フォルクスワーゲンに初めて乗る人へ。ディーラーや専門店でよく聞く部品名称・整備用語50選
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部品名が分からない時に見てほしい
先ずは下の項目をタッチすると気になる部品名にジャンプすることができるのでタッチしてみてほしい。
エンジン・吸気・点火系
DSG・トランスミッション・駆動系
足回り・ステアリング
電装・センサー
排気・TDI(ディーゼル車)関連
フォルクスワーゲンに初めて乗る輸入車オーナーに伝えておきたい内容として、正規ディーラーや専門店でよく使われる部品名称や整備用語をまとめておく。
車検や点検、故障修理で見積もりを出されたとき、
「この部品はどこに付いているのか」
「何のための部品なのか」
「交換しないとどうなるのか」
が分からない人は多いと思う。実際、当ショップでも見積書を前にして「これは何ですか」と聞かれることは珍しくない。
今回は自動車に詳しくない人でも分かるように、画像を交えながら、それぞれの部品がどんな役割を持っているのかを簡単に解説していく。
なお、エンジンオイル、ワイパーブレード、ウォッシャー液、キーバッテリーなど、名前と役割が分かりやすいものは今回の50選から除外している。
見積書の部品名が分からなくても普通
輸入車の見積書は、部品名がカタカナのまま並ぶことが多い。国産車から乗り換えた人が戸惑うのは当然だと思う。
もうひとつ知っておいてほしいのは、同じ部品でも呼び方が複数あるということ。ディーラーの正式名称、整備士が現場で使う略称、部品カタログ上の表記が、それぞれ違うことがある。
「ホイールスピードセンサー」と言われても、別の店では「ABSセンサー」と呼ばれる。どちらも同じ部品だ。この記事では、そうした別名もあわせて載せている。
そして大前提として、ここに挙げた部品が「VW車なら必ず壊れる部品」という意味ではない。車種、エンジン、年式、使い方によって状況は大きく変わる。あくまで「見積書に登場したときに意味が分かる」ための一覧として読んでほしい。
各部品に緊急度を付けている。
緊急度は、故障の状態・症状の程度・車種によって変わる。同じ部品名でも、滲んでいるだけなのか、はっきり漏れているのかで判断は変わってくる。
ここに書いた星の数は、あくまで一般的な目安として受け取ってほしい。
エンジン・吸気・点火系
スパークプラグ、点火プラグ、プラグ
ガソリンと空気の混合気に火花を飛ばして、爆発させるための部品。エンジンが動いている限り、ずっと火花を飛ばし続けている消耗品になる。
エンジン上部。イグニッションコイルの下に、気筒数ぶん(4気筒なら4本)差し込まれている。
- アイドリングが不安定になる
- 加速時に力が出ない、もたつく
- エンジンチェックランプが点灯する
- 燃費が悪化する
走行距離や年数による定期交換が基本になる。当ショップでは60,000kmまたは5〜7年を目安にしている。プラグは1本だけ交換することはなく、全気筒まとめて交換する。
イグニッションコイル、点火コイル、コイル
スパークプラグに火花を飛ばさせるため、バッテリーの電圧を一気に高い電圧まで引き上げる部品。プラグとセットで点火系を構成している。
エンジン上部で、スパークプラグの真上に差し込まれている。
- エンジンが小刻みに震える
- 加速しない、パワーが出ない
- エンジンチェックランプが点滅または点灯する
- 特定の気筒だけ失火する
診断機で失火(ミスファイア)が検出され、原因がコイルだと判断されたときに交換になる。1本だけ壊れても、他の気筒も同じ年数を使っているため、全数交換を提案されることがある。
オイルセパレーター、PCVバルブ、ブローバイセパレーター、クランクケースベンチレーション
エンジン内部で発生したガス(ブローバイガス)に混ざったオイルを分離して、オイルは戻し、ガスだけを吸気側へ送る部品。国産車ではあまり名前を聞かないが、VW・Audi系では見積書に登場することがある。
エンジン上部、シリンダーヘッドカバー付近に取り付けられていることが多い。
- アイドリングが不安定になる
- オイル漏れが発生
- エンジンルームから吸い込むような異音がする+>
基本的にシリンダーブロックとのシーリングが劣化しオイル漏れで交換される部品になる。
カムシャフトアジャスター、カムアジャスター、カムシャフトコントロールバルブ、可変バルブタイミング機構
エンジンの吸排気バルブが開くタイミングを、回転数や負荷に合わせて変化させる部品。燃費とパワーを両立させるための機構になる。
エンジン前側、カムシャフトの端(タイミングチェーン側)。
- 始動直後にカタカタ、バタバタという異音がする
- アイドリングが不安定になる
- エンジンチェックランプが点灯する
1.4L TSIなどで、冷間始動時の異音を主訴に入庫し、点検の結果として交換になる事例がある。当ショップでも実際に対応している。

タイミングチェーン、タイミングベルト、チェーンテンショナー、ベルトテンショナー
エンジン内部で、ピストンの動きとバルブの開閉のタイミングを合わせている部品。ズレるとエンジンが成立しないため、エンジンの中でも特に重要な部類に入る。
エンジンの前側または後ろ側、カバーの内部。外からは見えない。
- 始動時にガラガラ、ジャラジャラという音がする
- エンジンチェックランプが点灯する
- 最悪の場合、エンジンが始動しなくなる
