脅威的な加速力のゴルフ8R 20Yearsに試乗!歴代最強のゴルフはベースモデルとは一体何が違うのか?
歴代のゴルフを乗り継ぐオーナー
ショップのお客様に生粋のゴルフR信者がいる。
歴代の全てのゴルフRを乗り継いでおり、現在はゴルフ5 R32、ゴルフ7.5R、ゴルフ8Rを所有しており、今回ゴルフ8Rから新たにゴルフ8R 20Yearsへと乗り換えた。
そのお客様が慣らし運転を終えて、ショップへと遊びに来てくれた。
そして私と社長に試乗の機会を与えてくれたのでベースのモデルとの違いを見つけていこうと思う。
因みに前回紹介させてもらったゴルフ8Rは、
今回20Yearsを購入したお客様が所有してた個体である。
ゴルフ8R 20Yearsにいざ試乗
先ずはエクステリアになるが、ベースモデルと大きく変更された点はそこまで多くはない。
細かな変更点といえばフロントグリルの「R」バッチがメッキからブルーに変更され、ドアミラーカバーはクロームからブラックになっている。
私はフロントキャリパーは更に大型化されると読んでいたが、特に大型化されることはなくベースモデルと同様の物が取り付けられていた。
ホイールは18インチから19インチへとインチアップされ、タイヤサイズも225/45 R18から235/35 R19へと変更されている。
サイドも殆ど変わりはないが、Bピラー部に20周年を記念したバッチが貼られており限定車ならではの演出がされている。
ベースモデルと大きく違うのがリア周りであり、特徴的なのが大型化されたリアスポイラーであり、ダウンフォースをより多く獲得する為に20Yearsのみに装着されており、後付け感もなく非常にデザインもカッコ良い。
現在このリアスポイラーは国内、ドイツ本国の在庫は無く生産も中止されている。(2024/5/23現在)
因みに価格と純正部品番号は
5H4 827 934G YXZ
となっている。
続いてリアディフューザーから「AKRAPOVIC」製のマフラーが突出している。
これも20Yearsだけの装備であり、最強のゴルフ8に相応しくチタンエキゾーストは快音を奏でると予想した。
そしてエンジンを始動するとベースモデルとは明らかに違う排気音がマフラーから聞こえきた。
ベースよりもう一回り野太い重低音がプラスされたと感じ、冷感時始動は神経質な人から苦情きてもおかしくない音量である。
ベースモデルとエンジンは大きく変わっていないが、最大出力が320PSから333PSへと引き上げられている。最大トルクは420N・mとそのままであるが発生回転域がベースの2100~5350rpmに対して20Yearsは2100~5500rpmと拡大している。その恩恵で0~100km/hは4.7秒から4.6秒に縮まっている。
13PSのチューニングが行われた20Yearsであるが、トランスミッションはベースモデルと同じ変速比の物が取り付けられている。
以下、ゴルフ8R 20Yearsの諸元表である。
全長×全幅×全高 | 4,295×1,790×1,460mm |
車両重量 | 1,540kg |
エンジン型式 | DNF |
最高出力 | 330PS |
最大トルク | 420N・m |
エンジン種類 | 直列4気筒DOHC16バルブICターボ |
総排気量 | 1,984cc |
トランスミッション | 7速 DSG |
そして目の前にある20Yearsには更なる味付けがされている。
それがインフォメントシステムであり、通常の「コンフォート」、「スポーツ」、「カスタム」の他に「ドリフト」、「ニュルブルクリンク」モードが加わっていた。
流石に「ドリフト」を試す訳にもいかなかったが、「ニュルブルクリンク」モードを試してみる事にした。
このニュルブルクリンクモードは俗に言う「やる気スイッチ」モードであった。
排気音は更に高まり、アクセルレスポンスが機敏になるのだが私が特に凄いと感じたのが、
「トランスミッションの変速」
であった。
とにかく前へ前へ進もうとトランスミッションがダイレクトに繋がっていくのが印象的でノーマルモード時(スポーツ)よりも明らかに加速感が違った。
そして乗り心地も固くもなくマイルドな印象で、「ニュルブルクリンク」モード時は可変式ダンパーが柔らかめに変更されるそうだ。
なので普通に乗れる。ゴルフ7よりもボディ剛性は上がり安全性も増しており、やる気になれば一瞬でコンパクトカーから超高性能ホットハッチへと変貌する。
このゴルフ8R 20Yearsは素晴らしい車でスポーツカーキラーとも言えるが、重要な事を忘れてはいけない。
価格だ。
コンパクトカーで約800万円という値段に驚きを隠せない。
セダンやクーペ、SUVの話ではない。コンパクトカーである。
皆さんは新車で購入しようと思うだろうか?
少なくとも私はコンパクトカーにこの値段はやり過ぎだと思っている。
もしかしたら数年後には1,000万円のコンパクトカーがフォルクスワーゲンから登場するかもしれない…
フォルクスワーゲンの中でもゴルフは長い歴史を持ち、過去最強のパフォーマンスを持っているゴルフ8R 20Yearsはお金持ちの遊び車という印象が残ってしまった。