更に巨大化されている。
私はフロントバンパーに加えてボンネットダクトが冷却の為とV8モデルのDB12の差別化を図るために追加されると予想している。
サイドはカモフラージュが施されているので詳しくは分からないが、新型ヴァンテージ同様にフロントフェンダーからドアにかけて「コ」の字型のフェンダーダクトに変更される造形をしているように見え、DB12よりスポーティかつスパルタンなデザインになりそうな印象である。
フロントは大きな変更があったが、リアもカモフラージュではあるがDB12とは違う箇所をハッキリと確認できた。
DB11、DB12は格納式リアスポイラーを採用しているがヴァンキッシュはダックテールを採用している点だ。
左右テールライトから伸びる赤い一直線の線がダミーなのかは不明ではあるが、ONE-77のようなテールライトを採用してくる可能性も捨てきれない。
マフラーは4本出しとなっているが、マフラー形状が今までのアストンマーティンでは珍しいスクエアタイプとなっている。
アストンマーティンはDBSの後継機となるヴァンキッシュを一般販売ではなく「限定販売」となり少量生産になる事を示唆している。
理由として、搭載されるツインターボV12エンジンがハンドメイドで生産されるからであり、アストンマーティン伝統のV12エンジンへの熱意と技量を集結させたモデルとなる為だ。
戦略および製品責任者のアレックス・ロング氏がこう語っている。
V12エンジンがアストンマーティンの「代名詞」であることを強調し、
あ
「人々は今でも12気筒エンジンを愛しています」
あ
と語っており、私もその意見に同調した。
例え、最高速が300km/hを超える速さであろうが0~100km/hが3秒切るか3秒台なのかは私にとってはどうでも良い話である。
大排気量V12エンジンであり、脳をとろけさせるようなエンジンサウンドがあれば私は良い。
そういった意味ではDB9は私の理想的な1台でもある。
(壊れなければ尚更良いのだが…)
電動化革命が続く中、現代においても新たなV12エンジンのエンジンサウンドを聴ける事にブログを書きながら感謝していた。
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出典:2025 Aston Martin DBS successor spied with new details (motorauthority.com)
出典:Aston Martin V12 Vantage for Sale | Joe Macari