VWはエンジンによってチェーンとベルトのどちらを使っているかが異なる。ベルトは定期交換部品として交換時期が設定され、チェーンは基本的に無交換だが、テンショナーの劣化で異音が出て作業になることがある。自分の車がどちらなのかは、ディーラーや専門店で確認してほしい。
リブドベルト、Vリブドベルト、補機ベルト、ファンベルト、ドライブベルト
エンジンの回転を使って、オルタネーター(発電機)やエアコンコンプレッサー、ウォーターポンプなどを回すためのゴム製ベルト。国産車では「ファンベルト」と呼ばれることが多い。
エンジンの外側。ボンネットを開けると見えることが多い。
- 始動時や加速時にキュルキュルという音がする
- ベルト表面にひび割れが出る
- 切れると発電が止まり、バッテリー警告灯が点灯する
- ウォーターポンプを駆動している場合、オーバーヒートにつながる
点検時にひび割れや張りの状態を確認して交換になる。当ショップでは60,000kmまたは5〜6年を目安にしている。ベルトテンショナー(張りを保つ部品)を同時に交換することもある。
ターボチャージャーアクチュエーター、ターボアクチュエーター、ウエストゲートアクチュエーター、チャージプレッシャーアクチュエーター
ターボチャージャーの過給圧を制御している装置。ロッドを介してターボ側のフラップを開閉し、どれだけ過給するかを調整している。
ここで押さえておきたいのは、ターボチャージャー本体とは別の部品だということ。「ターボが壊れた」と言われても、実際にはこのアクチュエーターだけの故障で、本体は無事という場合がある。
ターボチャージャー本体に取り付けられている。排気側にあるため、エンジンが暖まっている状態では非常に高温になる。
- 加速しない、ターボが効いていない感じがする
- EPC警告灯やエンジンチェックランプが点灯する
- エンジンを切ると警告が消え、走っているとまた点灯する
- エンジンのバランスが崩れ、最悪の場合エンストする
- ロッドの動きが悪くなる、錆びて固着する
診断機で「ターボチャージャーアクチュエーター 機械的故障」といった故障コードが記録され、ロッドの動きを確認したうえで交換になる。
当ショップでは、1.2Lエンジン(CJZ)で交換した事例がある。1.4LのCPTやCHP、ポロ(AW)の1.0Lエンジンでも同様の交換をしている。本体固定のトルクスとロッドのCリングを外して作業するが、ロッドが錆で固着していることがあるため、簡単に外れないケースもある。交換後はアクチュエーターの基本調整が必要になる。
エアマスセンサー、MAFセンサー、エアフロメーター、エアフロ
エンジンが吸い込んだ空気の量を測るセンサー。この数値をもとに、コンピューターが燃料の噴射量を決めている。
エアクリーナーボックスとエンジンの間の吸気ダクト部分。
- 加速が鈍い、力が出ない
- アイドリングが不安定になる
- エンジンチェックランプが点灯する
- 燃費が悪化する
診断機でエアマス関連のエラーが記録され、実測値がおかしいと判断されたときに交換になる。汚れが原因のこともあるため、清掃で様子を見る場合もある。
ラムダセンサー、O2センサー、酸素センサー
排気ガスに含まれる酸素の量を測るセンサー。燃料が濃すぎないか薄すぎないかをコンピューターに伝えて、燃焼を最適に保っている。「ラムダセンサー」はVW・Audi系でよく使われる呼び方で、国産車の「O2センサー」と同じものになる。
排気管の途中。触媒の前と後ろに1つずつ付いていることが多い。
- エンジンチェックランプが点灯する
- 燃費が悪化する
- アイドリングが不安定になる
- 車検の排出ガス検査に通らないことがある
診断機でエラーが記録されて交換になるケースがほとんど。「前側(アップストリーム)」「後ろ側(ダウンストリーム)」のどちらなのかで部品代も工賃も変わる。
エンジンマウント、エンジンサポート、ミッションマウント、トランスミッションマウント
エンジンやトランスミッションを車体に固定しつつ、振動が車内へ伝わらないように吸収しているゴムや油入りの部品。
エンジンルーム内。エンジンとトランスミッションを、それぞれ数箇所で支えている。
- アイドリング中に車内の振動が大きくなる
- 発進時や停止時にゴトンという突き上げがある
- 段差でドスンと重い音がする
振動や異音を主訴に入庫し、点検でマウントの劣化やオイル抜けが確認されて交換になる。左右で症状が違うこともあるため、どのマウントなのかを確認しておきたい。
冷却系
VW車では冷却水漏れに関する修理事例が比較的多く報告されている。冷却系は部品数が多く、名前も似ているため、ここは特に整理しておきたい。
| 部品 | 役割 |
|---|---|
| ウォーターポンプ | 冷却水を循環させる |
| サーモスタット | 冷却水の流れる経路を切り替えて水温を保つ |
| ラジエーター | 走行風で冷却水を冷やす |
| ラジエーターファン | 停車中など風が当たらないときに風を送る |
| エクスパンションタンク | 冷却水の量を調整・貯めておく |
「冷却水が漏れている」と言われたとき、どこから漏れているのかで金額が大きく変わる。 まずは漏れている箇所を聞いてほしい。
ウォーターポンプ、クーラントポンプ
エンジン内部に冷却水を循環させるためのポンプ。エンジンが高温になり過ぎないように、冷却水を送り続けている。
エンジン周辺。エンジン型式によって取り付け位置は異なる。
