ゴルフ8

ゴルフ8の黄色警告灯(トラベルアシスト・ACC使用不可)はステアリングホイール故障?交換費用と対象車種を整備士が解説

Yuu

警告灯が付いたら先ずは安全な場所に

⚠ 今、警告が出ている人へ|まずこれを実施してください
  1. 1 慌てなくて大丈夫。エンジンや走行に影響する故障ではない
  2. 2 ただしトラベルアシスト・ACC・レーンキープなどの運転支援機能は使用不可になる
  3. 3 安全な場所に停車してエンジンを再始動。一時的に消えるケースもある
  4. 4 再表示されたらディーラーかVW専門ショップで診断機による故障コード読み取りを依頼
  5. 5 新車保証期間内(3年)または延長保証加入車両は無料修理対象になることが多い

※ステアリングホイール本体の交換が必要な場合、費用は約63,000円。保証適用なら自己負担ゼロのケースが大半。

ゴルフ8でトラベルアシスト・エマージェンシーアシストの黄色警告が出たという相談はここ最近増えている。最初は数か月に1台程度だったが、先月に至っては2~4台のペースで入庫してくる。

結論から言うと、この警告の原因はほぼステアリングホイール本体の検出機能の不良だ。エンジンや走行系統に問題はないため安全に運転できるが、運転支援機能が無効化されるため早めの対応を勧めたい。

そもそもこの警告は何を意味するのか

ゴルフ8には複数の運転支援機能が搭載されているが、警告が出るとそれらが軒並み使用できなくなる。具体的に何が使えなくなるのかを整理する。

DRIVER ASSIST — 警告時に使用不可になる機能
機能名 機能の内容
トラベルアシスト
(Travel Assist)
高速道路などでハンドル操作・加減速を自動補助する半自動運転機能。長距離運転の疲労軽減に役立つ。
VWトラベルアシスト警告表示
トラベルアシスト関連の警告表示例
ACC
(アダプティブクルーズコントロール)
前車との車間距離を保ちながら自動で加減速する機能。渋滞中も自動追従できる。
レーンキープアシスト 白線を検知してハンドル操作を補助し、車線中央を維持する機能。
エマージェンシーアシスト ドライバーの異常(居眠り・体調不良など)を検知して自動停車する救命機能。
VWエマージェンシーアシスト警告表示
エマージェンシーアシスト関連の警告表示例

これらの機能はいずれもハンドルにドライバーの手が触れていることを検知することで安全に動作するように設計されている。つまりハンドルのタッチセンサーが故障すると、これらの機能の安全性が担保できないため、システム側が自動的に機能を停止する。

故障コード「U112300」「B17B8F2」がカギ

診断機を繋いで読み取れる故障コードはこれだ。

FAULT CODE — 故障コード
B17B8F2
ステアリングホイールコンタクトディテクションECU
センサー故障
U112300
ACCシステム
データバスエラー値受信

この故障コードが入力されている場合、ステアリングホイール内部のタッチセンサーが故障していることを示している。ディーラーやVW専門ショップで診断機を繋げば1分程度で判明する。

故障が確認されている対象車種

TARGET VEHICLE — 同症状が確認されているVW車種
車種 確認状況 備考
ゴルフ8 ★ 多数確認 2021年式以降で発生報告多数。月数台ペースで入庫。
ゴルフ8 GTI / R 確認あり 同じステアリング部品を採用。発生条件は通常モデルと同じ。
ティグアン(AD) /
T‐ROC
同系部品採用 同じ世代のステアリング部品を使用。今後同症状の報告が増える可能性。

物理スイッチ式ステアリングも故障する

ゴルフ8のステアリングは大別して2タイプある。タッチセンサー式(黒く滑らかな操作面)と物理スイッチ式(押し込み式のボタン)だが、どちらもこの故障は発生する

ショップでの経験談: 「タッチセンサー式だから壊れる」と思っている人もいるが、 物理スイッチ式でも同じ故障コードが出るケースを確認している。 中身の検出ECUは共通であるためだ。 「自分のは物理スイッチだから関係ない」とは言い切れないので、警告が出たら必ず診断を受けてほしい。

ステアリングホイール交換工賃

実車事例

2021年式ゴルフ8 ステアリングホイール交換費用

交換工賃及び診断料等
8,000円
ステアリングホイール本体 純正部品番号:5H0419093B YPG
53,000円
ステアリングセンターボルト 純正部品番号:N 9799102
2,000円
税込合計
63,000円

※車種・年式・グレード・部品価格・診断内容により費用は変動します。上記は2021年式ゴルフ8でのステアリングホイール交換実例になる。

保証期間外の場合
63,000円
全額自己負担。中古車購入から3年以上経過、または延長保証未加入の車両。
保証期間内の場合
¥0
新車保証3年または延長保証加入車両は 製造不良として無料修理 対象。

保証期間内なら必ずディーラーへ: 板金歴がない車両でこの症状が出た場合、 製造不良としてVW新車保証または延長保証で無料修理される可能性が極めて高い。 期間内なら自己負担0円になるケースが大半なので、まずはディーラーに相談を。

