ゴルフ7

ゴルフ7、パサート、ポロで走行中に「ゴォー」異音?ハブベアリング劣化の原因と交換工賃は?

Yuu

過走行ゴルフ7世帯の定番トラブル。走行中の異音

ゴルフ7
パサート

フォルクスワーゲン車(ゴルフ7、パサート、ポロなど)でよく起こるトラブルの一つに、走行中に「ゴォー」「ブォー」といった異音が発生する症状がある。

この異音は、特に40km/h以上で加速時や巡航中に左前(または右前)付近から響き、車内に不快な振動を伴う。

走行距離が増えてきた車両で頻発し、放置すると安全運転に支障をきたす可能性があるので注意が必要になる。

ハブベアリング

今回の記事では、異音の主な原因であるハブベアリングの劣化と交換手順を解説していく。

走行中異音の原因とは?

ホイールベアリングは、ホイールをスムーズに回転させる役割を担っているが、以下のような理由で故障しやすくなる。

•経年劣化と摩耗:長距離走行によるベアリング内部のボールの磨耗やグリス切れ。

•水や異物の侵入:雨水や泥がベアリングに混入し、錆や腐食を引き起こす。

•衝撃によるダメージ:縁石への接触や悪路走行による変形。

主な原因は、ハブベアリング(ホイールベアリング)内部に異物や水分が入ったことにより、グリスの役割が低下してベアリングとハウジング同士の金属接触が発生することで異音が発生する。

特にゴルフ7やパサートでは、走行距離70,000kmを超えると症状が出やすく、100,000km前後で交換を検討するオーナーが多い。Up!やポロでも同様のトラブルが見られる。

今回のゴルフ7は走行距離9.6万kmに達した車両で、

お客さん
お客さん

「40km/hを超えると左前から『ゴォー』と異音がして、車内に響くから診てほしい」

という相談があった。

試乗で確認したところ、確かに共振音が発生。

縁石や何処にぶつけて足廻りが曲がっている様子もないのでおおよその予想は付いたが、車両をリフトに上げて再度確認を行った。

ESPをオフにしてドライブに入れて回転数を上げて行くと再び「ゴォー」「ブォー」と共振音が車内に響いた。

下廻りを覗いてドライブシャフト付近に近づいてみると、ドライブシャフトが差し込まれているナックル付近から特に鳴っていることが分かった。

この様子から異音の原因は「ハブベアリング」だと予想がつき、新品の在庫もあった為ハブベアリングの点検作業に移った。

以下、ハブベアリング異音の実際の動画になる。

「ゴォ、ゴォー」と太いおとがなっているのがハブベアリングの音になる。

また異音は速度依存性が高いので、低速では気づきにくい。振動が伴う場合、タイヤやブレーキの異常も疑っていただきた異音が発生した場合は、先ずは正規ディーラーかプロショップにて確認するのが大切である。

ハブベアリング交換手順

ハブベアリングが原因と判明したら、新品交換が必要になる。

以下はゴルフ7を例にした手順となる。

交換作業は専用は必要としないが、ドライブシャフトが抜けない場合には専用工具が必要になる。

必要工具

•ロングラチェット

•ラチェット

•24mmトリプルソケット

•M12トリプルスクエア

•17mmスパナ

•21mmソケット

•18mmソケット

•13mmソケット

•T30トルクス

•ハンマー

•タイロッドエンドプーラー

•トルクレンチ

•LEDライト





交換手順

1.車両をジャッキアップし、異音が発生している該当のホイールを外す。

1人の場合はセンターキャップを外してタイヤをサイド取り付けてサイドブレーキを掛けてセンターボルトを緩める。(2人作業推奨:1人がブレーキを踏み、もう1人が緩める)。

2.周辺部品の取り外していく。

ブレーキパッドを交換する要領でキャリパーを外していき(13mm)キャリパーブラケット(21mm)も外す。取り外し後、ブレーキローターを止めているT30のトルクスボルトを外して裏からゴムハンマーで叩いてブレーキローターを外す。