- 冷却水が減る
- 車両の下に冷却水が垂れる
- 甘いような独特の臭いがする
- 冷却水警告灯が点灯する
- エンジンルームからガラガラ、ゴロゴロという異音がする
- 重症になるとオーバーヒートする
ポンプ本体や樹脂製ハウジング周辺から冷却水が漏れて交換になるケースがある。VW車では比較的よく聞く作業になる。内部のベアリングが原因で異音が出た場合も、ポンプごと交換になる。
サーモスタット、サーモスタットハウジング、サーモハウジング
サーモスタットは、冷却水の流れる経路を水温に応じて切り替える弁。ハウジングはそれを収める容器で、VWでは樹脂製のものが使われていることがある。
エンジン周辺。ウォーターポンプと隣接、または一体になっている車種もある。
- 冷却水が漏れる
- 冷却水警告灯が点灯する
- 水温が上がらない、または上がりすぎる
- 暖房の効きが悪くなる
樹脂部分の劣化やパッキンの硬化で漏れが発生し、交換になる事例が確認されている。ウォーターポンプと同時交換になることも多い。サーモスタット単体ではなくハウジングごとの交換(ASSY交換)になる場合があるため、見積もりが思ったより大きくなることがある。

クーラントフランジ、カップリングピース、クイックカップリング、ウォーターパイプ、冷却水ホースジョイント
冷却水のホースをつなぐ継手部分。樹脂やゴムでできた小さな部品だが、冷却系の経路にはこうした継手が複数使われている。
エンジン周辺の冷却水経路のあちこち。エンジン後方など、見えにくい位置にあることも多い。
- 冷却水が少しずつ減る
- エンジンルームに冷却水の跡が残る
- 冷却水警告灯が点灯する
樹脂の劣化やOリングの硬化で、じわじわ漏れる形で発覚することが多い。部品自体は数千円程度でも、位置によっては周辺を分解する必要があり工賃が大きくなることがある。
ラジエーター、ラジエター、冷却水ラジエーター
熱くなった冷却水を、走行風で冷やすための放熱器。車体の一番前にある薄い板状の部品になる。
フロントバンパーの内側。エアコンのコンデンサーと重なるように配置されている。
- 冷却水が減る
- 車両前方の下に冷却水が垂れる
- 水温が上がりやすくなる
- オーバーヒートする
経年劣化やクーラント劣化により内部が詰まったり、飛び石による損傷で交換になる時もある。

ラジエーターファン、電動ファン、クーリングファン、ファンモーター
停車中や低速走行時など、走行風が当たらないときにラジエーターへ風を送るファン。エアコン使用時にも回る。
ラジエーターの後ろ側。エンジンルーム前方から見える。
- 停車中に水温が上がる
- エアコンの効きが悪くなる
- エンジンを切った後や、アイドリング中に大きな風切り音がする
- 回らなくなるとオーバーヒートにつながる
異音や、ファンが回らないという症状で交換になる。エンジンを切った後にしばらく回るのは正常な動作なので、そこは心配しなくていい。
エクスパンションタンク、クーラントタンク、リザーバータンク、サブタンク、クーラントレベルセンサー
冷却水を貯めておき、温度変化による量の増減を吸収するタンク。多くの車両で、内部の水位を見るためのクーラントレベルセンサーが付いている。
エンジンルーム内。半透明の樹脂タンクで、MIN・MAXの線が入っている。
- タンク本体やキャップから冷却水が漏れる
- 冷却水は足りているのに警告灯が点灯する(センサー不良の場合)
- 樹脂が劣化して割れる
経年劣化によるひび割れや漏れ、レベルセンサーの不良で交換になる。冷却水警告灯が点灯しても、必ず漏れているとは限らない。センサー側の不具合という可能性もあるので、まずは点検してほしい。
DSG・トランスミッション・駆動系
VWといえばDSGだが、「DSGの故障」とひとくくりにされがちな中身は、実際にはいくつかの別々の部品になる。ここを分けて理解しておくと、見積書の意味がかなり分かるようになる。
DSG、Sトロニック(Audi)、DCT、デュアルクラッチトランスミッション
DSGは、マニュアルミッションを自動で操作しているようなトランスミッションになる。2組のクラッチが交互に働くことで、素早い変速と、MT的なダイレクトな走りを実現している。
乾式と湿式があり、クラッチがオイルに浸かっているかどうかで分かれる。
| 乾式 | 湿式 | |
|---|---|---|
| クラッチ | オイルに浸かっていない | オイルの中で作動する |
| オイルフィルター | 無し | 有り |
| 見分け方 | 上部にフィルターが無い | 上部にオイルフィルターが付く |
- 発進時にガクガクした振動(ジャダー)が出る
- 変速時に大きなショックがある
- ギアが入らない、警告灯が点灯する

DSGクラッチ、クラッチパック、クラッチASSY
エンジンの力をトランスミッションへ伝えたり、切ったりする部分。DSGでは2組のクラッチが交互に働いている。車を発進させるときに滑りを作っているのが、このクラッチになる。
エンジンとトランスミッションの間、トランスミッション内部。
- 発進時にガクガクという振動が出る(ジャダー)
- 半クラッチ状態が長く、加速がもたつく
- 焦げたような臭いがすることがある
摩耗による交換が基本になる。クラッチ交換にはトランスミッションを車両から降ろす必要があるため、工賃が大きくなる。デュアルマスフライホイールと同時交換になることも多い。

