エンジンシャンプーとフューエルアディティブは必要?ディーラーで勧められたら入れるべきなのか??
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点検などで推奨される添加剤

点検や車検で正規ディーラーにクルマを預けたとき、エンジンシャンプーやフューエルアディティブを勧められたことはないだろうか。
当ショップでもよく聞かれるのが、「ディーラーで勧められたけど、これって本当に必要なの?」という質問だ。見積もりに聞き慣れない名前が並んでいたら、身構えてしまう気持ちはよくわかる。
結論から言うと、勧められたらどちらも追加しておいて損はない。ただし2つは名前が似ているだけで、入れる場所も、きれいにする場所も、入れるタイミングもまったく違う。
この記事では、VW専門店で整備をしている立場から、2つの添加剤がエンジンの中で何をしているのかを、エンジンオイルを「血液」にたとえて解説する。
先に結論
- エンジンシャンプーは、オイル交換の直前に入れる。 できればオイル交換のたびに実施したい
- 特にゴルフ7・ゴルフ7.5世代など、5年以上たったクルマにはぜひ使ってほしい
- フューエルアディティブは、ガソリン車なら4〜5万kmを超えてからの使用で問題ない。 ただし1回で終わりではなく、定期的に入れ続けるもの
- ディーゼル車は汚れるペースが早いので、フューエルアディティブを積極的に入れてほしい
- どちらも3,000円前後。 ディーラーで勧められたら、追加して損はない
エンジンシャンプーとフューエルアディティブは何が違う?
まずは2つの違いを整理しておく。どちらも「添加剤」とひとくくりにされがちだが、エンジンシャンプーはオイルに、フューエルアディティブは燃料に入れるものになる。
| 項目 | エンジンシャンプー | フューエルアディティブ |
|---|---|---|
| 入れる場所 | エンジンオイル(交換前の古いオイル) | 燃料タンク(ガソリン・軽油) |
| きれいにする場所 | オイルの通り道(油路)や、エンジン内部にたまった汚れ・スラッジ | 燃料を噴くインジェクターや、燃焼室まわりのカーボン |
| 効き方 | 汚れを浮かせて包み込み、古いオイルと一緒に外へ出す | 燃料と一緒に流れながら、汚れを少しずつ落としていく |
| タイミング | オイル交換の直前 | 給油の直前 |
| 頻度の目安 | オイル交換のたび | 定期的に(くわしくは後半で) |
| 料金の目安 | 3,000円前後 | 3,000円前後 |
料金は店舗や商品によって変わる。
人の体にたとえるなら、エンジンシャンプーは「血管の掃除」、フューエルアディティブは「食事の通り道の掃除」になる。エンジンにとって、オイルは血液、燃料は食事のようなものだからだ。
エンジンオイルは、エンジンにとっての「血液」

