ポロ(AW)で「車両から離れる時は~」と出たらシフトレバーの故障を疑え!?ゴルフ7やポロ(6C)とにている故障内容とは?

何故か故障してしまうシフトレバー
ゴルフ7のシフトレバー故障の記事では多くの反響をいただき、問い合わせも数多くいただいたが今回は新しい型式のポロになる。

とまぁ、作業内容は似ているのだが改めて紹介していきたい。

今回の症状はベースモデルのみ症状が発生し、キーシリンダーが取り付ついている車両が対象になる。

お客さんからの内容が、
『走行中に突然「P位置に入れて~」っと警告灯が点灯したから、車動かなくなるかとビックリして連絡した。
その後もドアロックが効かなかったり、エンジンを切る度に黄色い三角の警告灯が点灯して鬱陶しいから早めに直して欲しい』
とご依頼をいただいた。

早速診断機にて故障コードを確認すると、
「Pポジションロックスイッチ 当てはまらない信号」
と故障コードが入っていた。
この症状が発生した初期の頃は、マイクロスイッチモジュールという後付けのP位置を認識させる装置がまだ用意されていなかったので、当時はシフトレバーメカニズム本体の交換を実施していた。

しかしここ1~2年の間にマイクロスイッチモジュールの開発が進められ、ポロ(AW)型にも後付けで取り付けられるようになった。

なので、シフトレバーメカニズム本体では高価な作業となっていたが比較的安価で修理することが出来るので安心していただきたい。
※この故障が原因で車両が動かなくなったりエンジンが掛からないという症状は発生しない。気にならないのであればそのまま放置しても問題はない。
(ただし稀にドアロックが効かなくなるので注意する)
ポロ(AW)には年式等によってシフトレバーメカニズムが違うので、パターンによって若干の価格差があるので気をつけていただきたい。
今回ご依頼いただいたポロのシフトレバーは「ZF製」であった。

「ZF製」も「ECS/Küster製」も作業内容は殆ど変わらないので紹介していきたい。
初めにシフトレバーカバーを取り外してシフトレバーメカニズムのパターンを確認する。
ZF製は全体的に黒いのが特徴的で、ECS/Küster製は上面が白くなっているので見分けられる。

パターンの違いによってマイクロスイッチモジュールの部品番号が違うので注意し、シフトレバーを取り外す。
枠に沿ってシフトレバーカバーをプラスチック製の内張剥がしで外したら、シフトレバーをシフトレバーメカニズムから取り外す必要がある。シフトレバーはレバー根元の金属バンドをペンチで切り上に引っ張るとシフトレバーが外れる。

このときシフトロックをフリーの状態で取り外さないと取り付けることが出来ないので注意していただきたい。


もし、ロック状態にシフトレバーがなってしまった際はフリー状態にする必要がある。フリー状態には特殊工具が必要なのでディーラー又はプロショップに問い合わせが必要である。


センターコンソールパネルをプラスチック製の内張り剥がしで浮かせ、Type-Cポートのコネクターを2本外してトリムを取り外す。


続いてセンターコンソールのサイドパネルのトルクスと、ボディとセンターコンソールを止めているトルクスを外していく。

続いてハンドルブレーキのロックスイッチを取り外す。
(これが非常に硬くて厄介)



上手く抉ってロックスイッチを取り、ハンドブレーキのレザー根本付近にツメがある。

Lピック等が挟めるのでシフトレバー側に倒しながらサイドブレーキカバーを上に持ち上げてカバーを取り外す。
運転席と助手席を最前へ移動させ、後部座席のコンソール周りを外す作業になる。
アームレストトリムの取り外しは、ツメのみで取り付いているので内張り剥がしを差し込み簡単に外すことができる。アームレストを留めているのはキャップで隠れている左右2本の10mmボルトと10mmのナットを2個取り外してアームレストを外す。



アームレストを取り外すとサイドブレーキケーブルが見えてくる。センターコンソールを留めているナットを2つ外し、サイドブレーキケーブルのナットに印を付ける。


ナットを緩めていくと(外す必要はない)サイドブレーキの稼働量が広がっていくのでサイドブレーキの上端がなるべく天井を向くような位置まで上げるようにナットを緩める。

センターコンソールを取り外するせる状態になったので、センターコンソールを取り外すとシフトレバーメカニズムが姿を現す。

シフトレバーメカニズムブラケットが邪魔なの10mmのナットを4つ外し、完全に露出させる。

ここでようやくスイッチモジュールの取り付けが可能になる。
シフトレバーメカニズム内にトルクスがあるのでトルクスボルトを取り外していく。

金属スリーブを入れ、モジュールを取り付ける。

ロングトルクスを差し込み締め付けていく。


シフトレバーメカニズムのコネクターを外しモジュールのソケットに取り付ける。

モジュールが取り付け終えたら、基本調整に移る。説明するのがやや難しいので要約させていただくが、シフトレバーを「P」位置に戻し「R」方向へ力を入れながら2本のT8?(忘れてしまった)を締め込むとマイクロスイッチモジュールがP位置を認識するようになる。

※シフトロックボタンで解除せずに作業を行う
締め付けが終えたら最後にシフトロックボタンを押して、「R」位置に切り替わるか変わらないかの境目でマイクロスイッチが離れると基本調整は完了している。
基本調整が完了したら、後は取り外しと逆の手順で各トリムを組み上げていく。
以下、2019年式 ポロ(AW)マイクロスイッチモジュール取り付け費用になる。
•交換工賃及び診断料等 10,000円
•マイクロスイッチモジュール 30,000円 3Q0713128A
税込み価格合計 40,000円
•交換工賃及び診断料等 11,000円
•マイクロスイッチモジュール 30,000円 3Q0713128A
税込み価格合計 41,000円
続いてマイクロスイッチモジュールとは異なり2つ目の故障を簡単に紹介する。
写真がなく文章のみとなってしまうが、故障率は極めて低い事例になる。
内容としては、エンジンチェックランプが点灯し同じように黄色い三角マークの警告灯が点灯する症状である。
入庫した時は警告メッセージを確認することが出来なかったが、お客さん曰く、
「確かP位置にいれて…」
と書いてあったとヒントをいただいた。
診断機にて診断するが、結局何も分からずディーラー勤めの友人に助けを求めた。
すると、この症状に対する対応策はオンボードサプライコンピュータを交換すれば症状が治ると助言をいただいた。
ポロのオンボードサプライコンピュータは運転席足元にあるので、交換してみると症状が改善された。値段は工賃合わせておおよそ10万円程で作業は実施できる。

2つ目の故障は案件が1件のみだったので詳しい内容を紹介出来なく申し訳ないが、今後詳しい情報が手に入り次第この記事を更新させていただく。
•交換工賃及び診断料等 6,000円
•オンボードサプライECU 104,000円 2Q0937190A
税込み価格合計 110,000円