ゴルフ7/7.5のタイミングベルト交換時期はどれくらい?交換費用や作業の様子を紹介していく!

タイミングベルトとは?なぜ交換が必要?
タイミングベルトは、エンジンのクランクシャフトとカムシャフトを同期させる重要な部品になる。
フォルクスワーゲン車の多くはタイミングベルトを使用しており、ゴム製であるため金属同士が接触するタイミングチェーンに比べてエンジンノイズが少なく、静粛性が求められる車両で特に有利になる。
また、金属製のタイミングチェーンよりも製造コストが低いので交換料金もチェーンと比べて安く抑えられるメリットがある。
このベルトが正常に機能することで、ピストンとバルブの動きが正確に調整され、エンジンがスムーズに作動する。
しかし、タイミングベルトはゴム製であり、経年劣化や走行距離の増加によって摩耗や劣化が進んでしまう。
ゴルフ7/7.5は極めて稀ではあるが、タイミングベルトが切れたり、歯飛びしたりすると、ピストンとバルブが衝突する「インターフェアランスエンジン」(ピストンの動きとバルブの動きが重なる設計エンジン)の場合、エンジン内部に深刻なダメージを与える可能性がある。
ゴルフ7/7.5の多くのエンジン(特にTSIエンジン)はインターフェアランス設計であるため、タイミングベルトの交換は予防整備として非常に重要な項目となっている。
タイミングベルトの交換時期
フォルクスワーゲンの公式推奨では、ゴルフ7/7.5のタイミングベルト交換時期は走行距離24万kmを目安としている。
しかし、私のショップでは、エンジンの負担や日本の気候条件(高温多湿や寒冷地での使用)を考慮し、走行距離13万kmまたは10年以上経過した時点で交換を強く推奨している。
以下のような状況では、推奨時期よりも早めの交換を検討してほしい。
•長期間乗らないまま放置されている場合:タイミングベルトが同じ位置で固定されたままなのでゴムの劣化が進行しやすくなる
•不適切なメンテナンス履歴:過去の整備記録が不明な中古車の場合、早めの点検が必要
タイミングベルト交換を怠るとどうなる?
タイミングベルトの交換を怠ると、以下のようなリスクが生じる。
•走行不能:ベルトが切れるとエンジンが停止し、路上でのトラブルやレッカー搬送が必要に。
•車両価値の低下:エンジンブローした場合の車両の下取り価格は正常な車両と比べ大きく下落し、最悪の場合は値段が付かない場合がある。
これらのリスクを回避するため、定期的な点検と適切なタイミングでの交換が不可欠で提案された時には優先して作業を行う必要がある。
タイミングベルト交換
ゴルフ7/7.5のタイミングベルト交換は、専用のアプリケーションを用いてタイミングを測定しながら行うので正規ディーラーやプロショップのみで修理が可能になる。なのでDIYでの作業は基本的に不可能である。
交換手順
基本的に1.2LのCJZや1.4LのCPTエンジンでの作業は同じであるが、1.4Lはエキゾースト側のカムシャフトアジャスターの交換が必要である。今回は1.2Lのタイミングベルト交換を主に紹介していきたい。
※本記事では、部品交換の主要なプロセスを紹介ため、一部の細かい作業や特殊なケースについては省略しているので注意してほしい。
実際の作業では、状況に応じて追加の手順が必要になることもあるので、参考程度にみていただきたい。
1. 車両のリフトアップ
エンジンが冷えた状態で作業開始。車両をジャッキアップし、バッテリーのマイナス端子を外し、電気系統の安全を確保。
2. クランクプーリーの取り外し
タイミングベルトカバーやクーラントタンク、リブドベルトを取り外す。特殊工具T10340を用いてNo.1シリンダーを上死点位置にし位置にしクランクプーリーを外す。
クランクプーリーを取り外し後、ロアカバーを取り外してクランクプーリータイミングベルトスプロケットにプーリーボルトを取り付ける。
3. インテーク側カムシャフトアジャスター緩め
特殊工具T10172にT10554を取り付けて、カムシャフトアジャスターを固定しながらスクリュープラグを取り外す。
取り外し後、再度カムシャフトアジャスターを固定しカムシャフトアジャスターボルトを緩める。
緩めた後はタイミングベルトテンショナーのボルトを緩め特殊工具T10499でテンショナーのテンションを解除しタイミングベルトを取り外す。取り外し後、インテーク側のカムシャフトアジャスターを新品に交換する。
4.タイミングベルト取り付け