なぜエンジンシャンプーが必要なのか。それを理解するには、まずエンジンオイルの仕事を知っておく必要がある。
エンジンオイルは、内燃機関(ICE)にとっての血液と言っていい。人の血液が全身をめぐって酸素や栄養を届け、熱を運び、老廃物を回収しているように、エンジンオイルもエンジンの中をぐるぐるめぐりながら、いくつもの仕事を同時にこなしている。
エンジンの中でオイルがどう流れているかを、体の血液循環に置きかえるとこうなる。
エンジンの中の「血液循環」
オイルポンプ
エンジンの底にあるオイルパンからオイルを吸い上げ、圧力をかけてエンジン全体へ送り出す。
オイルフィルター
オイルにまじった金属の粉やすす、ほこりなどの汚れをこし取る。
油路(オイルの通り道)
エンジンの中に張りめぐらされた細い通り道。ここを通って、オイルが各部品へ届けられる。
クランク・カム・ターボなど
オイルを受け取って働く部品たち。オイルの圧力そのもので動く部品もある。
オイルパンへ戻る
熱と汚れを抱えたオイルはオイルパンへ戻り、また心臓(オイルポンプ)へ向かう。
エンジンがかかっている間、オイルはこのサイクルをずっと繰り返している。
心臓が止まれば人は生きられないように、オイルが回らなくなったエンジンは、あっという間に焼き付いてしまう。オイルの圧力が下がったことを知らせる警告灯は、人でいえば「血圧が下がっている」というサイン。点灯したら安全な場所に止めてすぐにエンジンを切り、オイルの量を確認したうえで点検を受ける必要がある。
オイルの仕事は、部品をなめらかに動かすことだけではない。ホンダはエンジンオイルの役割を、次の6つに分けて解説している。
| 仕事 | エンジンの中でしていること |
|---|---|
| 潤滑 | 部品がこすれ合うところに油の膜をつくり、なめらかに動かして摩耗を防ぐ |
| 冷却 | 燃焼や摩擦で出た熱を吸い取って運び、焼き付きを防ぐ |
| 密封 | ピストンリングとシリンダーのすき間をふさぎ、燃焼室の圧力を逃がさない |
| 洗浄 | エンジンの中の汚れを洗い流し、オイルの中に抱え込んでおく |
| 防錆 | エンジン内部のサビや腐食を防ぐ |
| 作動 | オイルの圧力で動く装置(可変バルブタイミングなど)の力になる |
本田技研工業のエンジンオイル解説をもとに作成。
血液も、酸素や栄養を運ぶだけでなく、熱を運んで体温を保ち、老廃物を回収している。運ぶ、冷やす、きれいにする。これを全部同時にこなしているから、オイルは「エンジンの血液」と呼ばれる。

今どきのターボエンジンは、オイルの圧力と流れに頼っている部品が多い。フォルクスワーゲンのエンジンも例外ではなく、カムシャフトの角度を変える可変バルブタイミングや、高速で回るターボチャージャーの軸受けは、オイルがきちんと届いてはじめて仕事ができる。
チェーン式のエンジンなら、チェーンの張りを保つテンショナーもオイルの圧力で動いている。

オイルは、使っているうちに少しずつ劣化していく。燃焼による高温や水分、燃焼ガスの成分にさらされて、オイルにもともと入っている添加剤の効き目がだんだん薄れていくからだ。