メカトロニクス、メカトロ、バルブボディ、コントロールユニット
クラッチの断続やギアの選択を、油圧と電子制御でコントロールしている部分。油圧を制御するバルブボディと、コンピューター基板が一体になったユニットになる。DSGの頭脳と手足を兼ねている、と考えると分かりやすい。
トランスミッション内部。外から見える位置ではない。
- 変速時にガツンとしたショックが出る
- ギアが入らない、リバースに入らない
- 走行中にギアが抜ける
- トランスミッション警告灯や、Pレンジに関する警告メッセージが出る
診断機でメカトロニクス側のエラーが記録されて交換になる。過去には7速DSGのメカトロニクスに関するリコールが実施されているため、年式によっては対象になっていないかディーラーで確認する価値がある。交換後は基本調整(アダプテーション)が必要になる。
| 部品 | 担当している仕事 | 症状の出方 |
|---|---|---|
| デュアルマスフライホイール | 振動の吸収 | 発進・変速時の金属音、振動 |
| DSGクラッチ | 力を伝える/切る | ジャダー、加速のもたつき |
| メカトロニクス | 制御する | 変速ショック、ギアが入らない、警告灯 |
「DSGが壊れた」と言われても、この3つのどれなのかで作業も金額も変わる。まずどこの部品なのかを確認してほしい。
デュアルマスフライホイール、フライホイール、DMF、ツーマスフライホイール
エンジンとトランスミッションの間にあり、エンジンから伝わる回転のムラや振動を吸収する部品。エンジンは爆発で回っているため、どうしても回転にムラが出る。それを吸収して、駆動系へ滑らかに伝えている。
内部に2枚の円盤とバネが入っていて、この構造が「デュアルマス(2つの質量)」の名前の由来になっている。
エンジンとトランスミッションの接合部(ベルハウジング内)。降ろさないと見えない。
- 発進時や変速時に金属音がする
- アイドリング中に振動や異音が出る
- 大きなガタが出ると、走行不能につながる可能性がある
異音を主訴に入庫し、トランスミッションを降ろして状態を確認したうえで交換になる。DSGクラッチと同時交換になることが多い。
DSGオイル、ギヤオイル、ATF、DSGオイルフィルター
DSG内部のギアやベアリングを潤滑し、湿式の場合はクラッチの冷却も担っているオイル。湿式にはクラッチの摩耗粉を受け止めるオイルフィルターが付く。
- 変速のフィーリングが悪化することがある
- 汚れが進むと、内部の摩耗を早める可能性がある
湿式は交換サイクルが設定されている。乾式についてはメーカーの見解では交換不要とされているが、当ショップでは60,000kmまたは5年で一度の交換を勧めている。

ドライブシャフトブーツ、ブーツ、CVジョイントブーツ、等速ジョイント
エンジンの力をタイヤへ伝えるドライブシャフトの、関節部分(CVジョイント)を覆っているゴムのカバー。中にグリスが入っていて、水や砂の侵入を防いでいる。
車体の下、タイヤの内側付近。
- ブーツが破れてグリスが飛び散る
- ハンドルを切りながら発進するとカタカタ、コトコトという音がする
- 放置するとジョイント本体が損傷する
車検や点検でブーツの破れが見つかると、車検に通らないため交換になる。破れて時間が経っている場合、ブーツだけでなくドライブシャフトASSY交換になることもある。
ハルデックスカップリング、ハルデックス、4MOTIONカップリング、ハルデックスオイル、ハルデックスポンプ
4MOTION(4WD)車で、前輪と後輪へ駆動力を配分している装置。国産車ではまず聞かない名称だが、VWの4WD車では見積書に登場する。
車体後方、リアデフの手前付近。
- 4WDが正常に働かなくなる
- 警告灯が点灯する
- ポンプの不良で駆動配分ができなくなる
故障よりも、オイル交換で名前を聞くことの方が多い。ハルデックスオイルの交換時期は2年程度と短く、中古車を購入した場合は前オーナーが交換しているか分からないことが多い。
ブレーキパッド、パッド、ディスクパッド、ブレーキパッド残量センサー(パッドセンサー)
回転しているブレーキディスクを両側から挟み込んで、車を減速・停止させる摩擦材。使うたびに少しずつ減っていく消耗品になる。
各タイヤの内側、ブレーキキャリパーの中。
- ブレーキ時にキーキー、ゴーという音がする
- ブレーキパッド警告灯が点灯する
- 残量が無くなると、ディスクまで削って高額修理になる
点検での残量測定、またはブレーキパッド残量センサーが摩耗して警告灯が点灯したときに交換になる。VW車の多くはこのセンサーを備えており、パッド交換時にセンサーも一緒に交換になることがある。

ブレーキディスク、ブレーキローター、ディスクローター、ローター
タイヤと一緒に回っている金属の円盤。ブレーキパッドがこれを挟むことで車が止まる。パッドと同じく、少しずつ摩耗していく。
各タイヤの内側。ホイールの隙間から見えることが多い。
- 表面に段差や深い筋が付く
- ブレーキ時にハンドルやペダルが振動する
- 規定の厚みを下回ると車検に通らない
厚みを測定して規定値を下回っている場合や、段付き摩耗が進んでいる場合に交換になる。輸入車ではパッドとディスクを同時交換するのが一般的で、これは国産車から乗り換えた人が驚くポイントのひとつになる。
ブレーキキャリパー、キャリパー、キャリパーASSY
ブレーキパッドをディスクへ押し付ける装置。油圧でピストンが動き、パッドを挟み込む力を作っている。
