ゴルフやパサート、アルテオンの冷却水(クーラント)は必ず漏れる!?
漏れない車両はほとんどない…
1.8L~2.0Lのエンジンが搭載されている車両で、今回交換する部品はほぼ90%の確率でクーラントが漏れると言っても過言ではないくらい故障頻度が多い事例になる。
お客様の問診内容は、
「クーラントを足しても2~3日でまたクーラントワーニングが点灯してしまい、オーバーヒート寸前になってしまう」
とご依頼をいただいた。
ほぼクーラント漏れの箇所は予想出来ているが、先入観にとらわれずにしっかりエンジン周りを確認していく。
エンジンルームの上からはクーラントタンクが空になっているのが確認出来るが、クーラント漏れをはっきりとは確認する事ができない。
車両をリフトに上げ、アンダーカバーを外すと直ぐにクーラント漏れを確認できた。
見ていただいている読者の皆さんもお気づきだと思うが、
サーモスタットハウジングからのクーラント漏れが起きている。
サーモスタットハウジングは名前の通り、サーモスタットが内部に組み込まれており、電気的に制御されている。
このサーモスタットハウジングは新車取り付け時の品質が悪いのか、ハウジングの至る所からクーラントが漏れる。
本体から漏れていたりガスケットから漏れたりとやりたい放題だ。
しかも部品代が非常に高いのも難点であり、
車検費用と重なると大打撃である。
ここで要注意な点がある。
交換時は価格が半分以下の社外品は出来る限り使用しないで欲しい。
これは過去に数台あった話で、クーラント漏れは解消されるのだが電気的に制御されているサーモスタットが故障してしまいバルブが閉じたままになり、オーバーヒートでレッカー搬送される車両を数台見ている。
こうなると短いスパンで2度交換する羽目になってしまう。
純正部品は高価で私自身でも渋ってしまう金額だが、ここは後々の事を考えて出来る限り純正部品での交換をオススメする。
それと決して中古品やリビルト品は購入しないでほしい。
是非これだけは守っていただきたい。
お客様に見積もりを提示し、了承をいただいたので作業を実施していく。
このサーモスタットハウジングの交換は部品を外す数が多い為に、工賃も高くなってしまう。
簡単に説明すると、
チャージパイプのバンドを緩めて下からチャージパイプを抜き取る。
チャージパイプを抜き取ったらスロットルバルブを外していくとサーモスタットハウジング本体にアクセス出来る。
サーモスタットハウジングに取り付けれているクーラントホースを3本外して、ベルトも外したら残りは本体のボルトを外せば取り外しが可能になる。
ここで更に注意だが、交換時には先程のクーラントホース内部のOリングがあるのでそちらも交換するのがお勧めである。
(過去に交換しないで返却し、1週間後にまたクーラントワーニングが点灯してしまった苦い経験があるので)
サーモスタットハウジングを交換後は、
水温センサーの基本調整が必要なので基本調整を実施し、試走後お客様へ返却。
クーラントが無くなり自走が難しくなった場合はクーラントを補充して近くのディーラーや整備工場に持って行ってほしい。
(絶対にオーバーヒートの状態で走行したり、他ブランドのクーラント液を混ぜないでほしい)
こちらのクーラント液をそのまま補充するのをオススメする。
足りなかった場合は水道水を入れてほしい。
(ミネラルウォーターは入れるのはNGである。これについては機会があったら紹介する。)
今回のサーモスタットハウジング交換工賃及び部品代となる。
交換工賃 39,000円
サーモスタット ハウジング 90,000円 06L 121 111P
ウォーターポンプ 18,792円 06L 121 012L
トゥースベルト 3,888円 06K 121 605C
ユニオン 2,376円 06L 121 131
Oリング 1,056円 WHT 004 973
Oリング 1,372円 N 907 653 01
クイックカップリングピース 3,312円 5Q0 122 291AB
クーラント 3,410円 G 12E 100 M2
合計 163,207円