フォルクスワーゲンのプロショップで働いている私が忠告する!!高額故障率の高いワーゲンの中古車とは?

フォルクスワーゲンは壊れます。
お客様から度々言われるのが、
「壊れにくいフォルクスワーゲンはあるの?」
と良く言われるが、それに対して私は
「機械なので必ず壊れないとは言い切れませんが、故障率の高い車種は避けた方が良いです」
と返答している。
ゴルフやポロは生産台数も多いので故障率が目立ってしまうが、今まで私がショップで対応してきた案件と正規ディーラーで働く友人の意見を合わせた上で紹介していく。
第4位 T-CROSS 2019~2020年
惜しくも入賞には届かなかったが、T-CROSSの故障率がここ最近で上昇してきている。
過去に2種類の不具合を紹介しているが、変なトラブルが多いのがT-CROSSになる。
上記以外の不具合の他にナビゲーションの不具合やヘッドライト不具合、ワイパーの不具合が実際に私のショップで発生した。
第3位 Up!
生産は終了しているが中古車市場にはまだ多くのUp!が掲載しており、コアなファンや女性に人気があるUp!であるが可愛い見た目とは裏腹に積まれているトランスミッションにとんでもない爆弾が仕掛けられている。
Up!は5速のMT(マニュアルトランスミッション)に自動変速機を取り付けたASGというギヤボックスが搭載されている。
ASGにはクラッチを締結する為のクラッチアクチュエーターとギヤを変速する為のギヤアクチュエーターが取り付けられているのだが、この2つのアクチュエーターに関する不具合が非常に多い。
どちらかが故障した場合には30万円以上の修理費が必要になり、2つのアクチュエーター交換になると60万円以上となりUp!をもう1台増車出来る程にまで達してしまう。
また乗り方次第であるがクラッチが7~10万kmで交換の目安となり、その他エアコン関係も他の車種よりも耐久性が弱いので2012~2014年式の初期型は特に避けた方がお財布にも優しいだろう。
第2位 シャラン 2011~2020年
シャランも既に2022年で生産が終了しているが、スライドドア付きの輸入車ファミリーカーとして非常に人気があり10年近く乗り続けているオーナーが多い印象である。
最も多い高額修理は持病によるエンジンの圧縮抜けである。
シャランに搭載されているCAVという原動機が走行距離7~10万km辺りでエンジン内部が劣化し始め最悪の場合、ピストンリングとシリンダーライナーが摩耗しスカッフ(ピストンの往復運動による縦傷)が発生しその傷から燃焼ガスが抜けて出力不良に陥る。
圧縮抜けが起きた際は、廃車にするかショートエンジン交換、エンジン載せ替えが必須となりいずれも50~100万円は整備に必要である。
対策としては、オイル管理をしっかりする必要があり次回以降詳しく説明する。
またシャランはその他にも左右フロントパワーウィンドウのリフターが故障し窓が動かなくなる故障やウォーターポンプ故障によるクーラント漏れ、燃料ポンプ不良によるエンスト、スライドドアのドアロック不良、イージークローザー不良、その他諸々の故障があったと報告されている。
いずれにせよ基本的に故障の度に10万円以上は掛かると覚悟して置いた方が良い。加えて必ずスピードセンサーも壊れるので要注意だ。
そしてもう一つの高額修理となるのが、2015~2020年式に販売されていたエンジン型式がCZDと言われるモデルのシャランになる。
ツインチャージャーモデルからシングルターボモデルへとマイナーチェンジされたのだが、重量に対するパワー不足のせいでトランスミッションへの負荷が高まりトランスミッション内部が破損し走行不能になるという。
トランスミッション内部が破損した場合は本体交換が必要となり費用は100万円以上掛かるという。
なので必ず中古車保証、もしくは日頃から車点検をディーラーで整備しておくとメーカー保証(10年以上経ったモデルは不可)で交換してくれる可能性があるので先ずはディーラーのフロントスタッフと仲良くするのも1つの手段なのかとも思う。。。