劣化が進んだオイルが酸化して粘り、すすやほこり、水分とまざると、タールのようにドロドロしたスラッジになる。
オーストラリアの自動車団体RACQは、このスラッジを心臓の血管にたまるプラークにたとえている。まさに、エンジンの血管にこびりつく汚れだ。
体とエンジンを並べてみると、汚れが何を引き起こすのかがよくわかる。
| 体 | エンジン |
|---|---|
| ドロドロの血液 | 劣化して汚れたオイル。汚れを抱えきれなくなり、流れも悪くなる |
| 血管にこびりつくプラーク | 油路やヘッドカバーの裏にこびりつくスラッジ |
| 細くなった血管 | 汚れで細くなった油路。オイルが届きにくくなる |
| 血の巡りが悪い手足の先 | オイルの圧力で動く細かい部品。ここから調子を崩しはじめる |
| 低血圧 | 油圧の低下。最悪の場合、エンジンが壊れる |
人の体でも、血液がドロドロになったり血管が細くなったりすると、血の巡りが悪くなる。
エンジンも同じで、オイルの流れが悪くなると、オイルの圧力で動く細かい部品から調子を崩していく。放っておけば、エンジン全体の寿命を縮めることになる。
しかも日本の街乗りは、オイルにとって厳しい条件がそろいやすい。
1回8km以下のちょい乗り、ノロノロの渋滞、長いアイドリングは、オイルの劣化を早めるシビアコンディションとされている。たまにしか乗らないクルマも、オイルにまざった水分が抜けきらず、乳化して劣化が進みやすい。
「それなら、オイルをこまめに替えればいいのでは?」と思うかもしれない。もちろん、オイル交換がいちばん大事なメンテナンスであることは間違いない。
ただ、オイル交換で抜けるのは、主にオイルパンにたまった古いオイル。油路やエンジン内部にこびりついた汚れは、オイルを抜いてもそのまま残る。
きれいな血液に入れ替えても、血管にこびりついたプラークが消えないのと同じだ。
そこへ新しいオイルを入れると、オイルの洗浄成分は、残った汚れの掃除から仕事を始めることになる。せっかくの新しいオイルが、最初から汚れを抱えた状態でスタートしてしまうわけだ。
エンジンシャンプーは、オイル交換の前に入れる
そこで出番になるのがエンジンシャンプー。オイル交換の直前に、古いオイルへ入れる洗浄剤になる。
エンジンをかけてしばらくアイドリングすると、エンジンシャンプーをまぜたオイルがエンジンの中をめぐり、こびりついた汚れを浮かせて包み込む。
あとは古いオイルを抜けば、浮いた汚れも一緒に外へ出ていく。
使っている商品は店によって違うが、たとえばカストロールの「エンジンシャンプー」は、古いオイルに入れて10分アイドリングし、そのあとオイルとオイルフィルターを交換する使い方になっている。
メーカーは、溶剤を使わない処方で、エンジン内部のオイルシールを傷めないとしている。
古いオイルにエンジンシャンプーを入れる
オイル交換の直前、抜く前の古いオイルにエンジンシャンプーを1本全て注ぎ入れる。
アイドリングで10分ほど回す
走らずに、その場でアイドリングするだけ。オイルと一緒にエンジンの中をめぐり、汚れを浮かせて包み込む。時間は商品の説明に従う。
古いオイルを抜く
浮いた汚れごと、古いオイルと一緒に抜き取る。
オイルフィルターも交換する
汚れを受け止めたフィルターは使い回さない。
新しいオイルを入れる
きれいになったエンジンに新しいオイルを入れて完了。いつものオイル交換に、アイドリングの時間が加わるくらいの手間で済む。
わかりやすく言えば、汚れたコップに新しい水を注ぐか、コップを洗ってから注ぐかの違いになる。汚れたコップに注いだ水は、すぐに濁ってしまう。先にコップを洗っておけば、水はきれいなまま長持ちする。
体でいえば、血管の掃除をしてから新しい血液を入れるイメージ。せっかく新しいオイルに替えるなら、エンジンの中もきれいにしてから迎えてあげたい。
エンジンシャンプーは、一度やれば終わりというものではない。オイル交換のたびに実施するのがいちばんだと考えている。