ステアリングホイール交換の作業手順

参考までに、私のショップでの実際の作業手順を紹介する。エアバッグ取扱・スリップリング保護・トルク管理が必要なため、DIYは強く非推奨。プロショップへの依頼を勧める。

了解です。 下記は Noto Sans JP と JetBrains Mono を外して、記事本文フォントを継承する修正版です。 このまま丸ごと差し替えてください。
1
診断機での故障コード確認:VW専用診断機でB17B8F2コードが入力されていることを確認。バッテリーマイナス端子は安全のため外すのが理想だが、店舗では外さずに作業することが多い。
2
⚠ エアバッグの取り外し:ステアリングを100°程度切ると裏面に小さな穴が見える。ミニマイナスドライバーで内部の金属棒を下方向に押しながら、エアバッグを手前に引っ張ってロックを外す。力を入れすぎるとホーン金属線が変形し、取り付け後にホーンが鳴り続けるので要注意。
ゴルフ8 ステアリング裏側のエアバッグ取り外し作業
ゴルフ8 エアバッグロック解除作業
ゴルフ8 ステアリングエアバッグ取り外し手順
ゴルフ8 エアバッグ取り外し後の状態

ステアリング裏側のロック解除位置

ゴルフ8 エアバッグ取り外し時のホーン金属線変形注意
金属の変形に注意
3
反対側も同様に作業:片側を外したら反対方向も同じ手順でロック解除。エアバッグがステアリングから浮き出た状態になる。
4
コネクタの取り外し:エアバッグのコネクターとステアリングスイッチモジュールのコネクターを慎重に取り外す。
ゴルフ8 ステアリング内コネクタ取り外し作業

エアバッグ側・ステアリングスイッチ側のコネクタを慎重に取り外す

5
⚠ センターボルトの取り外し:トリプルスクエアM12を使用。ネジロック剤が塗布されているので取り外しに力が必要。電動工具を使う際はインパクトの当てすぎに注意。
ゴルフ8 ステアリングセンターボルト取り外し

センターボルトはトリプルスクエアM12を使用して取り外す

6
⚠ ステアリング中央コネクタの取り外し(最重要):ステアリングホイールを外す前に、必ずステアリング中央のコネクタを外す。これを忘れて引き抜くとステアリングスリップリングを破損させてしまい、追加修理費数万円が発生する。
7
ステアリング本体の取り外し:コネクタが全て外れたらステアリング本体を真っ直ぐ手前に引き抜く。
8
ステアリングスイッチモジュールの取り外し:スイッチモジュールはネジ固定ではなくはめ込み式。プラスチック製の内張剥がしでモジュールを浮かす。全体的に浮いてきたら裏面の小さなコネクタを外す。
ゴルフ8 ステアリングスイッチモジュール取り外し作業
ゴルフ8 ステアリングスイッチモジュール裏側コネクタ
ゴルフ8 ステアリングスイッチモジュール取り外し後

スイッチモジュールははめ込み式。内張剥がしで少しずつ浮かせる

9
新品ステアリングへの取り付け:新品ステアリングにスイッチモジュールを取り付ける。新品は基本調整完了済みのため、特別な設定は不要。
ゴルフ8 新品ステアリングへのスイッチモジュール取り付け

新品ステアリングへスイッチモジュールを移植する

10
逆順で組み戻し:センターボルト→コネクタ→エアバッグの順で取り付け。コネクタの差し込み忘れがないかを必ず確認。
11
動作確認とACC走行テスト:診断機でエラーコードを消去し、警告灯が消えていることを確認。実際にACCを使った走行テストを行い、運転支援機能が正常に動作することを確認して完了。

よくある質問(FAQ)