各タイヤの内側、ブレーキディスクをまたぐように付いている。
- ピストンが固着してブレーキが引きずる
- 片側だけパッドの減りが早くなる
- ブレーキ液が漏れる
- 走行後にホイールが異常に熱くなる
固着や液漏れが確認されたときに、オーバーホールまたはASSY交換になる。左右で片方だけ交換すると効きに差が出るため、左右同時作業を勧められることがある。
ブレーキフルード、ブレーキオイル、ブレーキ液
ブレーキペダルを踏む力を、油圧としてキャリパーへ伝えるための液体。水分を吸いやすい性質があり、時間の経過とともに劣化する。
エンジンルーム内のリザーバータンクと、ブレーキ配管の内部。
- 水分を含むと沸点が下がり、下り坂の連続ブレーキなどで効きが落ちる可能性がある
- 液が減っていれば、どこかで漏れている可能性がある
車検ごと(2年ごと)の交換が基本になる。見積書に必ずと言っていいほど載る項目なので、「毎回請求されている」と感じる人もいるが、これは定期交換の項目になる。
ホイールスピードセンサー、ABSセンサー、車輪速センサー
それぞれのタイヤがどのくらいの速度で回っているかを測るセンサー。ABSやESC(横滑り防止装置)だけでなく、多くの運転支援機能にも使われている。VWでは「ABSセンサー」と呼ばれることもある。
各タイヤの付け根付近、ハブ周辺。
- ABS警告灯、ESC(横滑り防止)警告灯が点灯する
- 車速に関連する機能が使えなくなる
- クルーズコントロールなどが作動しなくなる
警告灯の点灯で入庫し、診断機でどの輪のセンサーかを特定して交換になる。冬場など、気温が下がる時期に症状が出やすいと感じている。
EPB、電動パーキングブレーキ、パーキングブレーキモーター、パーキングブレーキアクチュエーター
サイドブレーキを電動で作動させるモーター。スイッチひとつでパーキングブレーキがかかる仕組みになっている。
リアのブレーキキャリパーに直接取り付けられている。
- パーキングブレーキが解除できない、かからない
- 警告灯やエラーメッセージが表示される
- 異音がする
モーターの不良や配線の断線で交換になる。電動パーキングブレーキ装着車は、リアブレーキパッドの交換に診断機が必要になる。DIYでパッド交換ができないのは、この機構があるためだ。

ロアアームジョイント、ボールジョイント、ロアボールジョイント、サスペンションジョイント、ロアアームASSY
ロアアーム(タイヤを車体につないでいる腕)の先端にある、球状の関節部分。人間でいえば股関節に近い構造になる。
この関節が担っている仕事は2つある。タイヤが路面の凹凸で上下に動くことと、ハンドル操作でタイヤの向きが変わること。この2方向の動きを1点で受け持っているため、走っている間ずっと動き続けている部品になる。
内部にはグリスが詰められ、ゴム製のブーツで密閉されている。
車体の下、前輪の付け根付近。ロアアームの外側の端で、ハブ(ナックル)と結合している。
- 段差でゴトゴト、コトコトという音がする
- ハンドルに遊びが出る、ふらつく
- ブーツが破れてグリスが飛び散る
- ガタが大きくなると、走行中の振動につながる
ブーツの破れは車検に通らないため、点検で指摘されて作業になることが多い。ブーツが破れるとグリスが失われ、水や砂が入り込んで内部が急速に摩耗する。
VWではジョイント単体の部品設定がなく、ロアアームASSY交換になる車種がある。この場合は部品代が上がる。交換後はアライメント調整が必要になる。
ロアアームブッシュ、コントロールアームブッシュ、ブッシュ、ブッシング
ロアアームの付け根に入っている、金属とゴムでできた部品。振動や衝撃を吸収しつつ、アームの動きを支えている。
ロアアームの車体側の取り付け部分。
- 段差でコトコト、ゴトゴトという音がする
- ブレーキ時にハンドルがブレる、ふらつく
- ゴムに亀裂が入る、内部の液が抜ける
点検でゴムの亀裂やガタが確認されて交換になる。ブレーキ時の違和感の原因がブッシュだった、という事例もある。
スタビライザーブッシュ、スタビブッシュ、スタビライザーバーブッシュ
スタビライザー本体を車体に固定している、ゴム製の輪。棒を車体に留めているゴムだと考えると分かりやすい。
車体の下、スタビライザーの中央付近を左右2箇所で固定している。
- 段差でギシギシ、コトコトという音がする
- ゴムがひび割れる、痩せる
点検でひび割れが確認されたときや、異音の原因を追ったときに交換になる。スタビライザーリンクとは別部品なので、見積書でどちらなのかを確認してほしい。
スタビライザーリンク、スタビリンク、リンクロッド
左右の傾きを抑えるスタビライザーと、サスペンションをつないでいる小さな棒状の部品。両端にボールジョイントが入っている。
車体の下、タイヤの内側付近。
- 段差や凸凹でカタカタ、コトコトという軽い音がする
- 手で揺すると遊びがある
足回りの異音を追った結果として交換になることが多い。部品自体は比較的安価で、足回りの異音の中では負担の軽い部類に入る。左右同時交換が基本になる。
スタビライザーブッシュ、スタビブッシュ、スタビライザーバーブッシュ
スタビライザー本体を車体に固定している、ゴム製の輪。棒を車体に留めているゴムだと考えると分かりやすい。
車体の下、スタビライザーの中央付近を左右2箇所で固定している。
- 段差でギシギシ、コトコトという音がする
