ゴルフ7、アルテオン、ビートル、ポロの給油口が開かない?原因と対処法、ロックモーター交換ガイド

フォルクスワーゲンの定番トラブル。給油口が開かない
フォルクスワーゲン車(ゴルフ7、アルテオン、ビートル、ポロなど)で頻発するトラブルの一つに、「給油口が開かない」という症状がある。
この症状は、ガソリン残量が少なくなりエンプティ警告灯が点灯しているタイミングで発生すると、ドライバーにとって非常に焦る瞬間になる。
今回の記事では、給油口が開かなくなる原因、簡単な応急処置、フューエルリッドロックモーター(以下、ロックモーター)の交換手順、更に予防策まで、フォルクスワーゲンオーナー向けに詳しく解説していきたい。
給油口が開かない原因とは?
給油口が開かなくなる主な原因は、ロックモーターの故障。
このモーターは、給油口をイタズラや盗難から守るためにロックする役割を果たしているが、以下のような理由で故障することがある。
1.水の侵入による腐食:雨や洗車時の水がモーター内部に侵入し、錆や腐食を引き起こす。
2.経年劣化:長期間の使用によるモーターの摩耗や固着。
3.電気系統の不具合:配線やコネクターの接触不良による誤作動。
特にアルテオンやビートルでは、「1」でのトラブルが頻発する傾向がある。
ゴルフ7やポロでも、年式が古くなるほどリスクが高まる。
お客様のゴルフ7のケースでは、
「エンプティ警告灯が点灯した状態で給油口が開かず、ガソリンスタンドで立ち往生した」
との連絡があった。
応急処置でなんとか給油できたものの、再発を防ぐためにロックモーターの交換が必要だった。
このような症状は現在起きていなくても近い将来起こり得るので1度点検が必要になってくる。
給油口が開かない時の応急処置
給油口が開かない場合、すぐに試せる応急処置がある。
以下の方法で、ロックモーターの一時的な固着を解除できる可能性がある。
※必ず開けられるとは限らないので注意していただきたい。
1.キーリモコンのロック解除ボタンを連打(1秒間に2~3回程度)。
2.同時に、給油口をやや強めに叩く(プラスチック部分を拳で軽く叩くイメージ)。
3.20回程度繰り返しても開かない場合、5分間休憩(モーターのオーバーヒート防止のため)。
4.休憩後、再度同じ作業を2~4回試す。
以下の動画で実際の作業方法を確認していただきたい。(1人で撮影したので見辛くて申し訳ない)
ゴルフ7
ポロ6R
※ポイント
力加減は「壊さない程度」に注意。強く叩きすぎると給油口カバーや周辺部品を損傷する恐れがある。
リモコン連打はリモコンの電池残量にも影響するので、電池が弱い場合は交換してから試してほしい。
上記の方法で開かない場合、ロックモーターが完全に固着している可能性が高い。
この場合は正規ディーラーやプロショップに相談していただきたい。
ロックモーターを無効化する方法
「交換費用を抑えたい」「今後同じトラブルを避けたい」という方には、ロックモーターを無効化する方法がある。
これは、ロックモーターのコネクターを外すことで給油口のロック機能を停止する手法になる。
ただし、車両ロック時に給油口が開くため、イタズラのリスクが高まる点に注意が必要。
ポロでのコネクター外し手順
1.リアゲートを開く:右側のトリムのロックを解除し、手を入れることができる程度にトリムを折り曲げる。
2.コネクターの確認:LEDライトで底奥を照らし、コネクター(ボディに固定されている)を見つける。
3.コネクターを外す:狭い隙間に手を入れ、コネクターを慎重に外す。外した後は放置で問題ない。
注意:腕を深く入れるため、擦り傷を防ぐために長袖や手袋を着用することをオススメする。コネクターは硬い場合があるので、力を入れすぎないよう注意。
ビートルでのコネクター外し手順
1.リアゲートを開く:右側のトリムのロックを解除する。
2.コネクターの確認:コネクター(ボディに固定されている)を見つける。
3.コネクターを外す:コネクターを外す。外した後は放置で問題ない。
ゴルフ7でのコネクター外し手順
ゴルフ7はビートルやポロよりも作業が複雑になる。以下の手順を参考にしていただきたい。
1.リアトランクトリムの取り外し:T30トルクスで固定ネジを外し、トリムを下から持ち上げるように外す。
2.サイドトリムの取り外し:T25とT30トルクスで固定ネジを外し、クリップリムーバーを使ってサイドトリムを内側に引っ張る。リテーナークリップが硬いので、慎重に解除。