汚れは毎日の運転で少しずつたまっていく。たまってから一気に落とそうとするより、オイル交換のたびに少しずつ落としていく方が、エンジンにもやさしい。
フォルクスワーゲンのオイル交換は、1年または15,000kmの早い方が基本の目安になっている。
1回のオイルがエンジンの中にいる期間が長いぶん、交換するころには、それなりの汚れを抱えている。だからこそ、交換のたびに洗っておく意味がある。
特に使ってほしいのが、ゴルフ7やゴルフ7.5世代のクルマだ。ゴルフ7は2013年6月、ゴルフ7.5は2017年5月に日本で発売された。いまでは、どちらもほとんどが5年以上たったクルマになる。
年数と距離を重ねたエンジンほど、油路やエンジン内部に汚れがたまっている可能性が高い。中古で買ったクルマなら、前のオーナーがどんな間隔でオイルを替えていたのかは、記録簿が残っていなければわからない。
だからこそ、オイル交換の前にエンジンシャンプーで一度きれいにしてあげてほしい。
ゴルフ7・7.5に限らず、5年以上たったフォルクスワーゲンなら同じことが言える。
ただし、記録簿がなく走行距離も多いクルマは、作業の前にそのことを整備士に伝えて、エンジンの状態を見てもらいながら進めたい。理由は、このあとの注意点で説明する。
入れたまま走らない。 エンジンシャンプーは、オイル交換とセットで使う洗浄剤。 新しいオイルに入れたまま走る「オイル添加剤」とは別物になる。
オイルフィルターも一緒に交換する。 汚れを受け止めたフィルターをそのまま使うと、せっかく落とした汚れがエンジンに残ることになる。
何年もオイル交換をしていなかったような過走行のエンジンは、整備士に相談を。 一気にはがれた汚れが、オイルを吸い上げる入口の網(オイルストレーナー)を詰まらせたり、 汚れでふさがれていたオイルシールの傷みが表に出て、オイル漏れが見つかったりすることがあると言われている。 定期的にオイル交換をしてきたクルマなら、心配しすぎる必要はない。
「オイル添加剤」と「エンジンシャンプー」は別物
ひとくちにオイル添加剤といっても、大きく2種類ある。 ひとつは、エンジンシャンプーのように オイル交換の前に入れて、古いオイルと一緒に抜く洗浄タイプ。 もうひとつは、 新しいオイルに入れたまま走る、入れっぱなしタイプだ。
エンジンオイルには、もともと洗浄剤や摩耗を防ぐ成分などの添加剤がバランスよく配合されている。 入れっぱなしタイプを足すとそのバランスが変わることもあるので、使う前に整備工場へ相談した方が安心だ。 ディーラーで勧められるエンジンシャンプーは前者なので、新しいオイルの中に残り続けるものではない。
フューエルアディティブは、燃料の通り道の掃除
続いてフューエルアディティブ。こちらは燃料タンクに入れる添加剤になる。
オイルが血液なら、燃料はエンジンにとっての食事。フューエルアディティブは燃料と一緒にエンジンへ送られながら、燃料を噴くインジェクターや、燃焼室まわりにたまったカーボンを少しずつ落としていく。
食事の通り道と、食べたものを燃やす場所の掃除役だ。
国内の自動車メーカーも多くが自社ブランドの燃料添加剤を出していて、メーカーのエンジン技術者が使用を勧めているという取材記事もある。
主な洗浄成分はPEA(ポリエーテルアミン)で、焼き固まったカーボンを落とすのに効果があるとされる。
フォルクスワーゲン純正 フューエルアディティブ

長いノズルが付いた90mlの缶で、給油の直前にタンクへ注ぐだけで使える。
1本で燃料45〜75Lぶんなので、ゴルフのようにタンクが50L前後のクルマなら、ガソリン満タン1回分にちょうど1本になる。
点検やオイル交換のついでにディーラーで入れてもらえば、手間もかからない。
フォルクスワーゲン純正 フューエルアディティブ

海外の部品販売店の説明では、コモンレール式の燃料系とインジェクターをきれいにする添加剤とされている。
汚れを落とす、黒煙を減らす、エンジンの回り方をなめらかにする、新しい汚れの付着を防ぐ、燃料系をサビから守る、といった働きが挙げられていて、1本で軽油約68L分が目安になっている。
また写真のとおり、ガソリン用とディーゼル用は別の商品になる。ガソリン車にディーゼル用を、ディーゼル車にガソリン用を入れないように気をつけたい。
フューエルアディティブにも、届かない場所がある。
いまのTSIエンジンは、燃料をシリンダーの中へ直接噴く直噴式が基本。 直噴だけで燃料を噴くエンジンでは燃料が吸気バルブを通らないため、 吸気バルブの裏にたまるカーボンは、燃料に混ぜた添加剤では落とせないとされている。 そもそも直噴エンジンは、吸気側にカーボンがたまりやすい構造でもある。
ただし、ゴルフ7・7.5世代のGTIやRに積まれた2.0 TSIのように、 吸気ポートにも燃料を噴く併用式のエンジンもある。 このタイプは燃料が吸気バルブを通るので、話が少し変わってくる。
フューエルアディティブが働くのは、インジェクターや燃焼室など、燃料が通ったり燃えたりする場所。 入れれば何でもきれいになる魔法の薬ではない、ということは知っておいてほしい。