- ゴムがひび割れる、痩せる
点検でひび割れが確認されたときや、異音の原因を追ったときに交換になる。スタビライザーリンクとは別部品なので、見積書でどちらなのかを確認してほしい。
ショックアブソーバー、ダンパー、ショック、ストラット
路面の凹凸で発生した車体の揺れを収める部品。バネだけでは揺れが止まらないため、それを減衰させる筒状の部品が組み合わされている。
各タイヤの上、サスペンションの一部として。
- 段差を越えたあとにフワフワと揺れが続く
- オイルが滲む、垂れる
- 異音が出る
- タイヤの偏摩耗につながる
オイル漏れが確認されると交換になる。左右同時交換が基本で、片側だけ新品にすると左右のバランスが崩れる。
アッパーマウント、ストラットマウント、アッパーサポート、ベアリングマウント
ショックアブソーバーの上端と車体をつないでいる部品。ゴムとベアリングが組み合わされていて、振動を吸収しつつ、ハンドル操作に合わせてサスペンションが回転できるようにしている。
エンジンルーム内の左右、フェンダー付近の上部。
- ハンドルを切るとコキコキ、ギシギシという音がする
- 段差でゴトンという音がする
- ハンドルが重く感じる、戻りが悪くなる
ハンドル操作時の異音を主訴に入庫し、点検で判明することが多い。ショックアブソーバー交換時に同時交換を勧められることがある。
タイロッドエンド、タイロッド、ステアリングロッド
ハンドルの動きをタイヤへ伝えている棒の、先端の関節部分。ここが動くことで、タイヤの向きが変わる。
車体の下、前輪の内側。
- ハンドルに遊びが出る、ふらつく
- 段差でカタカタと音がする
- ブーツが破れる
車検や点検でブーツの破れやガタが確認されて交換になる。破れは車検に通らないため、その場で指摘されることが多い。交換後はアライメント調整が必要になる。
ハブベアリング、ホイールベアリング、ハブユニット、ハブASSY
タイヤが滑らかに回転するための軸受け。タイヤの回転を支えている、地味だが重要な部品になる。
各タイヤの中心部。
- 走行中に「ゴー」「ウォーン」という連続した唸り音がする
- 速度が上がるにつれて音が大きくなる
- カーブで音の大きさが変わる
- 進行すると振動が出る
唸り音を主訴に入庫し、原因を特定して交換になる。タイヤの音やロードノイズと勘違いされやすい部品で、「タイヤを替えたのに音が消えない」という相談でハブベアリングだったケースもある。多くの車種でハブASSY交換になる。

電装・センサー
エンジンオイルレベルセンサー、オイルレベルセンサー、オイルレベル・テンペラチャーセンダー
エンジンオイルの量と温度を測って、コンピューターへ伝えるセンサー。VWの多くの車種にはオイルレベルゲージ(差し込む棒)が無く、このセンサーの数値をメーター内に表示している。
オイルパン(エンジン下部のオイルが溜まる部分)に取り付けられている。
- オイルは足りているのに「オイル量を点検してください」と表示される
- オイルレベルの表示が出なくなる
- エンジンチェックランプが点灯する
診断機でセンサー関連のエラーが記録されたときに交換になる。表示が出たからといって、必ずオイルが減っているとは限らない。まずは実際のオイル量を確認してほしい。

オルタネーター、ジェネレーター、発電機、ダイナモ
エンジンの回転を使って電気を作り、バッテリーを充電しながら車の電装品に電気を供給している装置。
エンジンの外側。リブドベルトで駆動されている。
- バッテリー警告灯が点灯する
- 電装品の動作がおかしくなる
- 発電しなくなると、いずれ走行不能になる
発電電圧を測定して不良と判断されたときに交換になる。バッテリー交換をしたのにまた上がる、という場合、原因がオルタネーター側ということもある。
スターターモーター、セルモーター、スターター
エンジンを始動させるときに、最初にエンジンを回すモーター。「セル」という呼び方の方が馴染みがある人も多いと思う。
エンジンとトランスミッションの接合部付近。
- キーを回してもカチッと音がするだけで始動しない
- 始動時にガリガリという音がする
- 始動できたりできなかったりする
始動不良で入庫し、バッテリー・配線・リレー・本体を切り分けたうえで交換になる。始動しない=スターター故障とは限らないので、まず点検が必要になる。アイドリングストップ搭載車は、通常より始動回数が多くなる。
バッテリー、AGMバッテリー、EFBバッテリー、バッテリー監視センサー、BEM(バッテリーエネルギーマネジメント)
車のバッテリーだが、輸入車ではAGMやEFBといった専用タイプが指定されていることが多い。アイドリングストップや回生充電に対応するための構造になっている。マイナス端子付近には、バッテリーの状態を監視するセンサーが付いている。
エンジンルーム内、または車種によっては別の場所。
- エンジンの始動が重くなる
- アイドリングストップが作動しなくなる
- 電装品にエラーが出る
- 突然エンジンが掛からなくなる
容量測定で劣化が確認されたときに交換になる。交換後は診断機でバッテリー交換の登録(コーディング)が必要な車種がある。登録せずに交換すると、充電制御が正しく働かない可能性がある。安いバッテリーに替えたのにすぐ弱った、という相談の背景には、このあたりの事情があることもある。
ドアロックアクチュエーター、ドアロックASSY、セントラルロック、フューエルリッドロックモーター、給油口ロックモーター
