エンジンが掛かっているのにゴルフ7やパサートが進まない…警告灯が点滅していたらスロットルバルブが故障しているかも。。。
 
	運が悪いと…
ゴルフ7やパサート(B8)が発表されて10年が経過し、中古車相場もここ最近で更に下落してきた。


私は2台とも好きで思い入れのある車種ではあるのだが、立て続けにレッカー搬送されてきたので今回の故障事例を紹介していきたい。
運ばれてきたゴルフ7のエンジンを始動するも、エンジンがブルブル震え警告灯が点灯していた。
レッカーにて車両を搬送したお客様からは、

パワーが全然無くて、20~40km/hしか出ない。
坂道が登れなくてレッカーを呼んだ
と、ご用命をいただいた。

この症状で疑うのがスパークプラグの失火によるエンジン不調、その次にブローバイパイプなど熱で溶けやすい部品からのエア吸いやインジェクターの燃料噴射不良を疑う。
エンジンルームを確認したが特にパイプ破損によるエア吸い込みは無かったので、診断機にて故障コードを確認していく。
P022100: スロットルバルブドライブアングルセンダー2あてはまらない信号
の故障コードが入力されていて、点検プランを実施していくとスロットルバルブの内部不良によるエンジン不調と判断した。
入庫した車両は2014年式のほぼ初期型のゴルフ7で走行距離は74,000km台で車両の状態はヘッドライトは黄ばんでボディのくすみが酷い状態で私の店舗では新規入庫であった。
症状が発生した時の診断と応急処置
エンジン警告灯が点灯したら、まずは安全な場所に停車しエンジン再始動を試してみてほしい。

一時的なエラーで誤作動の場合は症状が回復する可能性があるのでエンジンを切り数分待ってから再始動する。
これで改善しない場合、正規ディーラーやプロショップへ相談しレッカー搬送の準備をしてもらいたい。
※自走は事故のリスクが高まるので、走行は行わずハザードを点灯させて周りに異常を知らせておく。
高騰する純正部品
スロットルバルブは年々部品代が上がってきているので、見積もりを提示するのは少し気が引けるのだが交換しない限りは永遠と車は動かず不調のままなので見積もりを提示した。
嫌な予感がしてはいたが、案の定クレームとなった。
お客様の言い分は、
「先月カー用品店で車検を通したばかりでまた追加費用を払うのか」
と言われたので、こちらに言わないでカー用品店に相談してくれと言いたい所であったが、グッと気持ちを抑えてお客様の話を伺うことにした。
話を伺い始めると溜まっていたのが沸々と出てきてしまい入庫していた時よりも更にヒートアップし、話を伺っても
「直らないなら車を捨てる」
「クレジットカードは無いから現金で分割で支払う」
と、どうしようにもならない状況に進んでしまう一方なのでカー用品店に連絡をすることにした。
経緯を説明し、カー用品店側も今回は特別対応ということで整備料金の半分を負担するという事で話が纏まったがお客様はまだ納得が言っていない様子でクレームの電話をカー用品店に連絡していた。
内心は「最初から連絡してくれれば…」と思っていたが、部品を直ぐに注文して今回の件は直ぐに終らせた方が今後の為だと思い部品を注文した。
前置きが長く愚痴を綴ってしまったが、
DIYでスロットルバルブを清掃し故障リスクを低減できる方法もあるので交換作業と同時に紹介していく。
スロットルバルブ交換及び清掃
スロットルバルブ交換で使用する工具は少なく比較的簡単に作業ができる。
使用する工具が以下の通りで、自宅にツールセットある人はトルクスソケットとクリーナーがあれば作業できる。
•エクステンションバー
•T30 トルクスソケット
•ウエス
•マイナスドライバー
•Lピック
•クリーナー
スロットルバルブを取り外すにはインテークパイプに取り付けられているブローバイホース類を解除し固着しているインテークパイプの取り外しが必須。


インテークパイプはツメで固定され非常に固いのでツメを割らないような力加減が必要で、

マイナスドライバーでツメを起こしながらインテークパイプを上に持ち上げて再ロックされないように注意する。
スロットルバルブ側の爪が外れたらターボチャージャー側のツメを外す。

パイプが外れるとスロットルバルブが見えるので、黄色○のトルクスボルトを4本外してスロットルバルブを取り外す。

 
当社の代車のゴルフ7は何度か清掃しているので綺麗な状態であったが、汚れが酷いとチャージクーラー内にオイル溜まりが発生する。


このオイル溜まりはエンジンから排出されるブローバイガスがインテークシステムに再循環され、オイル含んだインテークエアがスロットルバルブを通り、チャージクーラーに溜まっていく。
スロットルバルブを清掃しないと軸部よりオイルECU基板に侵入してショートを引き起こす。

加えてインテークエアがエンジンの吸気バルブが開いている間に、排気バルブも少し開いているオーバーラップと呼ばれる現状がある。
この現状によってピストンが上昇すると、吸気マニホールド内の空気や混合気が一時的に逆方向に押し戻されオイルを含んだインテークエアがスロットルバルブに更に付着してしまう。
そしてこのオイルが溜まる現象を防ぐことが出来ないので2~3万km毎にスロットルバルブ清掃をオススメする。
不具合症状が発生するとほぼ自走が不可になり、後々の高額請求が来る前にツールセットとクリーナーを準備し清掃を実施していただきたい。
 
メーカーの指示では清掃後に基本調整が必要なのだが、基本調整無しでも走れるので安心してほしい。



それでも気になる場合は正規ディーラーかプロショップにてスロットルバルブの基本調整を依頼してもらうのが良い。
社外品も用意されているが品質に問題があった場合に直接走行に関係してくるのでスロットルバルブの社外品なオススメしない。
 
自己責任ではあるが売却や半年しか乗らないと考えているのであれば、社外品も選択肢に入れても良いと私は思う。
またDIYで交換した場合も基本調整はしなくても大丈夫であるが、走行に異常がある場合は実施を推奨する。

純正の新品スロットルバルブに交換後、基本調整を実施し走行に異常がない事を確認し車両返却となった。
以下 2014年式 74,684km ゴルフ7 スロットルバルブ交換工賃になる。
よくある質問(FAQ)
スロットルバルブに関するFAQ
スロットルバルブのトラブルに関するよくある質問をまとめた
スロットルバルブ交換工賃
•交換工賃及び診断料等 8,000円
スロットルバルブ 110,000円 03F133062B
ガスケット 3,200円 03C133073A
税込み価格合計 133,320円
入庫のご案内は現在受け付けていませんが、スロットルバルブでお困りの方は気軽にお問い合わせフォーム又はコメント欄にメッセージを送ってください。


 
	 
	 
	 
	 
	 
	