ガソリン車の場合、新車からしばらくは燃料の通り道もきれいな状態が続く。汚れがたまってくる4〜5万kmを超えてから使い始めれば問題ない、というのが当ショップの考え方だ。もちろん、それより早く使い始めても問題はない。
さらに、年数がたったクルマや年間の走行距離が多いクルマ、6〜8万kmを超えたクルマには、積極的に使ってほしい。
大事なのは、フューエルアディティブは定期的に入れ続けるものだということ。1本入れた効き目は、給油をくり返すうちに薄まっていく。
当ショップの目安は、1本入れたら、燃料がエンプティ近くまで減ってからの給油を6〜8回したところで、また1本。期間でいうと、だいたい3~5ヶ月に1回のイメージになる。
念のため、メーカーやケミカル用品の目安も調べてみた。
アメリカのフォルクスワーゲンが出している整備向けの技術情報(ガソリン車の失火対策の資料)では、純正の燃料添加剤(米国向けの品番)を「約3,000マイル(約5,000km)ごとに使ってよい」としている。
国内の解説記事でも、「3ヶ月〜半年に1回、または3,000〜5,000kmごと」という目安がよく見られる。
当ショップの「3ヶ月に1回」は、その中でも早めの目安になる。ただ、どの目安でも入れっぱなしで効き続けるものではなく、定期的に入れるものという点は変わらない。あまり乗らない人は期間で、よく乗る人は給油の回数で数えるとわかりやすい。
入れるときは、給油の直前に中身をタンクへ入れてから給油すると、燃料とよく混ざる。
ディーゼル車は積極的に入れたい

ディーゼル車は事情が違う。ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンと比べて燃焼室やその周りが汚れるペースが非常に早い。
ディーゼルは、シリンダーの中に噴いた軽油が、空気と混ざりきらないうちに燃え始める。燃料の濃いところでは燃え残りが出て、それがすす(PM)になる。
さらにディーゼルでは、排気ガスの一部を吸気に戻してNOxを減らすEGRという仕組みを使っていて、すすを含んだ排気ガスがもう一度エンジンに吸い込まれる。
ディーゼル車のオイルがすぐ真っ黒になるのも、燃焼で出たすすがオイルにまざり、オイルがそれを抱え込んでいるからだ。
EGRは、オイルに入るすすをさらに増やす方向に働く。
燃料を噴くインジェクターも、ガソリンの直噴よりさらに高い圧力で、細かく燃料を噴いている。
トラックメーカーの日野の販売会社が公開している燃料添加剤の資料でも、インジェクターについたデポジット(汚れ)は正常な燃料噴射をさまたげ、さまざまなトラブルの原因になるとしている。
改善が見込める症状として、出力不足や燃費の悪化、DPF(すすを集めるフィルター)の再生間隔の異常も挙げている。
だからディーゼル車は、走行距離にかかわらず、早めから定期的にフューエルアディティブを入れてほしい。ゴルフやパサート、ティグアンなどのTDIに乗っている人は、ぜひ覚えておいてほしい。
海外のVWオーナーの掲示板には、VWの整備資料で「オイル交換の点検のたびに1本を入れて、満タンまで給油する」よう案内されている、という投稿もある。
その資料では、軽油に含まれる添加剤が少なく、汚れがたまりやすい国(中国、インド、ロシアなど)向けの推奨で、ほかの国で使ってもいいとされているそうだ。日本は対象に入っていないので、必ず入れなければいけないものではない。
それでも当ショップが勧めるのは、日本の乗り方に理由がある。ちょい乗りが多いと、ディーゼルのインジェクターや燃焼室には汚れがたまりやすい。リキモリも、短い距離の走行が多いディーゼルでは、堆積物がすぐに問題になることがあるとしている。