ドアの施錠・解錠を電動で行う部品と、給油口のフタをロックしている小さなモーター。地味な部品だが、故障すると日常の使い勝手に直結する。
ドアの内部、および給油口の裏側。
- 特定のドアだけ施錠・解錠できない
- 給油口のフタが開かない
- 施錠時に警告が出る
「給油口が開かないときがある」という主訴で入庫し、モーター交換になるケースがある。内張りを外す作業が必要なため、部品代のわりに工賃がかかることがある。
ライトコントロールモジュール、ヘッドライトコントロールユニット、LEDモジュール、パワーモジュール
ヘッドライトの点灯や配光を制御しているユニット。LEDヘッドライトの場合、光源であるLEDと制御モジュールがヘッドライト内部に組み込まれている。
ヘッドライト内部、またはその周辺。
- 片側のライトが点灯しない
- 一部のLEDだけ消える
- ライト関連の警告メッセージが出る
- デイライトが変色する
LEDヘッドライトは、バルブ単体の交換ができず、ヘッドライトASSY交換になることがある。この場合、部品代が大きくなりやすい。
レーダーセンサー、フロントレーダー、ACCセンサー、フロントカメラ、マルチファンクションカメラ、パーキングセンサー(ソナー)
アダプティブクルーズコントロールや衝突被害軽減ブレーキ、レーンキープなどに使われるセンサー類。前方のレーダーと、フロントガラス上部のカメラが代表的になる。
フロントグリル内側(レーダー)、フロントガラス上部(カメラ)、バンパー内(ソナー)。
- 運転支援機能が使用できないという警告が出る
- ACCやトラベルアシストが作動しない
- 駐車時のセンサーが誤作動する
不具合による交換のほか、フロントガラス交換やバンパー修理の後には、カメラやレーダーの調整(エーミング)が必要になる。これは専用の設備が要る作業になる。
排気・TDI(ディーゼル車)関連
ここからは主にTDI車(ディーゼル車)に関わる部品になる。ガソリン車では基本的に登場しない名称なので、ディーゼルを検討している人は目を通しておいてほしい。
EGRバルブ、EGRクーラー、排気ガス再循環バルブ
排気ガスの一部をもう一度エンジンへ戻して、燃焼温度を下げることで有害物質を減らす装置。EGRクーラーは、戻す排気ガスを冷やす部品になる。
エンジンの吸気側と排気側をつなぐ位置。
- 加速が鈍る
- エンジンチェックランプが点灯する
- 黒煙が出る
- アイドリングが不安定になる
排気ガスに含まれるススが内部に堆積して、バルブの動きが悪くなることがある。清掃で改善する場合と、交換になる場合がある。
DPF、ディーゼル微粒子捕集フィルター、パティキュレートフィルター、DPF差圧センサー
排気ガスに含まれるススを捕集するフィルター。溜まったススは、走行中に高温で燃やして除去(再生)される仕組みになっている。DPF差圧センサーは、フィルターの詰まり具合を前後の圧力差から判断するセンサーになる。
排気系の途中。
- DPF警告灯が点灯する
- 加速が鈍くなる
- 再生が頻繁に入るようになる
短距離走行の繰り返しでは再生が完了しにくく、ススが溜まりやすくなる。警告灯が点灯した場合、まずは指示に従った走行で再生を促し、それでも改善しない場合に点検・交換となる。DPFは高価な部品になるため、日頃からある程度の距離を走る使い方ができるかどうかは、ディーゼルを選ぶ際の判断材料になる。
NOxセンサー、窒素酸化物センサー
排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)の量を測るセンサー。後述するAdBlueシステムが正しく働いているかを判断するために使われている。
排気系。触媒の前後に付いていることが多い。
- エンジンチェックランプや排出ガス関連の警告が点灯する
- 出力が制限されることがある
- 警告が消えない状態が続く
診断機でNOxセンサー関連のエラーが記録されて交換になる。比較的高価なセンサーで、前後どちらの故障かによって金額が変わる。
AdBlue、アドブルー、尿素水、SCR触媒、AdBlueインジェクター、AdBlueポンプ
AdBlueは尿素水のことで、排気ガスに噴射することで窒素酸化物を分解する仕組み(SCR)に使われる。燃料とは別に補充が必要な消耗品になる。
専用のタンクと、噴射するインジェクター、送るポンプで構成されている。給油口の隣などに専用の注入口があることが多い。
- AdBlue残量の警告が出る
- 「あと◯kmで始動できません」というカウントダウンが表示される
- 補充しても警告が消えない場合、センサーやポンプ側の不具合が疑われる
残量警告なら補充で解決する。ただし補充しても消えない場合は、システム側の点検が必要になる。カウントダウンが0になると再始動できなくなるため、警告が出たら早めに対応してほしい。
エアコン・その他
エアコンコンプレッサー、コンプレッサー、A/Cコンプレッサー
エアコンのガスを圧縮して循環させるポンプ。エアコンの心臓部にあたる。
エンジンの外側。リブドベルトで駆動されている。
- エアコンが冷えない
- エアコン作動時に異音がする
- 内部が固着すると、リブドベルトにも影響が出る
異音や、冷えないという症状で点検し、コンプレッサー不良と判断された場合に交換になる。内部で金属粉が発生していた場合、配管の洗浄やエキスパンションバルブの交換も必要になり、作業範囲が広がることがある。