その後スタビライザーリンク(18mm)

タイロッドエンド(18mm)

ボールジョイントナット(16mm)を外す。

3.ドライブシャフト取り外していく。

専用アダプターが無ければセンターボルトを締め込んで少し浮かせ、ハンマーで叩いてドライブシャフトをハブからズラす。(締め込みが緩いとネジ山を潰すので注意)

ドライブシャフトがズレたら貫通ドライバーでスプラインを傷つけないよう慎重にドライブシャフトを叩いて外す。

4.ナックル裏側の3本ボルト(M12トリプルスクエア)をロングラチェットを使って取り外す。

新品ベアリングを装着する際には固定ボルトを新品に交換し、70N•m +90°で締め付ける。

キャリパーブラケットは200N•mで13mmのキャリパーボルト35N•m、センターハブボルト200N•m +180°(180°締め付けるとネジ切れる可能性もあるので大体90°くらいにしているのトルクで締める)

作業時間は大体片側1時間で終了し交換後は異音は消えてハンドルセンターを出して作業は終了となった。

取り外したベアリングを確認すると、内部のボールが金属接触し、ゴリゴリとした感触があった。特にパサートやゴルフは砂や水侵入による錆が原因のケースが多い。

また交換時は純正品を推奨する。耐久性が高く、互換性問題が少ないです。社外品は安価であるが一時的な使用には適しているが後々の長期使用をを重視するなら純正品を選択した方が良い。

よくある質問(FAQ)

問い合わせやコメント欄でいただく質問を先取りして回答していく

Q1. 異音が出たらすぐに交換が必要?
放置するとベアリング破損でハンドル操作が不安定になる可能性がある。また燃費が悪くなるので早めの交換を。
Q2. DIYで大丈夫?
工具と知識があれば可能であるが、使用する工具がやトルク管理する箇所が多いのでリスクあり。正規ディーラーやプロショップ推奨
Q3. 社外品はおすすめ?
初期費用は抑えらるが、信頼性が低い。長期的な使用は難しいので純正を優先。
Q4. どの車種で起こりやすい?
ゴルフ7、パサート、ポロで70,000km超え車両に頻発。ゴルフ6やゴルフ5世代は比較的少ない。
Q5. 車検に影響?
異音があっても直接不合格にはならないが、安全基準で交換推奨。

ハブベアリング交換工賃

2014年式ゴルフ7 96,842km フロントハブベアリング交換(片側)
部品名、料金、純正部品番号

•交換工賃及び診断料等 18,000円

•左ボールベアリング 58,000円

•ボルト 2,400円 WHT000237C

•センターボルト 1,200円 WHT005437A


税込み価格合計 87,560円

まとめ

ゴルフ7、パサート、ポロで40km/h以上の走行中に「ゴォー」異音が発生したら、ハブベアリングの劣化が疑われる。

部品代と工賃が高く、左側から異音が発生したら後々右側からも発生するので合計20万円近くの費用が発生する。

なので、愛車を長く乗りたい場合は交換を推奨するが様々なトラブルが増えてくる8万km越えの車両は乗り換えも検討した方が良いと私は考えている。

入庫のご案内は現在受け付けていませんが、ハブベアリングでお困りの方は気軽にお問い合わせフォーム又はコメント欄にメッセージを送ってください。

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ABOUT ME
Yuu
アストンマーティンDB9やマセラティグラントゥーリズモ、メルセデスベンツCクラスを過去に所有し、現在はジャガーFタイプと三菱エクリプスクロスを愛車とする30歳の整備士が運営するブログ「タチバナ記録簿 」。 フォルクスワーゲンのプロショップでフロントスタッフとして働く著者が、輸入車の維持費を安く抑える節約術や日常のメンテナンス、ちょっとした雑談をリアルに紹介。 高校生時代からの車への情熱を交え、初心者からベテランまで役立つ情報を発信。 フォルクスワーゲンのメンテナンスのコツやコストダウン方法を探しているなら、このブログを是非覗いてみてください。

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