新品のカムシャフトアジャスターのボルトを新品に交換し手締めで締めていく。
カムシャフトアジャスターがカムシャフト上で動く事を確認し、ツースドベルトを取り付けていく。テンショナーを固定しバルブタイミングの点検を実施する。
5.バルブタイミング点検
ウォーターポンプを取り外して特殊工具VAS 611 007のキットをインテーク/エキゾースト側のカムシャフトスプロケットに取り付ける。
1.2LはACT(アクティブシリンダーマネジメント)が非搭載なので下記の規定にバルブタイミングを合わせる。
インテーク側規定値 | -0.5°±1.5° |
エキゾースト側規定値 | +1.5°±1.5° |
バルブタイミング点検終了後、インテーク側カムシャフトアジャスターを2段階のトルク締めを行う。
1段階目 | 18N•m |
2段階目 | 50N•m |
トルク締め後、最終締め付け行う。
最終段階 | +135° |
カムシャフトアジャスターの締め付けが終了後、バルブタイミングを再点検し取り外しと逆の手順で作業を行いエンジンを始動し、異常音やエンジンオイルの漏れがないか確認する。
エンジンを数分間アイドリングさせ、タイミングが正確であることを確認しロードテストを行いエンジンチェックランプが点灯しない事を確認しお客様へと返却した。
作業時間は正規ディーラーやプロショップでは約6時間くらいとなるが、基本的には1泊2日や2泊3日の預かる可能性がある。
よくある質問(FAQ)
問い合わせやコメント欄でいただく質問を先取りして回答していく
• 中古車で整備履歴が不明。
• タイミングベルトがの表面劣化している。
• 日頃から低速走行、アイドリング時間が長い。
タイミングベルト交換を長持ちさせるコツ
タイミングベルトの寿命を延ばし、交換時期を最適に保つための予防策を紹介する。
定期的なエンジン始動
長期間放置するとエンジン内部の潤滑油が停滞し、タイミングベルトや関連部品に負担がかかります。2~3週間に1度、10分程度エンジンを始動させると良いでしょう。
クーラントとオイルの定期交換
ウォーターポンプやエンジンオイルの状態が悪いと、タイミングベルト周辺の部品に悪影響を与える可能性がある。
タイミングベルトの状態確認
正規ディーラーやプロショップでの定期点検や車検を行い、タイミングベルトの点検を行ってもらう。
まとめ
ゴルフ7/7.5のタイミングベルト交換は、エンジンには欠かせないメンテナンスになる。フォルクスワーゲンの公式推奨では24万kmまたは10年ごとの交換が目安であるが、日本の使用環境を考慮し、13万kmまたは10年での交換を推奨する。
交換を怠るとエンジン破損のリスクが高まり、高額な修理費用が発生する可能性があるため、定期的な点検が重要となる。
タイミングベルト交換工賃
•タイミングベルト交換 65,000円
•タイミングベルト 23,500円 04E109119G
カムシャフトアジャスター 27,000円 04E109088AN
•テンショニングローラー 19,200円 04E109479AA
•リレーローラー 12,400円 04E109244B
•カラーボルト 1,080円 N 91264601
•プラグ 1,300円 WHT004914
•ガスケット1,400円 WHIT001386
•ボルト1,300円 WHT000729A
•ボルト 680円 N 10124308
•ボルト 1,200円 N 91204401
•ボルト 600円 N 91204001
•ボルト 780円 N 10665001
•ボルト 1,450円 N 91201001
•ボルト 800円 N 91167101
•ボルト 670円 N 91066101
•ボルト1,440円 N 10706901
•ボルト 1,550円 N 91029602
•ボルト 1,080円 N 10552404
•ボルト 1,560円 円 N 10655802
•ボルト 2,300円 N 10546404
•ワッシャー 900円 WHT003247
•シール 1,000円 N 90344501
•Oリング 1,400円 04E121119D
•Oリング 1,600円 WHT007568
•Oリング 4,200円 04E121119AM
税込合計金額 192,929円
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