3.コネクターの取り外し:シートベルト近くのコネクター(ロックモーター用)を外す。これでロック機能が無効化され、給油口が自由に開くようになる。
注意:トリムは硬く、クリップが壊れやすいため、養生テープでボディを保護する。
フューエルリッドロックモーター交換手順
ロックモーターが完全に固着し、応急処置でも開かない場合は、新品への交換が必要になる。
以下、ゴルフ7を例にした詳細な交換手順でDIYは給油口を壊したりボディを傷つけてしまう恐れもあるので、自信がない場合は正規ディーラーやプロショップに依頼した方が良い。
必要工具
•マイナスドライバー(強制開放時使用)
•プラスチックヘラ(カバー取り外し用)
•ホイールレンチ(17mmソケット推奨)
•LEDライト
交換手順
1.右リアホイールを取り外す:
車両をジャッキアップし、右リアホイールを外してホイールハウジングにアクセスできる状態にする。
2.ホイールハウジングの取り外し:
T25トルクスでホイールハウジングの固定ネジを外す。ハウジングを慎重に取り外し、給油口の裏側を露出させる。
3.ロックモーターの強制開放:
ロックモーターのツメをマイナスドライバーで叩き割り、給油口を強制的に開ける。
プラスチックヘラで給油口のカバーを少しずつ持ち上げ、開くまで作業を続ける。
4.給油口カバーの取り外し:
T20トルクスでカバーの固定ネジを外す。給油キャップを取り外して給油口に丸めた養生テープなど異物が入らないように対策をしておく。
その後プラスチックヘラでカバーの縁をなぞり、慎重に外す。
5.ロックモーターの交換:
古いモーターを取り外し、新品(純正推奨)を装着。コネクターを確実に接続し、カバーを取り外しと逆の手順で組み上げ。ホイールを規定トルク(120N•m)で締め付ける。最後にドアロックを操作し、ロックモーターが正常に動作することを確認。
所要時間:
- DIY:約1~1.5時間
- プロショップ:約30~45分
フューエルリッド故障原因
取り外したロックモーターを確認すると、内部に水が侵入し、モーター部分が錆びて腐食していた。
特にアルテオンやビートルは、ロックモーターに水分が侵入しやすいため、定期的な点検が重要になる。
ゴルフ7やポロでも、10年以上経過した車両では同様のリスクが高まってくる。
純正品と社外品
ロックモーターを交換する際、純正品と社外品の選択肢がある。それぞれの価格帯は大きく変わらない。交換するのであれば純正品を強くオススメする。
純正品を使用するメリットとしてフォルクスワーゲンの品質基準を満たし、耐久性が高い。
互換性の問題がなく、長期的な安心感がある。万が一故障しても2年の部品保証期間がある。
社外品の場合は耐久性が低く、再故障のリスクが高い。互換性の問題で正常に動作しない場合があるので、3000円程度上乗せして純正品の購入を推奨。
おすすめ:長期的な信頼性を重視するなら、以下の各車両の純正品を推奨する。
•ゴルフ7 10,000円 5C6810733K
•ポロ 10,900円 6C0810773
•ビートル 11,300円 5C5810773B
•アルテオン 10,000円 510810773
社外品の例(自己責任でご使用ください)
予防策
給油口トラブルを未然に防ぐには、以下の対策が効果的。
簡易点検:手動でロックモーターを押して動きに引っ掛かり等の違和感がないか確認。
洗車時の注意:高圧洗車機を給油口に直接当てない。
給油口カバーの隙間に水が溜まらないよう、乾燥させる。
よくある質問(FAQ)
問い合わせやコメント欄でいただく質問を先取りして回答していく
フューエルリッドロックモーター交換工賃
•交換工賃及び診断料等 6,000円
•フューエルリッドロックモーター10,000円
税込み価格合計 17,600円
まとめ
ゴルフ7、アルテオン、ビートル、ポロで給油口が開かない場合、ロックモーターの故障が主な原因となる。
応急処置で一時的に対処可能であるが、再発防止には純正品への交換やコネクターを抜く作業が必要だったりと日頃の定期点検が重要になる。
特に雨季や洗車後には、給油口周辺の状態をチェックする習慣をつけておくとトラブルを回避できる。
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