第1位 6C ポロ
私はフォルクスワーゲンに携わって10年以上経つが、年式もそこそこ新しくショップで働いてきた中で最も避けた方が良い車種が6C ポロになる。
この6C ポロは人気がある。
5ナンバーサイズで運転もしやすく見た目もそこそこ可愛いので女性が乗っている確率が非常に高い。
もしこの記事を見た上で購入を検討しようと思うのであれば中古車保証は必ず2年は付帯しておかないと購入した事を後悔する事になる。
私がそこまで念を推してオススメする理由が、
「エアコンユニットが全て故障する恐れ」
が、あるからだ。
冗談だと思うが実際に何台もエアコン修理を実施してきたので、この話を信じるかは信じないかはお任せする。
最も多いエアコンの故障はエバポレーターかコンデンサーによるエアコンガス漏れだ。
どちらも製造段階での不良品が多く距離数が少ない車両でも無慈悲に故障する。
そもそもゴルフ7世代のエアコンユニットが車両との相性が良くないのか最短ではでは新車から2年以内で漏れた車両もあり、走行距離が2.0万km以下でも平気でガス漏れが発生する。
エバポレーター交換では30万円以上掛かり、コンデンサー交換でも20万円以上は掛かる。
シャランと違うポイントはシャランは基本的にオイル管理や初期型を避ければ件数は少ないのだが、6C ポロに関しては年式に関わらず6~7割の車両がエアコンガス漏れで何かしらのトラブルに見舞われている。
(たまたま私のショップと友人のディーラーのエリアが酷いのかも知れないが…)
またエバポレーターやコンプレッサーよりも件数は少ないが、エアコンコンプレッサーからもガス漏れを確認している。
こちらも交換となると25万円程になるので頭を悩ませる種となる。
私のショップと友人の正規ディーラーを合わせると、上記3点のフルコンプリートエアコン修理を実施した6Cポロは4台にも及ぶ。
車両保証を適用させていなければ修理額は100万円に近い金額となり、これまた同じ車両が購入できてしまう。
対策としてエアコン配管内の負荷を避ける為に、アイドリングストップの使用を辞める事が第一である。
加えてエンジンを切る時にはエアコンのブロワスイッチの風量を0にするかA/CボタンをOFFにしアイドリングで30秒程放置しエアコン配管内の圧力を落ち着かせてからエンジンを切ることをオススメする。
6Cポロのエンジン関係ではウォーターポンプがゴルフ7と同様に漏れる件数が多く、純正品交換であれば7~8万円は必要となってくる。
またヘッドライトライトが結露する確率も高く、LEDヘッドライト搭載車両の場合はECUが水分でショートする前に下記の記事を参考にヘッドライトのシーリングを実施して欲しい。
何度も言っているが、
フォルクスワーゲンを購入する際は10~20万円上乗せになってしまうが、カーセンサー保証やその他店舗保証を2年付帯させておく事をオススメする。
もしフォルクスワーゲンで気になっている車種で何かしらアドバイス出来ればと思っているので問い合わせしていただきたい。
(ゴルフ4以降からの車種でお願いします)
ご無沙汰してます!
酷暑でエアコンをガンガンのせいかアイドリングストップやコースティングでもエンジン停止しない23年式eTSIアクティブですw
エアコンの温度設定って、何度ぐらいが一番車に負担か少ないの
でしょうか?欧州車は22℃が良いという話をよくみかけます。
結局、一番快適な温度に合わせちゃうのですが…
hi様
いつもコメントありがとうございます!!
今年も酷い暑さが続いてますね…お身体には十分気をつけてください。
ゴルフ アクティブですが、恐らくバッテリー電力を使っているので強制的に車両側がアイストをキャンセルしている状態になっていますね笑
基本的にフォルクスワーゲンでも21~23℃を推奨しております。ゴルフ8からマイルドハイブリッドになりエアコンシステムの負荷が軽減されています。
温度設定が低ければ低い程に電動ファンやエアコンコンプレッサーの負荷が増えますがそこまで温度設定で神経質にならなくても大丈夫です!