エバポレーター、エバポ、コンデンサー、コンデンサ
コンデンサーは車の前方にあり、圧縮されたガスを冷やす部品。エバポレーターは室内側にあり、冷たくなったガスで空気を冷やして車内へ送る部品になる。
コンデンサーはラジエーターの前。エバポレーターはダッシュボードの内部。
- エアコンが冷えない
- ガスが漏れて、補充してもすぐ効かなくなる
- エアコンから嫌な臭いがする(エバポレーターの汚れが原因のことがある)
コンデンサーは前方にあるため、飛び石などによる損傷でガス漏れが起きることがある。エバポレーターはダッシュボードを分解する必要があり、作業時間が大きくなる代表的な部品になる。

覚えておくと見積書が読める整備用語
部品名以外にも、説明の中で当たり前のように使われる言葉がある。よく使うものを挙げておく。
複数の部品が一体になった状態で交換すること。「ウォーターポンプASSY」「ハブベアリングASSY」「ヘッドライトASSY」といった使い方をする。
部品の一部だけが壊れていても、構造上バラせない、あるいはメーカーが単体部品を供給していない場合、ASSY交換になる。輸入車の修理費が高く感じられる理由のひとつがここにある。見積書の金額に驚いたときは、「単体交換はできないのか」と聞いてみる価値がある。
- 純正部品:メーカーが供給している部品
- OEM部品:純正部品を実際に製造しているメーカーが、自社ブランドで出している部品
- 社外部品:それ以外のメーカーが製造した部品
品質と価格のバランスが変わるため、選択肢があるかどうかを聞いてみるといい。ただし部位によっては純正を勧めたい箇所もある。
滲みは表面がうっすら湿っている状態、漏れは明確に垂れている状態。同じオイル漏れでも、この2つでは緊急度が全く違う。「滲んでいる」と言われた場合は、経過観察になることが多い。
部品に本来ないはずの遊びが出ている状態。手で揺すると動く、という説明をされることがある。異音の原因として頻繁に登場する。
- ブッシュ:振動を吸収するゴム部品
- ブーツ:関節部分を保護するゴムのカバー
どちらもゴム部品だが役割が違う。ブーツの破れは車検に通らないことがある。
診断機を接続したときに記録されている、不具合の履歴。「P0301」のような英数字で表示される。フォルトコードが出た=その部品が壊れている、とは限らない。あくまで異常が検出された箇所を示すもので、そこから原因を追っていくことになる。
部品を交換した後に、車両のコンピューターへ学習し直させる作業。DSGのメカトロニクス交換後などに必要になる。部品を付けただけでは終わらない作業があることを知っておくと、工賃の内訳が理解しやすい。
見積書で部品交換を勧められた時に確認したいこと
部品名が分かるようになったら、次は判断ができる状態を目指したい。見積もりを提示されたら、次のことを聞いてみてほしい。整備士側としても、こう聞かれた方が説明しやすい。
安全に直結する箇所なのか、それとも予定を組んで対応できる箇所なのか。
「滲み」の段階なら、次回まで様子を見られる場合がある。
すでに壊れているのか、まだ使えるが時期が来ているのか。ここは必ず確認してほしい。
金額に大きく影響する。単体で出る部品なら、費用を抑えられる可能性がある。
ブレーキやショックアブソーバーなど、左右同時が原則の部品がある。片側だけにできない理由を聞いておくと納得しやすい。
部位によっては、OEM部品や社外部品という選択肢がある。
ブレーキパッドの摩耗でディスクまで削る、ブーツの破れでジョイント本体が傷む、といった連鎖がある。ここを聞いておくと、優先順位が付けやすい。
まとめ
フォルクスワーゲンに初めて乗ると、国産車ではあまり聞かなかった部品名称を、ディーラーや専門店で耳にすることがある。
ただ、名前が難しいだけで、それぞれの役割を簡単に理解しておけば、車検や修理時の説明もかなり分かりやすくなる。「ハルデックスカップリング」と言われて身構えても、要は4WDの駆動を配分している部品で、今回はそのオイル交換の話だった、というだけのこともある。
見積書で分からない部品があった場合は、
- 何の部品なのか
- なぜ交換が必要なのか
- 今すぐ必要なのか
- 放置するとどうなるのか
この4つを確認してほしい。これが分かるだけで、判断の精度は大きく変わる。
そして繰り返しになるが、この記事で挙げた部品は「VW車なら必ず壊れる部品」ではない。車種、エンジン、年式、乗り方によって状況は変わる。ここに載っている症状が出たからといって、その部品が故障していると決まったわけでもない。あくまで、説明を受けたときに意味が分かるための材料として使ってほしい。
今回紹介していない部品で、「この部品の意味も知りたい」「ディーラーでこの名称を言われたけれど何の部品?」というものがあれば、問い合わせから気兼ねなく連絡していただきたい。必要に応じて、今後この記事にも追加していく。
修理費や今後の維持費、売却を含めた判断に迷う場合は、下記の無料ツールを作成しました。 年間維持費の目安を確認できる「VW維持費シミュレーター」、症状から原因を探せる「VW故障診断チャット」、乗り換え判断に使える「VW売却価格AI診断」を用意しているので是非ご利用ください。
なお、入庫のご案内は現在受け付けていませんが、この記事の内容について気になる点や判断に迷う症状があれば、気軽に お問い合わせフォーム 又はコメント欄にメッセージを送ってください。