2026年10月の時点で、G 001 790 M3は国内の通販サイトでは扱いがない。
当ショップで探した範囲では、Amazonや楽天にも出ていなかった。楽天で見つかったVW純正の燃料添加剤も、ガソリン用だった。
海外の通販サイトには出ているが、送料や届くまでの手間を考えると、わざわざ取り寄せるほどではないと思う。
いちばん確実なのは、フォルクスワーゲンの正規ディーラーで買うこと。
点検やオイル交換、車検で預けるときに「ディーゼル用のフューエルアディティブも入れてほしい」と伝えれば、作業のついでに入れてもらえる。
部品だけ買って自分で入れたい場合は、パーツの窓口で品番の「G 001 790 M3」を伝えるとスムーズだ。在庫を置いていない店もあるので、事前に電話で確認しておくといい。
ガソリン用と間違えないように
VW純正のフューエルアディティブには、 ガソリン用のG 001 770 A2もある。 見た目も容量も違うが、頼むときは「ディーゼル用」とはっきり伝えたい。
ガソリン用はガソリン車専用、ディーゼル用はディーゼル車専用。 逆に入れてはいけない。
ディーラーが遠い人や、通販でまとめて揃えたい人は、社外品でもいいと思う。ただし輸入車のディーゼルに入れるなら、選び方にコツがある。
今のフォルクスワーゲンのTDIには、すすを集めるDPF(ディーゼル微粒子フィルター)が付いている。社外品を選ぶときにいちばん大事なのは、メーカーが「DPF付きの車に使える」と明記していることだ。
DPFにたまるのは、すすだけではない。エンジンオイルの添加剤や、金属を含む燃料添加剤が燃えたあとには、灰(アッシュ)が残る。DPFの再生では、すすは燃えて消えるが、灰は燃えずにDPFの中に残り続ける。たまった灰は、DPFを掃除するか交換するまで消えない。
効きそうだからと、何種類もの添加剤を同じタンクに入れるのはやめておきたい。リキモリも、DPFプロテクターを一部の自社製品と一緒に使わないよう注意書きしている。
輸入ディーゼル車に使える社外品3選
正規ディーラーに買いに行くのが億劫という方に通販で手に入りやすいものを3つ選んだ。どれもドイツのメーカーの製品で、DPF付きのディーゼル車への使用をうたっている。

スーパーディーゼルアディティブ
G 001 790 M3と同じく、燃料系の洗浄と保護をまとめてこなすタイプ。純正品の代わりに、まず選ぶならこれだと思う。
リキモリはドイツのオイルとケミカルのメーカーで、輸入車のオーナーにはおなじみのブランド。日本語ラベルの品番20868が出回っていて、楽天では2,500〜3,400円ほど(2026年10月11日時点)で買える。

ディーゼルパティキュラーフィルタープロテクター
ちょい乗りや街乗りが多いと、DPFの再生がうまく進まず、すすがたまりやすい。DPFの詰まりが気になる乗り方の人向けの1本になる。
ラベルは日本語ではないので、使い方はこの記事か販売店の説明で確認してほしい。楽天では2,700〜4,300円ほど(2026年10月11日時点)。スーパーディーゼルアディティブとは役割が違うので、1回の給油で使うのはどちらか1本にしておきたい。

フィルタークリーン ディーゼル
ウルトは、ヨーロッパの整備工場でおなじみの、工具とケミカルのメーカー。日本法人のウルトジャパンが楽天に公式ショップを出していて、2,780円から(2026年10月11日時点)買える。
リキモリのDPFプロテクターと同じく、街乗りが多い人向けのDPF対策になる。入れる間隔は、ラベルの説明に従ってほしい。