ゴルフ8は少し面倒ですが、念の為にエアコンシステムをオフにしてからエンジンを切る事や朝一エンジンが冷えている時やコンビニ等で買い物した後にエンジンを始動した後はアイドリングで30秒程(出来れば2~3分)待った後にエアコンをオンにするとエアコンシステムに急激な負荷が掛からないので、エバポレータやコンデンサーといった部品を労わる事ができます!
毎回毎回やるのは面倒ですが、塵も積もればという事もあるので是非参考にしていただけたらと思います!
アドバイス頂きありがとうございます。
酷使しているエアコンですが労ってみます〜
お世話になります。
ゴルフ7.5GTIパフォーマンスの中古車を検討しています。
走行距離は5.4万キロです。
写真のみの確認ですが、下回り含めサビや外傷は見受けられません。
こちらを10年乗りたいな、と考えております。
ただこれから結婚し、子供のこともあるので、
故障等が怖く購入に踏み切れません。
よくあるトラブルと、その修理費、アドバイスなどをご教示いただねますと幸いです。
お忙しいところ恐れ入りますが、
何卒よろしくお願いいたします。
こんにちは。
コメントをいただきありがとうございます。
ゴルフ7.5 GTIパフォーマンスについてのお問い合わせですね!
当ショップでも入庫実績のある車種ですが、よく見られるトラブルを3つご紹介させていただきます。
1.サーモハウジングの交換(水漏れ)
最も多いトラブルは、水漏れによるサーモハウジングの交換です。スポーツモデルではほぼ避けられないケースと言えるかもしれません。交換費用は約20万円前後が目安となります。
2.オイルパンからのオイル漏れ
次に多いのがオイルパンのオイル漏れです。こちらは比較的軽度で、交換費用は6~8万円程度で対応可能です。
3.オイルクーラーの交換(クーラント回路へのオイル混入)
クーラント回路にオイルが混入するトラブルで、オイルクーラーの交換が必要となる場合があります。こちらの費用も約20万円程度となることが多いです。
上記の部品はいずれも、走行距離が増えるほど故障の可能性が高まる傾向にあります。
高額修理に注意が必要なケース
まれに発生する高額修理として、以下の2点が挙げられます。
•ヘッドライトエラーによるヘッドライトアッセンブリー交換 ヘッドライトエラーが発生した場合、基本的にはアッセンブリー本体の交換が必要です。特に右側のヘッドライトで不具合が起こりやすい印象です。片側で約30万円以上の費用がかかる場合があります。
•デジタルメーターの故障 ゴルフ7.5世代ではデジタルメーターの不具合が比較的多く、当ショップでも数台の交換実績がございます。修理費用は30~50万円程度となることが多いです。
また、ゴルフ7.5 GTIパフォーマンスは発売から5年以上が経過しているため、スピードセンサーやブレーキパッド、ローターの交換など、3~8万円程度の出費が複数発生する可能性があります。
しかしトランスミッション関連の故障については、現在のところ当ショップでは確認しておりません。
ご購入時のアドバイス
これらの点から、販売店の保証を必ずご利用いただき、できる限り長期の保証期間を設定することを強くおすすめします。
今回のご購入は、正規ディーラーの中古車でしょうか、それとも中古車販売店でしょうか?
いずれの場合も、結婚式やお子様の誕生など、今後のライフイベントで車以外の出費も増えることが予想されます。そのためライフプランを考慮し、保証付きの車両を選ぶことが重要だと私は思います。
少し強い口調になってしまったかもしれませんが、ゴルフ7.5 GTIパフォーマンスを安心して維持するためには、今後の資金計画を改めてご検討いただいた上でご購入を進められることをおすすめいたします。