GOLF8 STEERING WARNING — FAQ
よくある質問 — Frequently Asked Questions
Q1
警告が出ても普通に走行できますか?
Aはい、エンジンや走行系統には影響しないため、普通に走行可能だ。ただしトラベルアシスト・ACC・レーンキープアシスト・エマージェンシーアシストの全ての運転支援機能が無効になる。長距離移動が多い人は早めに修理することを勧める。
Q2
新車保証はまだ残っています。修理費は本当に無料ですか?
A製造不良として新車保証で無料修理される可能性が極めて高い。ディーラーに「急に警告灯が点灯した」と伝えれば、故障コードが残っていれば保証適用での対応が一般的だ。延長保証加入車両も同様に無料対応されるケースが大半。
Q3
警告が一度消えました。修理しなくても大丈夫ですか?
A一時的に消えても、ほぼ確実に再発する。センサー故障は熱・振動・経年で進行するため、再始動でリセットされても根本原因は解決していない。診断機で故障コードを読み取れば履歴が残っているため、ディーラーに早めに相談を。保証期間内なら今のうちに対応するのが賢明。
Q4
同じステアリングに交換してもまた壊れる可能性はありますか?
A残念ながらある。VWの根本的な改良が入っていない限り、新品ステアリングでも数年後に再発するケースを確認している。ただし交換後すぐに再発するケースは稀であるが、1年内に再発する可能性もある。部品保証も2年あるので再発時も無料対応される。
Q5
DIYでステアリング交換するのは可能ですか?
A強く非推奨。理由は3つある。①エアバッグの取り扱いはホーン金属線変形のリスクと、最悪の場合エアバッグ誤作動による怪我のリスクがある。②ステアリング中央コネクタの外し忘れでスリップリング破損(追加修理費数万円)。③センターボルトのトルク管理はネジロック剤の関係で慣れが必要。プロに任せた方が結果的に経済的だ。
Q6
中古車を購入する前に、この故障の有無を確認する方法は?
A3つの方法がある。①整備記録簿で「ステアリングホイール交換」履歴を確認(対応済みなら安心)②販売店に診断機でエラーコード履歴のチェックを依頼 ③試乗時にACCやトラベルアシストを実際に作動させて正常動作を確認する。ゴルフ8中古車購入時の必須チェック項目として覚えておきたい。
Q7
ゴルフ8.5や新型ティグアンも同じ症状が出ますか?
A同じステアリングプラットフォームを採用しているが、同症状の発生例が確認されていないので安心していただきたい。
Q8
物理スイッチ式に乗り換えれば故障しませんか?
A残念ながら物理スイッチ式でも同じ故障コードが出る事例を確認している。タッチ操作面と物理スイッチで操作方法は違うが、内部の検出ECUは共通のため、こちらの故障率はタッチ式と同程度。「物理スイッチ式の中古車を選べば安心」とは言い切れないので注意してほしい。
Q9
修理にはどのくらいの時間がかかりますか?
A作業自体は1〜1.5時間程度で完了する。ただし新品ステアリングを取り寄せる必要がある場合、ディーラー在庫がなければ1〜2週間の納期がかかる。先に部品を取り寄せてから入庫日を決めると、当日中に作業完了して帰れる。事前にディーラーに問い合わせて部品在庫を確認するのがおすすめ。

まとめ

この記事のポイント
ゴルフ8でトラベルアシスト・エマージェンシーアシストの黄色警告が出る原因は、ほぼステアリングホイール本体のタッチセンサー故障
故障コードは「B17B8F2 ステアリングホイールコンタクトディテクションECU センサー故障」「U112300 ACCシステム データバス、エラー値受信」。
エンジンや走行系統には影響しないため、走行は可能。ただし運転支援機能(ACC・レーンキープなど)が全て無効になる。
修理はステアリングホイール本体の交換が必要。費用は約63,000円(部品53,000円+センターボルト2,000円+工賃8,000円)。
純正部品番号:5H0419093B YPG(ステアリングホイール)/ N 9799102(センターボルト)。各モデルで品番が違うので注意。
新車保証3年または延長保証で無料修理対象になる可能性が極めて高い。
物理スイッチ式ステアリングでも同じ故障が発生する。タッチ式に限った問題ではない。
ゴルフ8.5・新型ティグアン・新型パサート・ID.4でも同症状の発生報告はない。
無料ツールの紹介と問い合わせについて

修理費や今後の維持費、売却を含めた判断に迷う場合は、下記の無料ツールを作成しました。 年間維持費の目安を確認できる「VW維持費シミュレーター」、症状から原因を探せる「VW故障診断チャット」、乗り換え判断に使える「VW売却価格AI診断」を用意しているので是非ご利用ください。

なお、入庫のご案内は現在受け付けていませんが、この記事の内容について気になる点や判断に迷う症状があれば、気軽に お問い合わせフォーム 又はコメント欄にメッセージを送ってください。

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  1. char

    こんにちは。
    同じ症状でハンドル交換しましたが、一年たたずに再度同じ症状に悩まされております。
    保証も切れており頭の痛い限りです〜

    • Yuu

      char様
      初めまして!コメントありがとうございます。
      同じ症状が再発してしまったんですね…
      以前交換したステアリングの製造年月日が偶然古い物で当記事に対してソフトウェア対策済みのステアリングではなかった可能性もありますね。。。
      もしくはステアリングスイッチモジュールの可能性もありますが、ステアリングホイールには部品保証というものは付いていなかったでしょうか?

      • char

        お返事頂いていたのにすみません!
        部品保証が付いていたのかどうかわかりません、、、交換してくれた販売店は車体を購入したところではなく、あまり強く言えずのらりくらりと先伸ばしされております。フォルクスワーゲンジャパンに相談しようかと思っている次第です。
        良い方法があればご教示願えるとありがたいです。
        どうぞ宜しくお願いします。

ABOUT ME
Yuu
アストンマーティンDB9やマセラティグラントゥーリズモ、メルセデスベンツCクラスを過去に所有し、現在はジャガーFタイプと三菱エクリプスクロスを愛車とする30歳の整備士が運営するブログ「タチバナ記録簿 」。 フォルクスワーゲンのプロショップでフロントスタッフとして働く著者が、輸入車の維持費を安く抑える節約術や日常のメンテナンス、ちょっとした雑談をリアルに紹介。 高校生時代からの車への情熱を交え、初心者からベテランまで役立つ情報を発信。 フォルクスワーゲンのメンテナンスのコツやコストダウン方法を探しているなら、このブログを是非覗いてみてください。

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