| 商品 | 向いている使い方 | 買える場所 |
|---|---|---|
|
VW純正 G 001 790 M3 |
燃料系の洗浄と保護 | 正規ディーラー |
|
リキモリ スーパーディーゼル |
洗浄と保護。純正品の代わりに | 通販 |
|
リキモリ DPFプロテクター |
ちょい乗りが多い人のDPF対策 | 通販 |
|
ヴュルト フィルタークリーン |
街乗りが多い人のDPF対策 | 通販(ヴュルトの公式ショップ) |
社外品の対象と使用量は各メーカーの公表値、純正品は海外の部品販売店の説明による。
いつから、どれくらい入れる?
ここまでの話を、クルマの状態ごとにまとめるとこうなる。
| クルマの状態 | エンジンシャンプー | フューエルアディティブ |
|---|---|---|
|
新車〜4万km (ガソリン車) |
オイル交換ごと | まだ急がなくていい |
|
4〜5万km〜 (ガソリン車) |
オイル交換ごと | 使い始めの目安 |
|
6〜8万km超え・5年以上 (ゴルフ7・7.5世代など) |
オイル交換ごと | 定期的に使う |
| 年間の走行距離が多いクルマ | オイル交換ごと | 定期的に使う |
| ディーゼル車(TDI) | オイル交換ごと | 距離にかかわらず積極的に |
赤字は特にオススメしたいところ。フューエルアディティブは、1本入れたら給油3〜4回(3ヶ月に1回くらい)でまた1本が当ショップの目安。
AdBlueの補充口には絶対に入れない。 多くのTDIは、給油口のすぐ横に青いキャップのAdBlue補充口がある。 フューエルアディティブを入れるのは、軽油の給油口だけ。
決められた量より多く入れない。 多く入れても効き目は上がらない。
ガソリン車には使わない。 ディーゼル用とガソリン用を取り違えないように。
火気の近くで扱わない。 燃料添加剤は燃えやすい液体で、飲み込むと危険なものもある。 子どもの手の届かない場所に保管したい。
DPFの警告灯がついたら、添加剤より先に点検を。 添加剤は予防のためのもので、詰まってしまったDPFを直すものではない。
ディーラーで勧められて迷ったら、自分のクルマに当てはまるかを確認してみてほしい。当てはまる項目があれば、その添加剤は追加しておいて損はない。
料金は3,000円前後。勧められたら追加していい
どちらも料金は3,000円前後。点検や車検の総額から見れば、小さな金額だと思う。
一方で、オイルの流れが悪くなって起きるエンジンのトラブルや、ディーゼルのインジェクターの不具合は、直すとなれば金額のケタが変わる。もちろん、添加剤を入れたからといって故障しなくなるわけではない。それでも、3,000円でエンジンの血液と血管をきれいに保てるなら、やっておいて損はない予防整備だと思う。
なので、正規ディーラーなどで勧められたら、押し売りだと思わずに追加しておいてほしい。特にエンジンシャンプーは、オイル交換のたびに実施するのがいい。
タチバナのひとりごと
当ショップでこの質問をされたら、私は迷わず「入れておいた方がいい」と答えている。
勧められると売り込みに聞こえてしまう気持ちは、よくわかる。ただ、整備をしていると、オイル管理の差は年数がたつほどエンジンに出てくると感じる。オイルは目に見えないところで働いているぶん、手をかけた差も目に見えにくい。
3,000円で血液と血管をきれいに保てるなら、安いものだと思う。人間ドックより、ずっと安い。
フューエルアディティブは、毎回の給油で入れた方が効く?
自分で入れてもいい?
入れたらパワーや燃費は上がる?
まとめ
- ✓ エンジンシャンプーは、オイル交換の直前に入れて汚れを古いオイルと一緒に抜き取る洗浄剤
- ✓ エンジンオイルはエンジンの血液。汚れや流れの悪さは、エンジンの調子と寿命に直結する
- ✓ エンジンシャンプーはオイル交換のたびに。ゴルフ7・7.5世代など5年以上のクルマには特に
- ✓ フューエルアディティブは燃料タンクに入れて、インジェクターや燃焼室まわりの汚れを落とす
- ✓ ガソリン車は4〜5万kmから。給油3〜4回(3ヶ月に1回くらい)に1本が当ショップの目安
- ✓ ディーゼル車は汚れるペースが早いので、走行距離にかかわらず積極的に
- ✓ 直噴だけのエンジンでは、吸気バルブの汚れはフューエルアディティブでは落とせない
- ✓ どちらも3,000円前後。勧められたら追加して損はない
エンジンシャンプーもフューエルアディティブも、壊れたところを直す薬ではない。エンジンの血液と血管を、きれいなまま保つための予防整備になる。
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